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③検察修習

司法修習全体については,こちら

③検察修習について。

第1 前提説明

検察修習の時間は,午前9:00ころ~午後18:00ころです。
場合によって,夜まで取調べ等をすることもあります。

検察修習では,地方検察庁の司法修習生室及び取調室で修習を行います(原則)。
1つの班全員が司法修習生室に集まり,取調べの際は,2人1組あるいは3人1組で取調室に向かいます。

第2 検察修習でやること

大きく2つに分けられます。

一つは,取調べです。
これが検察修習の核心であり,醍醐味でしょう。
1週間程度の導入教育が終わった後,ただちに,各修習生に事件が配点されます。
修習生は,数人ひと組のペアとなって,1人が主任,他の者が立会(=検察事務官の役割)として,被疑者や参考人の取調べを行います。在宅被疑者の呼び出しや参考人への出頭要請は,修習生自ら電話で行い,アポを取ります。
また,警察から上がってきた事件記録について検討した上で,自分の名前で担当刑事に電話をかけて捜査方針を説明したり,補充捜査を要請したりすることになります(たとえば,実況見分調書の作成,関係者からの供述録取の要請など)。
場合によっては,来庁要請をし,担当捜査官から収集した物の説明をうけることもあります。
身柄事件(逮捕された被疑者の事件)については,検察庁での弁解録取の上で,勾留請求の有無を判断し,必要ありと認めるときは勾留請求をします。

取調べは,被疑者等から供述を録取した上で,いわゆる検察官面前調書を作成します。
立会の修習生は,主任の修習生からの口授(口頭での文章伝達)を受けて,調書を作成して行きます(「調書を巻く」という。)。
取調べの合間には,担当刑事と連絡を取って,取調べの結果を踏まえて補充捜査を指示したり,捜査の進行具合の報告を受けたりします。

もう一つは,捜査後の決裁です。
決裁とは,修習生が主任として判断した事件の処理方針について,指導担当検事,部長検事,三席検事,次席検事,検事正等の了解を得ることをいいます(※地方や事件によって異なる。)。
修習生は,事件配点後速やかに,指導担当検事に事件の処理方針を報告し,被疑者の取り調べ状況,供述録取の状況なども逐一報告することになり,取調べを経て作成した検面調書のチェックを受けた上で,最終的に決裁資料を作成します。
決裁資料とは,事件の概要や,これまでの捜査状況,証拠,問題点,処理方針(略式請求,公判請求,不起訴処分(起訴猶予,嫌疑不十分等)),量刑等を記載したものです。
事件に応じた決裁を受けて,1つの事件の処理が終了ということになります。
決裁の過程で,さらなる補充捜査や取調べをするように指導されることも多いです。

その他,司法解剖立会,強制処分見学(捜索・差押えなど),公判部修習(証拠選別,冒頭陳述,論告要旨起案等),飲酒検知,刑務所見学,庁内見学(たとえば,証拠品庫では,法禁物=一定の銃砲刀剣類,違法薬物などを手に取ることができる場合もあります。)などが行われます。

※非部制庁で主任立会制を採用する地方検察庁では,捜査と公判が分かれていない場合もあります。
※主任立会制とは,捜査を担当した検事がそのまま公判を担当するシステムを採っていることをいいます。
※部制庁・非部制庁については,「検察庁事務章程」10条を参照。




第3 雑感等

検察の仕事は,極めてタイトなスケジュールで行われており,厳しい時間的制約があることを身を持って知ることになります。特に身柄事件は,最大20日間の身柄拘束期間(原則)の中で捜査を終える必要があり,配点されてから決裁を受けるまでにしなければならないことを逆算していくと,被疑者取調べに使える時間は極めて限られていることが分かります。

検察修習は,自分が主体となって自分の事件として処理することになるため,とても能動的です。これが検察修習の何よりの魅力でしょう。

検察官は非常に厳格に事件を見ていると感じました。
徹底した捜査をして,被疑者の自白以外の証拠をがっちりと収集し,何重ものチェックを経て,起訴相当と判断されたものを起訴しているという印象です。
警察官と連携した徹底的かつ緻密な捜査も印象的でした。
警察からあがってくる証拠の数々を見れば,修習生誰もがそう思うのではないでしょか。

また,検察事務官と検察官の関係性について,検察官の職務を検察事務官がどのように補佐しているかをよく見ておく必要があります。

検察修習を経て,客観的証拠と事実の重要性について再認識させられました。
法律論を前提としたうえで,一番重要なのは事実です。具体的な事実関係がどうなっているのか,そして客観的証拠はいかなる事実関係を示し,支えるのかということです。

法令に則って,適正な範囲で,捜査権・公訴権を行使し,事案の真相(実体的真実)を明らかにしようとする検察官の職務の一端を,十分感じることができたように思います。



【刑事訴訟法第1条】
この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。


【検察庁法第4条】
検察官は、刑事について、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求し、且つ、裁判の執行を監督し、又、裁判所の権限に属するその他の事項についても職務上必要と認めるときは、裁判所に、通知を求め、又は意見を述べ、又、公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行う。

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