論述の大枠

より具体的に、論文式試験における論述について記します。

第1 総論

1 論述の形式面
  • ナンバリングは完全に決め打ちとする。「第1」「1」「(1)」「ア」「(ア)」の順番として、小項目に移行する場合には、インデントをつけて、少し右にずらして書き始める。
  • 初めて条文を引用するときは、「(A法B条C項D号)(以下、条数のみを示す。)」と書く。※行政法は法律がたくさん出てくるので、ex.(以下、「行訴法」という。)と名称も書く。
  • 結論の接続詞が複数必要なときは、「したがって」→「よって」→「以上により」の順番に使用する。
2 論述の内容面

(1)法律の条文が「要件該当」→「効果発動」という体裁である以上、全科目、原則として、当該問題の事実関係が条文の「法律要件」にあてはまるかどうかをひたすら検討していけばよい。

(2)当該問題の事実関係を整理してみた上で、「法律要件」に当てはまるかどうかわからないところが論証すべきところとなる。
  • 実際に「~が問題となる。」と書くかどうかは別として問題の所在はしっかりと示す。
  • 当該法律関係を規律した条文が存在しない箇所(特に刑事訴訟法で多くみられる。)は、要件・基準を導出するための論証が必要になる。
  • 特殊なケースとして、定義への当てはめを直接に問われることもある(民事訴訟法など)。そのような場合には、定義を書いた上であてはめを行い、あてはまるかどうか微妙な個所で論証をすればよい。
(3)論証が必要になったら以下のパターンで書く。
  • STEP①「そこで考えると~ or 検討するに」
<小論点> → 「(※)であるから、~と解する。」
<中論点> → 「(※)である。そうだとすれば、(法律要件 or ~が許されるの)は、(意味、or ~の場合)~と解すべきである。なぜなら、(理由)であり、(趣旨等と合致)だからである。」
<大論点> → 「(中論点論証)。具体的には、①…、②…、③…を考慮して判断する。」(下位基準を出す)

※この部分で「法規の趣旨」「関係する原理・原則」「保護法益」「制度の仕組み」などの根本部分を示すことが超重要!!事前に知識として蓄え、理解しておくべきはここだけといってもよい。行政法の個別法規解釈では、当該法律の目的から考えて、各規定が何を保護する趣旨かを考えて自分の言葉で書けばよい。
  • STEP②(あてはめ)
「これを本件についてみれば or 本件では、たしかに、●●であり(-事情)、●●である(-評価)。しかし、●●であり(+事情)、●●であるから(理由)、●●(評価)である。したがって、●●(要件・規範該当)である。」
  • STEP③(結論)
「よって、(法律要件全部に該当)であるから、(法律効果)することができる。」
「以上により、Xは、Yに対して、〇〇することができる/できない。」

(4)要するに以下の流れで書く。
  

①事実関係(整理、問題となる点)・・・・・・具体
  ↓(論証(問題提起))
②明文の「法律要件」(問題となるところ)・・抽象
  ↓(論証(規範定立))
③解釈された「法律要件」・・・・・・・・・・抽象
  ↓(論証(あてはめ))
④事実関係・・・・・・・・・・・・・・・・・具体
  ↓(論証(論理的帰結))
⑤結論


第2 各論(補足)
  • 憲法と行政法は、上記の枠にはめて論述することが困難な面があるので、答案の枠を別に用意した。
  • 民法、会社法は上記の枠がほとんどそのまま使える。
  • 民訴は、条文の文言解釈というよりも原理原則との関係を正面から問われることが多く、①定義をしっかりと書けること、②原理原則を理解していることが必要になる。
  • 刑法は、上記の枠の流れの他に、①構成要件→②違法性→③責任という大原則(流れ)を守る必要がある。※とくに刑法総論では抽象的な理論に頼る面が大きく、条文解釈を論じる余地はほとんどない。そのため、論証を特にしっかりとする必要がある。刑法各論は保護法益から一貫して論証することが大切である。
  • 刑事訴訟法は、捜査分野は条文への当てはめの問題はほとんどなく、原理原則(強制処分法定主義、令状主義など)から論証し、判例の規範につなぐことが求められる。公訴、公判、証拠分野は条文や定義へのあてはめに集中する。訴因の問題は抽象的な理論で解決することになるので、訴因の意義・機能から演繹した一貫した論証が必要になる。
第3 いろいろと書いたけれど・・・

新司法試験では、事実関係の分析(法律上の問題点がどこにあるかをとらえる、あてはめに使える事情をピックアップ)がかなりのウェイトを占め、法律論のみを厚くかかなければならない状況に陥ることはあまりないと思いますが、いざ論証が必要となったときに「お作法」を押さえておくのは非常に有用です。そしてどの科目でも、論証が必要となるときは、「法規の趣旨」「関係する原理・原則」「保護法益」「制度の仕組み」などの根本部分から演繹するように意識することが大切だと思います。それらの根本部分さえしっかりと押さえておけば、個々の論点の論証は、分野ごとにほとんど変わらないものになるはずです。覚えるものも少なくて済み、知らない論点でもかわすことができ、とにかく応用がききます。
        

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