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【特別連載・カリフォルニア州司法試験合格体験記⑦】byN氏

最後に、N氏からのメッセージです

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7. 最後に

冒頭にも述べましたとおり、Cal Barは難易度が高い試験になります。その分だけ苦労も、合格した場合の達成感も大きくなります。この記事をご覧の方はそれぞれ様々な理由でCal Barを目指していらっしゃると思いますが、ぜひ初志貫徹で合格を勝ち取っていただければと思います。

―余談―

私自身、日本人の法律家として、国際的に働くために米国の法曹資格が「必要」なものであるとは考えていません。日本の資格さえあれば、世界的にはAttorneyであり、実際に多くの弁護士が米国の法曹資格なく国際的に仕事しています。実際に重要なのは、英語やその他の言語でのコミュニケーション能力、交渉能力、文書の起案能力等であり、米国の法曹資格では内容に思います。米国の法曹資格があれば、米国で働けるオプションにもなりますし、会社や法律事務所への留学の成果として報告できることになりますが、本当に大事なのは、米国の法曹資格の有無にかかわらず、留学やCal Barの準備で学んだ日本への危機感、国際的な感覚、英米法の概念や英語力を使って、日本で又は世界のどこかで、国際的に活躍することだと思います。

もちろん、日本の資格を未だ取られていない方からすれば、Cal Barを含む米国の資格の取得はとても大事ですし、日本の資格保持者にとっても重要な意味を持つことになると思います。私自身にとっては、Cal Barへの挑戦を通じて米国の基礎法を学べたことはとても有意義でしたし、実際に合格したことは苦手意識のある英語に対する自信にもなっています。そして、なによりも、費用と時間をかけて苦労してとった資格ですので、易きに流れず、今後この資格を絶対に「活用」しようというモチベーションになっています。

この記事が、お読みいただいた方のCal Barの合格及びその先の国際的な舞台でのご活躍に少しでも貢献できれば幸いです。


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【特別連載・カリフォルニア州司法試験合格体験記⑥】byN氏


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6. 2019年2月の受験

11月半ばに不合格がわかり、いろいろな方と相談し、考えたりして、12月あたまに再受験を決意しました。米国での2年目研修先での仕事の関係上、勉強時間は前回よりも少なくなるため、いかに効率よく勉強するかもポイントでした。実際に前回の結果から得た学びを踏まえて対策を立てましたので、それをシェアさせていただきます。

(1)勉強量について

研修先での仕事もありますので、平日は1日4時間(朝2時間、夜2時間)、休日は1日6時間は下回らないようにしていました。勉強量が7月受験時よりも相当少なくなってしまいますが、7月時の受験の知識の蓄積もありましたので、結局十分な量は確保できたように思います。

(2)MBEについて

MBEについては、7月に合格点まで達していることもあり、Adaptibarに一本化し、MBEにかける時間を大幅に削りました。Adaptibarに一本化したのは、例えば昼食時などの短い時間でもちょくちょく進められるからです。1日30問できればいいかな、程度ですすめており、最終的には1600問ぐらいで正答率は68%ぐらいでした。また、Barbriの模試や100問のセットも時間を計り何回かやりました。同程度の正答率でした。
加えて、よく間違えるところ、複雑なところだけは短答チェックリストをつくり、直前に見直していました。

なお、AdaptibarはNCBEの過去問が問題になっているのですが、2018年7月のMBEは正直それらの過去問よりかなり難しく感じたため(実際にここ34年間で最も低い平均点でした。)、2019年2月もAdaptibarで対応できるのかが不安でした。私はスキマ時間にちょくちょく進められるAdaptibarの機能が便利でしたのでAdaptibarにしましたが、細かいと言われているBarbriの問題のほうがいいかも、とも思っています。
2019年2月はMBEの前半は簡単に感じましたが、後半は2018年7月のレベルと同様に難しく感じ。NCBEもいろいろと試行錯誤しているところなように思えます。

(2)Essayについて

Cal BarにおいてEssayとPTが重要であることは前述のとおりですので、私の課題はいかにしてEssayを向上させるか、でした。合格者にいろいろ質問をしたり、(上記でシェアしたような)Cal Barの分析を自分でしたりして、以下の方針をたてました。

a. 1000 Wordsは絶対に書く

青本曰く、一般的なJD生のタイプスピードは45分で1400から1500 Words程とのことです。そうだとすれば、Passing Answerは同程度の単語数で書ききれる内容になるはずです。自分の7月受験時のタイプスピード(結局本番では700から900 Words)からすると気が遠くなる差だったのですが、非ネイティブの合格者に実際に書いたWord数を聞いてみたところ、多くの学生が1000から1200 Wordsと言っていました。ですので、最低1000 Wordsを書くことを目標にしました。
2月に向けて勉強を始めた頃は、多く書けたと思っても900 Words台でしたが、徐々にスピードが上がり、最終的には1000から1200 Wordsで書けるようになりました。練習でもすべての論点に触れられている場合には1000 Wordsを超えていることが多く、感覚的に1000 Wordsは重要な基準だったと思っています。

b. 自分用のまとめノートを準備する

Essayにおいては論点の抽出(Issue Spot)がとても大事で、論点を落とさないようにするためには、すべての論点を抑える必要があります。また、その論点のルールを正確に記載する必要があります。しかし、それがとても難しく、実際にSmartBarPrepで7月に勉強した私の感覚では、すでに作られている論証集では「暗記」という側面が強くなり、あまり論点を理解しておらず、そのために論点及びそのルールを正確に覚えられておらず、したがってその適用もうまくできませんでした。そこで、自分なりのノートを作ることにしました。

どのようなノートを作るかについてはいろいろと試行錯誤しましたが、最終的には以下のようなノートを作成しました。

① SmartBarPrepと青本のアウトラインを参考に、まずはIssue Check list(論点表)を作成する。
−論点の全体像を把握し、それらを体系的に理解する目的です。たとえば、Remedyで何がTortsに対するRemedyで、Contractsに対するRemedyか、やTortsにおいてStrict lliabilityのときに利用可能なDefenseが何かが一目でわかるようになり、MBEの勉強にも繋がります。
② その後、青本のアウトラインを参考にしつつ、Issue Check listの論点に対応させて重要なKeywordsを加筆する。
−そのKeywordsを中心に記憶することにしました。なお、超頻出の論点(Community PropertyのPresumptionの記載や、EvidenceのRelevanceやHearsayルールなど)については、論証をそのまま記載しました。
③ 練習で落とした論点や当てはめ上の留意点については、Noteとして書き込む。
−重要なものは、太字やハイライト等で強調しておきました。これによって一度した失敗を繰り返さないように意識付けできました。

こうすることで、論点表、論証(キーワード)、論文作成上の留意点が一元的に管理できるようになりました。このノートの作成はあまり時間がかからないのですが、その作成過程でとても理解が深まり良かったと思っていますので、おすすめです。

c. 毎日1通は必ず1問実際に書く

実際に文字数を多く書くには練習が重要であること、論点の理解にはEssayを解くのが一番であることなどの理由で、毎日1通必ずなにか実際に書いていました。土日は1日2問(直前期には1日3問)を実際に書いていました。仕事をしながらなのでかなり苦痛でしたが、そのおかげで書くスピードが格段に上がりました。12月、1月は1問1時間以上かかることもあり、単語数も少なめでしたが、1月の後半から2月に入ると1問1時間以内で1000 Words以上を書き上げられることが多くなりました。
その復習の際に気づいた点を上記のノートにメモしていました。

d. Barbriのすべての問題に目を通しておく

やはりBarbriがスタンダードであり、Barbriにない論点や問題がでたら他の受験生もできないだろう、ということでBarbriを基本に据えて対策をしました。結果的に、Barbriすべて(ただし出ないと踏んだ一科目は除く。)と、青本の3分の2ぐらいの問題を解きました。なお、Barbriの方が問題数が多いので、自分の時間と相談して、青本を中心にすることも合理的だと思います。

e. 形式面を決めておく

Essayの形式面を決めておくと、無駄な悩みが省けますので、だいぶタイプが早くなります。私は以下の通りにしておりました。

① 登場人物は以下のように冒頭に書くことで、実際に答案ではその頭文字のみを書くようにしました。
Abbreviation
Mary = M
Amy = A
Bob = B …
② IRACのIについてはタイトルで示し、RACの部分を文章で書いていました。すなわち、The issue here is whether a will is valid…と書くのではなく、タイトルにCreation of a valid willと書いて、次に、To validly create a will, there must be (i) testator’s capacity, (ii) testator’s intent and (iii) valid will formation of will. などと書いてそのままRuleを記載していました(青本のSample Answerがこの方式を採用しており、とてもわかり易いです。)。その後、Here,‥として当てはめます。事実の部分は重要な部分のみ問題文から抜き出して、きちんと評価することを心がけていました(青本のIntroductionにいう「Analysis = Fact + how/why that fact proves or disproves + rule elements」の下線部部分からも事実を評価することが求められています。)。ThereforeかAs a resultなどで結論を書くようにしていました。形は何でもいいのですが、自分の型を決めておくといいように思います。
③ タイトルは太字と下線、その他重要な区分けやポイントは下線を引いていました。結局採点官が1通に書けられる時間が限られている中で、彼らがフォローしやすいようにすることを考えたとき、だいたい論点名を記すことが多いタイトル名を強調することで、Issue spotがきちんとできていることを示すのが狙いです。
④ 双方の視点から議論できる論点の当てはめについては、P argues that….とD argues that….を多用し、議論を展開しました。通常の英語の文章では同じ単語を連続して使いませんが、優秀答案もこのようなシンプルな表現を採用していたので、シンプルな形式にしました。
⑤ 例えばTortの過失相殺のように、実際に問題において中心的に問題になるものではなくても、結論を示す上で必要になってくる思考過程に関する論点については触れることを心がけました。

f. 答案構成はPC上で

時間短縮のため、答案構成はPC上で行うことにしていました。問題を読み進めていくところで気づいた論点をどんどんPCに打ち込み、重要と感じた事実も忘れないようにメモしました。

(3)PTについて

PTは慣れが必要だと思い、BarbriのPTの問題(Multi state Performance test (MPT)の過去問です。)をすべて潰し、その他解説の手にはいったMPTの問題を選んでやったりしました。正直なところ、問題数をこなしたからといってできるようになったとは思わず、配点も2倍なので一番の不安要素でした。案の定本番ではあまりうまくできませんでしたが、それでも合格していたのはうまくできなかったながらも最低ライン(形式面、結論まで書いて答案として完結させる、議論の展開の仕方など)は守れたからではないかと思っています。
なお、PTについては、午後のEssay2問を55分ずつで終わらせ、100分残すことを考えていました。本番では100分は残りませんでしたが、90分以上は残りました。PTを90分よりも短い時間で書ききるのはほぼ不可能だと思いましたので、私にとってこれは重要な作戦でした。
Barbri等ではPTを90分のうち45分で読んで構成し、45分で書くように、という指示がありますが、それでうまくいくかは英語力次第だと思います。私の英語力ではそれでは対応できなかったので、90分以上確保すること、読みながら重要なところはPCに写してしまうこと、宛名、項目等の形式面は先に完成させて、論理の骨組みは少なくとも見せること、を心がけていました。

(4)勉強仲間について

7月受験の際は準備不足もあり友人と勉強する余裕はありませんでしたが、2月受験の際には同じく再受験の友人とともに勉強することになりました。週2回土日に、書いた答案をオンラインで交換し、疑問点をスカイプで議論していました。また、平日でも不明な論点についての質問や、新たな気付きについての情報の共有等を行っていました。一人でやるよりも遥かに多くの気付きがありましたし、仕事をしながらの勉強になりましたので精神的にきついときの支えになりました。その友人がいなければ私が合格することはありえなかったと思います。LL.M.卒業生で7月受験の場合は学校の図書館等に友人がいるので息抜きにはなりますが、2月受験になるとそうもいかないので、勉強仲間と一緒に勉強することはとてもおすすめ、かつ、重要だと思います。

(5)実際の試験について

合格をするとMBE、Essay、PT一切の点数が公表されないので、自分が何が良くて何が悪かったのか、ひいてはどのような対策が有効だったか、わかりません。これもCal Barが難しくなっている一因なように思います。ですが、情報共有のため簡単な試験の感想を記させていただきます。

a. 1日目(Essay, PT)

私としては、Essayのうち、Q5のProfessional Responsibilityはいまいちでしたが、その他のQ1からQ4はできる限り書けたように思います(ただ、そのうち65点取れたかも、と思える手応えのものは2個です。)。Q1はとても難しかったと思いますが、7月よりも2月のほうが問題がトリッキーであるという噂は聞いていたので、心の準備はできており、それなりに整理できたのは良かったです。
PTは書きたいことは思いついて整理もできているのにTime outしてしまいました。PTは配点が2倍ですので、致命的な失敗だと思っていました。
しかし、結果は合格していたということは、一つの科目で致命的な失敗をしても、他の科目でカバーできるということになります。すべての科目を揃えられなくても、なんとかなることもありますので、実際の試験では諦めないで最後まで走り抜けることが重要です。

b. 2日目(MBE)

午前中が比較的簡単で、午後は2018年7月と同じような難易度でしたので、苦労しました(午前中の難易度を想定していたので少しゆっくりしてしまい、最終的にスキップした長文の問題2問に戻る時間はありませんでした。)。なお、午前中に最後マークシートを確認している時に一箇所ミスを見つけましたので、マークシートミスの確認は重要だと思いました。

感想としては、勉強してきた範囲の知識で十分対応できる内容だとは思いましたが、自分が合格しているとは思えませんでした。しかし、発表日に最終的に自分の名前がリストにあることがわかり、意外な気持ちもありましたが、大きな達成感を得られました。

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【特別連載・カリフォルニア州司法試験合格体験記⑤】byN氏


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5. 2018年7月の受験(敗因分析)

2018年7月は不合格でした。MBEは合格点に届いていたものの、MBE自体がかなり難易度が高く、想定よりも伸び悩んだことと、なによりもEssayが箸にも棒にもかからない点数だったことが原因でした。一発合格を目指す方の参考になればと思い、私の勉強の状況と敗因分析を掲載しておきます。

(1)勉強量

私は実際にCal Barの勉強をLL.M.の卒業式後に始めました。正直MBEとはなにか、試験科目はなにかもよくわかっておらず、Cal BarもNY Barのように2日間になったのだから、NY Barの勉強スタイルでいいはず、と思ったことが問題だったと思います。
時間的には、5月中旬から、平日は一日10時間から12時間を勉強時間にあてました。休日は家族との時間もありますのでそれよりは少ない時間だったと思いますが、6時間は下回らないようにしていました。
5月中旬からに限れば、時間的にはできるだけやったとは思います。しかし、効率性という観点では、(Cal Barの分析自体が甘かったということもあり)MBEに多くの時間を裂き、Essay(特に実際の書く練習)に割り当てた時間があまりにも少なかったなど不十分であり、結果的に準備不足という結果になりました。

(2)MBE
MBEについては、5月半ばからBarbriの講義を聞きつつ日本人ノートを読み始め、masoのスケジュールを参考に、BarbriとAdaptiBarで問題演習をしていました。当時、AdaptiBarの解説が理解しにくく合わないと思ったため、途中でEmanuelにシフトしました。結局2500問程度をとき、正答率は7割程度でした。はじめの正答率は6割以下(ひどい日は5割を下回る)で本当に嫌になりました。7割あたりをコンスタントに取れるようになったのが6月下旬でした。Barbriの模試では10問ほど時間切れになりましたが、上3割ぐらいのところでしたので、ある程度の自信はありました。本試験では難易度が高く感じ、手応えはまるでありませんでしたが、MBEで合格点に届いていたのは安心しました。

(3)Essay
Cal BarにおけるEssay科目のインプットはBarbriの講義を聞き、Smart Bar Prepを通読しました。講義を聞き終えて本当になんとなく全容がわかったのが6月末ぐらいで、そこからBarbriの問題集を使ってEssayのアウトプットの練習をはじめました。全部の科目を均一にフォローするのはほぼ不可能と感じたので、Most llikely, likely, less likely, neverと分類し、勉強の量をそれに合わせて傾斜をつけていました。過去の出題傾向から出ないと思った科目(Never)は思い切って手を付けませんでした(実際に出ませんでした。)。
しかし、それでも時間が足りず、実際に書く練習は7月に入ってから週に2, 3回程度しかできませんでした。実際に書けない問題は少し詳し目の答案構成を行い、論点の抽出に重点を置いて復習していました。
論証については、SmartBarPrepの論証を重要度の高いところから覚えるようにしました。ただ、本質的な理解はできておらず、付け焼き刃であることは自覚していました。練習時のWord数は600から800程度でした。7月の試験では、Less likelyに分類していたConstitution以外は予想していた科目がでたのですが、自分の中でよくできたと思ったものも60点にとどまり、50点も複数あるなど、惨敗でした。

(4)PT
PTについてはほぼ時間を避けませんでした。Barbriの講義を聞いて、答案のイメージを掴んで、2,3回実際に書いてみて終わりでした。こちらも合格点から程遠い点数をいただきました。

私のこの経験から、もし7月での一発合格を目指す方になにかアドバイスができるとするならば、以下のようになると思います。

・5月の本格スタート前に、できる限り勉強をすすめておいたほうがいいように思います。例えば、Cal Barの概要を把握した上で、少なくとも日本人ノートの読み込みはしておいたほうがいいのではないでしょうか。
・MBEはたまに不明な論点もあってそこで時間を喰ったりするが、時間をかければわかるようになるものでもないので、あまり気にせずどんどん問題を解いていくべきです(Essayも翻ってMBEの向上に資するので。)。
・Essayにより力を注いで勉強すべきで、MBEに不安がある段階であっても、実際に書く練習を遅くとも6月頭から始めた方がいいのではないかと思います(後に述べる通り、ある程度のWord数が必要だと思われるため。)。そういう意味ではCal Barに関して言えば、masoのMBEに関するスケジュールをより後ろ倒しにしてEssay対策に早めに移行する必要があるように思います。この点、Barbri等のスケジュールが一つの目安になると思います。
・PTも配点が高いので、時間を使って練習し、対策を練っておくべきだと思います。


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【特別連載・カリフォルニア州司法試験合格体験記④】byN氏


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4. 私が実際に使用した教材等及びそれらの感想

(1) 使用した教材

a. MBE:①Barbri、②Emanuel、③Adaptibar
b. Essay: ①BarbriのEssay問題集、②Essay Exam Writing for the California Bar Exam 2nd Edition(青本)(https://www.amazon.com/Essay-Exam-Writing-California-Bar-ebook/dp/B07D7KFMSP)、③SmartBarPrep、④公式の優秀答案(http://www.calbar.ca.gov/Admissions/Examinations/California-Bar-Examination/Past-Exams

(2) Barbriを利用した理由、利用してよかった点

Barbriは、Bar MaxやKaplan等の他のサービスと比べて格段に値段が高いですが、受験生のスタンダードであり、講義の質も高いことから、最も信頼できると思いました。また、実際に受講してみて、質問にもかなり丁寧に回答がなされ、満足度としては高かったです。Essayの回答に関しては、たまに「?」なものもありますが、そういうときは青本や公式の優秀答案を参考にしたり質問したりして対応していました。
また、再受験のときでも、教材の再送付の送料のみで再受講できます。この点も、Cal Barがどうしても2回目に行きやすい試験であることを考えればおすすめです。

(3) Adaptibar?Emanuel?

MBEは過去問ベースの問題としてはAdaptibarとEmanuelがありますが、Adaptibarが約2000問近くの過去問がすべてオンラインで提供されるのに対し、Emanuelは500問以上が紙ベースで提供されます。解説が詳しいのがEmanuel、解説があっさりしているのがAdaptibarなので、それぞれ特徴があります。私は7月受験時はAdaptibarの解説があまりにもあっさりしておりインプットに役立たないと感じたので、結局Emanuelを始めにやり、そのあとAdaptibarに移行しました。しかし、多くの問題は重なっているので、必ずしも両方をやる必要はありません。Barbriと併用するのであればEmanuel、一本化するのであればAdaptibarのみとするほうがシンプルかと思います。もちろんBarbriに一本化して高得点をとっている方もいるので、これらを使わないという選択肢もあります。
具体的な根拠はないのですが、Barbri、Emanuel、Adaptibarどれを使おうが、2000問を練習すればほぼ合格点まで取れる、と聞いたことがありますし、肌感覚としては正しいように思いますので、どの教材でもある程度問題をこなせば合格点まではいくのではないかと思います。

(4) 青本がおすすめ

私は、7月受験時には使っていませんでしたが、2月受験時には青本を利用していました。これは以下の点でとてもおすすめです。

・解答がコンパクトに纏まっていて、Passing Answerをイメージしやすい。
問題の解答をIRACでまとめた表がとてもわかりやすかったです。そこではPassing Answerを取るために触れなければならない必須論点と、そうではない加点論点が区別されているので、どういう答案がPassing Answerになるのかがひと目でイメージできます。公式の優秀答案は量的に多すぎて再現不能であり、どの論点が必須論点でどの点が加点論点であるかがわかりにくいので、その点で青本は優れていると思います(なお、実際の文章形式の回答は各科目のはじめの2問のみですが、IRACでまとめた表がとてもわかり易いので、特段不都合はありません。)。

・アウトラインやTipsがとてもまとまっていてわかりやすい。
私はこれをベースに自分のIssue Check Listとキーワードを中心とする論証集を作りました。Barbriの講義でもいまいちつかみにくい点、論点の全体における位置づけがわかりにくい場合にはこのアウトラインを参照してもいいと思います。また、記憶のための語呂合わせのようなTipsもいくつか記載されており、とても助かりました。

・科目Cross Overの問題がある
Cal Barの特徴として、Essayに複数の科目にまたがるCross Overの問題が出ることがあります。例えば2019年2月の第1問は、Community PropertyとWill&TrustのCross Overでした(個人的にはReal Propertyの論点も入っていたように思いますが。)。青本にあるCross Overの問題は難易度が高いのですが、とてもいい練習になりますので、是非トライしてみてください。
なお、青本は2018年に第2版がでていますが、2018年11月10日から施行されているProfessional Responsibilityの最新の改正には対応していないので、注意が必要です。https://www.wklegaledu.com/basick-bar2から最新版をダウンロードする必要があります(無料)。

(5) SmartBarPrep

過去に出た論点の論証集であり、とても良くまとまっています。受験生が抑えるべき論点はほぼカバーされていると思われますので、知識の幅の参考になります。7月はこれを中心に論証の理解及び暗記を試みました。具体的には、一読した後、MBE科目はAttack Sheetを使い、Essay科目は(Cal Barに関してはEssay科目のAttack Sheetはありませんでしたので、)通常の論証集を使いました。しかし、(時間がなかったこともありますが)私にとってはこれらを覚えるのはなかなか厳しかったです。そこで、2月は論証のキーワードを記憶にすることに留めました。その関係で2月受験時はあくまでも参考書程度の位置づけでした。

なお、masoブロの記載で、NY Barに関してはAttack SheetをEssay科目でも使ったという記載がありますが、Cal Barに関しては、MBE科目はありますが、Essay科目に関してはありませんでしたので(筆者受験時点)、最新版の確認が必要です。

(6) 過去の優秀答案

Cal Barのサイト(http://www.calbar.ca.gov/Admissions/Examinations/California-Bar-Examination/Past-Exams)には2012年7月以降の過去問と優秀答案が掲載されています。しかしこの優秀答案はあまりにも良く出来すぎており、Word数もおそらく(数えていませんが)2000 Wordsぐらいあり、非ネイティブである我々には到底再現不能ですので、圧倒されてしまうというのが正直なところです。ただ、実際にこの答案を書けなくても合格はできますので安心してください。見出しの付け方、論点の展開の仕方、表現方法等、参考になる部分は多々ありますので参考にはなります。私は、実際に解いてみた問題でBarbriや青本の解答が理解できない時に、参照していました。なお、2002年から2011年までの優秀答案は、このサイト(https://www.calweasel.com/node/153)から確認できます。


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