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刑法

第1 科目特性

刑法の学習で重要なことは、①刑法総論の思考体系を構築すること、②各罪の保護法益を深く理解すること、③基本的な用語の定義を正確に覚えることです。
刑法は、特有の用語が多く学説が錯綜していることから苦手とする方も多いようですが、とくに総論について、(1)いずれの学説も当然の前提にしている部分(学説が分かれる前の部分)を理解したうえで、ひとまずお手持ちの基本書の先生の説を理解し,(2)その説との対比で他説や判例の距離を位置づけていくとうまく学習できるように思います。
誰とは言いませんが、根本がぶれて、行き当たりばったりの結論をとるような見解や結論を判例に無理に合わせよう合わせようとする見解を取る本では、いつまでたっても刑法は得意になれないと思います。
逆に、①が確立することによって、判例の位置づけも分かり、見解を自由自在に操れるようになるでしょう。
刑法の事例問題に対して、法解釈については、①~③をしっかりやることによってほとんどワンパターンで解けるようになります。もっとも、法解釈と同様あるいはそれ以上に重要なのが、事実への評価です。この点の訓練には調査官解説を強くおすすめします。

第2 インプット

 0 「判例六法」(有斐閣)
 1 「刑法」(山口厚、有斐閣)
 2 「学習コンメンタール刑法」(伊藤、松宮、日本評論社)
 3 「刑法判例百選Ⅰ・Ⅱ」(有斐閣)
 4 「重要判例解説」(H16~H20、有斐閣)
 5 「最高裁判所調査官解説」
(※6 「刑法総論の重要問題」、「刑法各論の重要問題」(曽根、成文堂))・・・辞書代わり

とにかく、基本書としては論旨明快で一貫したものを選ぶべきです。これは断言できます!!
教材6は異端説と思われる方も多いでしょうが、山口先生と同じくらい筋の通った論理は読んでいて頭にスッと入ってきます。
私は、ベースとして「結果無価値的」に考える立場をとりますが、教材1、2は結果無価値・行為無価値といった「無価値な対立」に左右されない逸材だと思います。
問題を解くうえでは、結果無価値の方でも「論点間の整合性保ち、各設問間での結論の矛盾を防ぐ」という点に注意していれば、基本的に判例の立場に乗ってしまって構わないと思います。

科目特性でも述べましたが、教材5は超重要です。

第3 アウトプット

 1 択一
 (1)新司法試験短答式過去問(辰己の短答過去問パーフェクト)
 (2)TKC模試3回(9月、12月、3月)
 (3)スタンダード短答オープン第1・第2クール(辰己法律研究所)
 2 論文
 (1)「旧司法試験論文過去問」(Wセミナーのやつ+辰己LIVE本)
 (2)「新司法試験論文過去問」(日本評論社)
 (3)「事例で学ぶ刑法」(法教連載2006年4月~)

論文について、旧司過去問は刑法センスを上げるのに非常に役立ちます。
法律構成の能力として求められるレベルは、旧司と新司でほとんどかわらず、旧司では事実の問題が少ないので、法律構成の能力を徹底して鍛えることができます。
論文教材(3)は、極めてハイレベルですが、これをすんなり構成できるようになれば、刑法の試験対策は盤石です。

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

comment

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No title

「根本がぶれて、行き当たりばったりの結論をとるような見解や結論を判例に無理に合わせよう合わせようとする見解を取る先生の基本書」

とあるのですが、誰の、どの基本書を指しているのでしょうか?

前から気になっていたのですが、最近刑法を重点的に勉強していて、山口先生以外の基本書も参照する機会があり、やはりもやもやしてきたので質問させていただきます!
あえて名前を伏せているのなら申し訳ありません。

No title

uekiさん

回答が遅れてすみません。

誰のどの基本書かというのは,極めて個人的な偏見に基づくものになってしまうので,伏せさせてください。
私は,自分でそのように感じた基本書は,その真偽がどうあれ,読まないようにしていました。

管理人のみ閲覧できます

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No title

>管理人のみ閲覧できますさん

ご質問ありがとうございます。

冒頭から記事の繰り返しになってしまって恐縮ですが,基本書は,論旨明快で一貫した立場から書かれたものを選ぶべきです。
制度の趣旨,原理原則,保護法益など基本的なところから演繹して結論づけていく説をベースにした方が,知識として押さえておくべき事項も少なくなり(あとは考えの道筋を理解しておけば足りる),錯綜する学説の整理にも有益だからです。
次に,行為無価値的な立場か,結果無価値的な立場のいずれがよいかは,どちらがよりしっくりくるかという問題に過ぎません。
かっちりと論理的に一貫して考える立場がよいと考えるならば,結果無価値的な立場を取ることをおすすめしますが,学習が進んでくれば,いずれの立場でも考えられるようになると思いますので,どちらをベースにしても構わないと思います。
また,読者のニーズのすべてをカバーするような基本書はないので,基本書一冊ですべてをカバーしようとするのは厳しいかもしれません。そこは割り切って,薄め基本書+「条解刑法」のようなコンメンタールを併用するとのいうのも一つの方法です。

学説については,それはそれとして押さえることが不可欠ですが,対試験的に見た場合,学説を基礎にした上で,判例実務の考え方をしっかりと説明できるようにするためのフォローが必要だと思います。
そして,実務の考え方(判断基準)を知るには,調査官解説がベストです。調査官解説とは,「最高裁判所判例解説 民事篇」(法曹会),「最高裁判所判例解説 刑事篇」(法曹会)という本に載っている判例評釈のことです(DVDもあります。)。新しい判例については,「法曹時報」という本に個別に載っています。
たとえば,刑法総論の相当因果関係についての基本書の該当箇所を読んだ後に,「【最判H15.7.16刑集57・7・950】―暴行とその被害者が現場からの逃走中に遭遇した交通事故による死亡との間に因果関係があるとされた事例―」の調査官解説の因果関係についての考え方を整理した部分,及び判例理論の解説部分をご覧になってみてください。驚くほどに整理され,判例理論の明快な説明がされていますので,試しに一度目を通されることをおすすめします。
基本書を読んでも理解進まないという場合には,当該分野・項目に関する判例(なるべく新しいもの)の調査官解説を読むという方法がおすすめです。

ともあれ,まずは,学説(自説)をいわば木の幹として押さえることが優先です。自説を幹として,それとの対比(距離)で他の説を考えていくと,意見複雑に対立している学説も整理して理解できるからです。

ここで私が基本書の批判をしても生産的でないので,結果無価値論をベースにした基本書の中からお勧めをいくつか挙げさせていただきます。行為無価値論をベースにした基本書は,どれも私にはしっくりきませんでした。
なお,基本書の選択は,個人的な趣味の要素も強いので,あくまで参考程度のものです。有名で定評のあるもの,受験生のシェアが大きいものの中から,自分に合うと感じた基本書を使うよいと思います。

刑法全体についての薄い本としては「刑法」(山口厚,青い方,有斐閣)が秀逸だと思います。
詳しいものとしては,「刑法総論」「刑法各論」(山口厚,有斐閣),「論点講座・刑法総論の考え方・楽しみ方(283号~)/同・刑法各論の考え方・楽しみ方(355号~)」「刑法総論」(特に共犯論),「刑法各論」(西田典之,弘文堂)あたりをお勧めします。
その他,「刑法総論の思考方法」「刑法各論の思考方法」(大塚浩史,早稲田経営出版)は立場を超えて分かりやすい本として有名です。なお,「受験新法」のバックナンバーが手に入るならば(学校の図書館等),巻末に大塚先生出題の事例問題も掲載されているので,演習面でも役立ちます。

刑法は他の法分野と比べて,学説が入り乱れ,抽象的概念を多分に使ったアカデミックな議論が展開される場面が多く,学説中心の学習になりがちです。しかし,実務家を目指す立場からすると,事件解決に必要な限度で自説を使いこなせれば足りるのです。
刑法では特に,「学説(自説)を基礎にした上で,判例実務の考え方をしっかりと学ぶ」ことを常に意識して学習されるとよいと思います。

No title

お返事有難うございます。
参考にさせていただきます!
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