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大手法律事務所への就職活動

個別訪問での面接対策として実践したこと等をお話します。
ローの同級生(社会人経験者)のアドバイスがとても役立ったので,私自身の経験も交えて,要約してお伝えします。


面接は,学歴,成績(GPA)といった過去の成績等の形式面は十分に書類で審査し,絞りきった上で,それ以外の面を見るものです。

第1 コミュニケーション能力
事務所側にとって何よりも重要なのは,一緒に働くことになる上でのコミュニケーション能力です。
法曹固有のものとして求められるというより、社会人として必須の能力として求められるものです。
大手の事務所ほど,チームでする仕事が基本となるので,事務所側から見て,一緒に仕事をしやすいタイプかどうかが重要になります。たとえば,相手の説明・見解にただ相槌打つだけでなく、それを受け止めた上で,自己の考えを主張できるかなどが見られます。

第2 志望度
ホームページの情報や事務所説明会程度で伝え聞いた情報から,直ちに,「御事務所が第1希望です」といった主張をしてはいけません。なぜなら,不自然だからです。
各事務所のホームページの情報だけから,希望を絞れますか?
どれも同じようなことが書いてあって,ふつうは絞れないはずです。

まずは、志望している事務所が,自分の働きたい環境と「カテゴリー(たとえば,四大,準大手,外資)として合致している」ことを伝えることが大切です。
自分は,どういう趣旨,理解から,そのカテゴリーの事務所で働きたいのか,自分の目指す法曹像との合致を合理的に説明することが必要となります。
たとえば,既に説明会等で弁護士との接触あったのなら,そこで出会った弁護士の印象=自分の働きたいという事務所像との合致を述べた上で,面接する特定事務所がカテゴリーとしてだけでなく,更に個別的にも自己の志望と合致しているという主張をするといったことが考えられます。

私は,自分の話をきちんと聞いてくれる事務所に行きたいと思っていましたので,飾らずに,思うところを率直に述べるように心がけました。面接の場ですら自分の意見に耳を傾けてくれないような事務所では,入所してからも,不満を感じる場面が多いと思ったからです。
もし,思うところを述べて採用されないのならば,その事務所とは縁がなかったと思えばよい,と割り切っていました。
こんな質問をしたら印象が悪いのではないか・・・などと悩む必要はないと思います。


第3 質問
質問を用意しましょう。
当該事務所に対する興味の度合いは,往々にして質問の有無によって決まるものです。
疑問に思ったところは聞くという姿勢を見せることが大事だと思います。
弁護士事務所の場合,普通の会社と違って,採用担当の人事部や役員が面接をするのではなく,本職は弁護士の人による面接が基本なので(たしかに,面接の数こなしてる人は多いと思われるけれども,),向こうからの質問も早々に,「何か質問はありますか?」と聞かれることが多いです。
そのときのために,こちらから,時間つぶしの質問でなく、自分の希望する事務所像との合致の有無を知りたがっていることが分かるような質問を用意しておくと役立ちます。
ここでは,本当に疑問に思うこと,知りたいと思うことをぶつけるべきです。自分のキャリアのスタートなのですから,遠慮する必要はありません。後悔しないためにも積極的に質問するべきだと思います。

第4 併願状況
他の事務所へのエントリー及び選考過程の進行状況は基本的に正直に話しましょう。
当該事務所の面接では,自分がどういうカテゴリーの事務所に行きたいと思っているのかを述べるわけですから,そのカテゴリーに合致する他の事務所に就活していることは,自然なことです。また,当該事務所に入りたいという気持ちの裏付けにもなるべきものであって,逆に他の事務所に就活をしていないことは不自然に映ります。
他の事務所からも評価される人材であるということは,マイナスではなく,むしろプラスに働く要素です。

第5 本決まりの感触を得たら
オファー受諾の意思を自分の中で確認する要素が強まります。
あらかじめ,どういう基準で事務所を選ぶのかをはっきりとさせておく必要があります。

第1志望の事務所について次回の面接があるならば,そこでは何よりも「オファーを貰えたら是非入りたい」旨を伝える必要がありますし,今まで主張してきたカテゴリーとしての合致を具体化させて主張することが必要になります。
すなわち,いままで出会ったアソシエイトやパートナーから具体的にどういう印象を受けたか,面接でのやり取りを経て,カテゴリーとの一致が具体的にどのように確信できたか等,カテゴリーの一致までだったものが、当該事務所への一致に変わったのだと伝えることが求められます。

・・・・・・・・・・・・

結局のところ,入ってみないと分からないのが当然です。
どれだけ事前に情報を得たと自分は思っていても,実際のところ,すべては想像の産物なのです。
自分のやりたいことや適性が正確に把握できていないことは,普通のことだと思います。
事務所から受けた印象,直感を大切にした方が良いと私は思っています。

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

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No title

>管理人のみ閲覧できますさん

ご質問ありがとうございます。

修習地による偏りはあると思いますが,私の修習地では,任官・任検希望者含め,弁護士事務所の内定を持っているのは,現時点で6~7割です。
新試験になって合格者が増えたことで,弁護士事務所への就職は厳しさを増し,その影響を受けて,任官・任検希望者も増え,弁護士,検察官,裁判官のいずれを志すにしても,乗り越えるべき壁は年々高くなってきているようです。

大手事務所の内定者(※新司法試験組)は,25歳~27歳の人がほとんどです。
ただし,数名程度社会人経験者等の内定者がいる事務所もあるという感じでしょうか。
所属弁護士の構成等の詳細については,ホームページ上にプロフィールが掲載されている事務所であれば,それをチェックしてみると分かると思います。

私は,現在実務修習中で,地方都市で修習をしています。
集合修習で和光へ行くのは,9月の終わりからになります。
そこからは本格的に,二回試験に向けた勉強の日々になるのだと思います。

No title

お忙しいなか、ご回答いただきましてありがとうございます。

6割~7割とは厳しいですね。
試験に合格することはもちろん、修習時も気を抜かずに勉強する必要があるなぁと改めて感じました。

masoさんは地方にいらっしゃるのですね。
9月末に和光に行かれるということは、旧63期の方々が退寮された
後に最終研修を行われるのですね。。

まだまだ大変でいらっしゃいますね。
お身体に気をつけて、頑張ってください。

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No title

>管理人のみ閲覧できますさん

ご質問ありがとうございます。

私がエントリーした事務所は4つです。
1つは説明会だけ参加して個別訪問のエントリーはしなかったので,個別訪問としては3つです。
それゆえ予定が重複する状態にはならなかったので,あまり有益な情報は提供できないかもしれません…

前段のご質問について,もうすでに個別訪問等を経て,そのような場面に遭遇されたことがあるかも知れませんが,就職活動の状況について細かく聞いてくる事務所が多いため(何箇所位,どういう事務所を回っていますか?どういう基準でエントリーしていますか?いつ個別訪問の予定が入っていますか?・・等々),多数の事務所へエントリーする際には,志望の一貫性を説明できるようにしておくべきだと思います。手当たり次第に応募している印象を持たれることを避けるためです。エントリーする事務所を絞った理由と事務所選択の基準について丁寧に述べるよう心がけたところ,印象がかなり良かったように感じました。

後段のご質問について,説明会や個別訪問の日程が重複した場合は,先に決まっていた方を優先するのが一般的だと思います。ただ,事務所の規模が大きくなればなるほど,説明会と個別訪問との関連性が薄くなるので――説明会への参加は採用とほとんど関係なく,個別訪問の方が遥かに重要――,東京の大手,準大手の法律事務所を中心に回られているということでしたら,個別訪問を優先させるべきだと思います。

その際には,個別訪問の予定が入ったからという理由までを連絡する必要はないでしょう(もうその事務所へは個別訪問しないというのならば別ですが。)。
ただ,無断欠席は好ましくないので,「急用が入り,参加することができなくなったので,説明会への参加は辞退させていただきます。」といった旨をメールなり電話で伝えればよいのではないでしょうか。なお,個別訪問の予定をずらすことが可能ならば,それが一番良いと思います。日程の変更を申し出たからといってチャンスを逃すといったことは,まずありません。

複数エントリーにより予定が重複する自体は事務所側も織り込み済みです。特に,大手,準大手といった法律事務所では,アプローチをかけてくる層がかなり重なっていますので。

エントリー数について,ご参考までに,私の周りの例を言うと,合格発表前に東京で就職活動をして内々定した友人らの平均は8~10程度でした。合格発表後に就職活動をはじめて東京の事務所に内定した友人らは,決まるまでに20~40程度の事務所にエントリーしたそうです。

No title

お忙しいところ、とても丁寧にお答えいただき、誠にありがとうございます。
一般企業の就職活動の経験もなく、右も左もわからないものですので、masoさんのわかりやすいご説明はとても参考になりました。

事務所選択ですが、正直に申し上げて、事務所HPを見るだけは各事務所によって大きな差があるとは感じられません。人が資本の世界なので、やはりHPの情報だけでは事務所の性格は把握できず、説明会や個別訪問で雰囲気を肌で感じるしかないのかな、とも思います。一方で、私は説明会に参加したのみで、まだ事務所の個別訪問を経験していませんので、事務所ごとのカラーはまだはっきりとはわからないのがもどかしいところです。大まかな方向性として、コーポレート業務全般に携わりたいという思いがありますが、これとて実務に就く前の暫定的なものに過ぎないという見方もできますし、なによりこれではあまり志望事務所を絞り込めないですね…。大手・準大手の法律事務所はすべて取り組んでおられるので。事務所選びも一朝一夕にはいかないなぁ、と日々感じております。

ともあれ、丁寧なご説明を頂き、本当にありがとうございました。
修習も後半に入り、二回試験も近づいてきてお忙しいことと思います。
どうかお身体にはくれぐれもお気をつけ下さい。
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Author:maso
弁護士(63期)。いわゆる大手渉外法律事務所で働いています。

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