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【特別連載・第5回新司法試験を振り返る・出題趣旨を受けて―選択科目(知的財産法)―】byN氏

選択科目(知的財産法)について。

[評価] 上位約30%

※特別連載の説明,目次は「こちら

<第1問>特許
【問題を見たときの感想】
知財(とりわけ特許)は苦手科目。なぜかうまくいかない科目。だから欲を出さず,目標は50点をとることだった。目標が低い分だけ,試験前はあまり緊張をしなかった。
特許から書くことを決めていたため,答案用紙を間違えないように(間違えたら0点なので注意!),著作権の答案用紙を机の中にしまう。そしたら「しまっちゃダメ」と監督員に怒られたので脇に置き,特許の検討を始める。
しかし,第1問がまさかの均等。重要論点だとはいえ,過去問にすでに出題されていた論点だから要件を覚える程度しか準備をしていない。第3要件と第4要件の問題で,基準時の理解を間違えないように心がける。
【解答方針】
[設問1]

まず,(ア)特許権を甲が有すること,(イ)丙が実施していること,(ウ)(イ)が(ア)の技術的範囲に属することが100条1項の要件である。
(ア)に関しては,甲が乙との共同特許権者である。甲は保存行為として,単独で差止め請求が可能である。
(イ)はみたす。
(ウ)については,文言侵害でないことを触れた上で,均等侵害を考える。
①非本質的部分性,②同一の作用効果性,③侵害時容易想到性,④出願時公知技術またはそれから容易想到性でない,⑤意識的除外の特段の事情の不存在,ということを均等の要件としてあげる。本件では,④の問題と摘示。
出願時にab’cの構成がすでに戊により出願されていたが,出願は公知擬制の効果はなく,出願公開は出願よりも後になされているから,「公知」との要件を満たさない,とした。
この状況聞いたことある,条文があるはず,と思って思い出そうとするが「拡大先願」という言葉と条文がまったく出てこず。。。
[設問2]
丙に関しては,③の問題として,みたさないので侵害なし。
丁に関しては,③を満たす。
ロ号製品を分解して知りえた以上,当業者を基準とすれば③要件を満たす,と書いた。これもなんか微妙。出題の趣旨がどこにあるかわからなかった。
[設問3]
問題文の最後の文の日本語の理解に時間がかかる。
73条2項の問題で,乙が実施できるならその手足である丙も乙のためにしているとの抗弁を出せる,と書いた。(正確には,乙の実施権を対抗できる,とか書くべきだった。。。)
乙が実施できない場合はアウトで,差止請求が認められる。
(4枚いっぱいいっぱい)



【出題の趣旨に照らして】
設問1は,拡大先願(29条の2)について全く触れていないので,落第答案になっていると思われる。
設問2は,私見では,ロ号製品とハ号製品の第3要件充足性についての結論が異なる。この妥当性についての検討を出題の趣旨は求めているが,それについての検討なし。
設問3は,73条2項の問題であり,その解釈はしたのでまあ出題の趣旨に応えているかな,とは思う。
設問1が落第答案で,知財は1つの大ミスが大きな減点につながる印象があるから,成績は悪いのではないか。




<第2問>著作権
【問題を見たときの感想】
プログラム!惑わされずに基本から構成することにする。たしかオレンジの論点解析にプログラムの問題があったと思ったが,あまり覚えていないので復習をもっとすればよかったかな,と思う。でも後悔しても始まらないので,切り替えて設問に取り組む。
著作権は条文摘示のみといっても過言ではないくらい,文章はできるだけ簡潔に,条文を引用することが大事だとの印象があるため,条文をひたすら引くように六法をぺらぺらとめくる。特に,プログラムは条文が独立していることが多いため,気をつける。
【解答方針】
[設問1]

プログラムの著作物で,権利はAに帰属。簡単に職務著作が成立することを述べる。必要最低限の要件を入れて端的にまとめる。条文をできるだけ摘示するよう心掛ける。(ここで15条「2項」を摘示できたかは覚えていないが,構成メモに「Ⅱ」と書いてないため,摘示できていない可能性がある。)
「αプログラムの著作権及び著作者人格権はAに帰属する」との結論まで約半ページ
その上で,「AはBに契約で全ての著作権を譲渡する旨の契約を締結したが,「特掲」されていないため,61条2項によりAに27,28条の権利が留保されている」とする。
プログラムをEに作らせる行為は,27条の権利侵害。
それを製造販売することは,28条を介して有する複製権・譲渡権(28条,21条,26条の2)の侵害。
さらに同一性保持権侵害(20条)。
これに対して20条2項3号の反論があるか。これを同号は家庭内での不都合を回避するための規定であると解釈し,同号は営利目的の場合にはその趣旨が及ばないとして,適用を否定した(オリジナルの論理であり,たぶん違うと思う。。。)。
47条の3についてもなんかふれた。
で差止め・廃棄・損害賠償(112条1項,2項,民法709条)を認める。
[設問2]
113条2項にあてはめておしまいだった。それ以外を考えてみたが、わからないため終わらせて次へ進む。
[設問3]
Bの権利は,21~26条の3まで。貸与権侵害ではないか。
貸与権は消尽するんじゃないか。消尽論の根拠を説明した後で,根拠条文は26条の2第2項1号類推適用であるとする。
これに対して反論として,貸与権は消尽しないと反論する。
貸与権は消尽論の根拠が及ばないとして,差止めを認める,との結論になった。
(3枚半)



【出題の趣旨に照らして】
設問1は,15条2項が適用される,それによって1項と要件が違う,ことを意識できていない気がする。特掲要件に関しては書けた。それ以降の反論は,法セの解説を見る限り書いても間違えじゃなさそうだが,出題の趣旨にはない。
設問2は,出題の趣旨もただ113条2項にあてはめるだけみたいなので,OK。
設問3は,出題の趣旨に「当該製品に組み込まれたプログラムの著作物についての貸与権が常に及ぶとすることは円滑な流通を阻害するおそれがあることを踏まえて」とあるので,貸与権の消尽を論じたことは悪くない。しかし,組み込まれたプログラムに貸与権侵害を認めてホントにいいのか,という問題意識を示せたかというとそれは否。出題の趣旨には結局のところ応えられていない。



【小括】
知財全体を通して,特許の設問1,著作権の設問3(設問1も15条2項が欠けていなければそれも)が出題の趣旨と合致しない。その他の点はみんな出来る部分だろうから,結局低い目標すら達成できず,あえなく平均以下,という結果に終わった。学校の成績といい,司法試験の結果といい,知財はいい結果が残せなかった。選択科目を選ぶのに,真剣に考えず,ノリで決めたツケが来たと思う。選択科目の選択に失敗したといえ,その選択は改めて重要だったと思う。


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theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

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