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【特別連載・科目別に気をつけるポイント・行政法】byN氏

行政法について。 

※特別連載の説明,目次は「こちら

(1)科目特性
①訴訟類型を間違えたらそれだけで致命的なミスになる。
②誘導にのってあてはめていく。誘導があるからみんな論点としてはおんなじことを書く。どこで差をつけるかというと,条文の正確な摘示とあてはめ。決して,誘導にないことを大々的に論じないこと。
③また,よく知らない条文を解釈するわけだから,基本である趣旨解釈が大事。(2010は「趣旨解釈しろ」なんていう誘導がついていた)
④書く内容が多いから,本案の主張のところがおろそかになりがち。配点は半々だから,訴訟要件の検討に時間をかけ過ぎてはならない。

(2)注意リスト
① 訴訟類型を間違えない!
 →全て検討してみる。
  ア 取消訴訟
  イ その他の抗告訴訟(無効確認,義務付け,差止めなど)
  ウ 実質的当事者訴訟
  エ 民事訴訟
  オ 仮の救済
  原告の求めている紛争の解決の手段として何が最も適切なのか,という視点で選択する。
② 訴訟要件を全て確認する。
ア ①処分性,②原告適格,③訴えの利益,④出訴期間,⑤被告適格,⑥管轄,⑦不服申立前置。とりあえず,少なくとも①~⑤は触れる。あとは「その他の訴訟要件は満たす」と書く。
  イ 本案勝訴要件と混同したような記述を書かないこと。
どの訴えが適切か,となった場合にやりがちなので注意。書くにしても,しっかり「この要件は本案勝訴要件である」と明示してから論じていく。
③ 特に,出訴期間を必ず確認する。
④ 誘導にしっかりのる。
いくらいいこと思いついた!とおもっても誘導にないことは出題の趣旨に反する独自の見解にすぎない。誘導の中で与えられているフリーゾーンの中で展開していくべき。
⑤ そのなかでも個別法の解釈をやり,検討するところはきちんと検討する。まる写しはできるだけしない。しかし,条文の引用は正確かつ具体的に。
 <解釈方針>
 ア 複数の法令間の関係を把握し
 イ 処分の根拠法令を探し出し
 ウ 当該処分に関連する法的仕組を解明する。
 エ 各設問ごとに印をつけて必ず引用する。
 オ とにかく引用しまくる。それが「具体的なあてはめ」につながる。
<注意>
・似た法令でも,条文を見ると「契約」なのか「処分」なのかが変わってくるので注意!
例)水道法と下水道法
・行政庁もバカじゃないから,形式的には要件を充足するはず。=形式解釈ではなく,実質解釈をする。
   それを実質的にひっくり返すためには説得力ある論証が必要。法令の目的,それとの関係での条文の趣旨,事案の特殊性などを引き合いに出して論じていく。
   
⑥ 違法だとするときは,何法何条に反し違法である,と結論を書く。条文を入れる。結論は明確にする。
⑦ 緊急性とか補充性の要件は,具体的にあてはめていく。また「償うことのできない損害」は,「金銭で填補できない」というのがキーワードで,つまりは事後的な回復手段がない場合のことをいう。そのような事情がある場合には必ず拾う。
⑧ 条文をたくさん拾う!そのためには適切な省略名をつけることもポイントの1つ。
  →法,施行令,条例など。
⑨ 何よりも時間配分に気をつける。
 憲法を2hで終わらせる。仮に伸びてしまったとしても絶対にあせらない。残り1hになってもあせらない。その時は,5枚で終わらせるように構成する。諦めが肝心。最後まで書き終わること。絶対!
⑩ 法令違反(事実誤認)→裁量の逸脱・濫用の順で書くが,できるだけ法令違反で勝負。
  →裁量の逸脱・濫用は,だいたい動機不純か,要考慮事項の不考慮・他事考慮である。この場合には,本来あるべき姿を条文からひも解いて,そうしてないよね,と論じていければベスト。
⑪ あてはめは反対利益をよく考慮する。具体的な事情を持ち出して反対利益を論じた後,どんどん反論していく。時間の許す限り拾える事情を拾って評価していく。

(3)参考
masoブロの記事「公法系論述(行政法)」をご覧ください。


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genre : 学問・文化・芸術

comment

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No title

masoさん、Nさんへ

 Nさん、特別連載の方ありがとうございます。毎回楽しみにして読ませていただいております。

 さて、また民法について少し質問させて下さい。

 以前の質問後、要件事実論30講に取り組んでいます。参考になる話が多くて、有意義な時間を過ごしております。要件事実論30講では、以前Nさんがご指摘になったとおり、民法の実体法の理解が重要であると繰り返し書かれています。確かにそうだなと思いました。

 そこで、並行させて、民法の実体法の理解を深めるにはどうしたらいいか?という疑問にぶつかりました。

 まずは、今手元にある内田民法を読もうかと思いました。しかし、量が多いですし、所々疑問に思う箇所があり、自分に合っていない気がします。そのため、モチベーションも上がりません。

 次に、masoさんが使用教材に挙げられていた、ダットサン民法はどうかと思いました。ただ、田舎に帰省して勉強しているため、立ち読みして判断することができません。そこで、masoさんにダットサン民法は民法の実体法の理解を深めるのに役立つかを教えていただきたいのです。どう思われますか?

 例えば、H21の民法1問目では、意思主義に基づく解答が求められていたと思います。しかし、自分は問題を解く際、意思主義や表示主義と言った言葉さえ頭に浮かびませんでした。ダットサン民法を読んでおけば、このような基礎の理解の穴は埋まるでしょうか?

 また、Nさんは以前、109条の制度趣旨について分かりやすくご説明下さいました。私としては、代理権授与表示をしたと見えると109条だとか考えてしまって、本人の帰責性等をよく考えずに結論を出してしまいます。Nさんは民法の実体法の理解をどのようにして深められましたか?おすすめの教材等あれば教えて下さい。

Re:No title

>やちんさん

ご質問ありがとうございます。

私が主に使用していた民法の教材は、
1 Sシリーズ(契約のところは潮見先生の黄色い本)
2 百選1、2
3 民法に関する旧司法試験の問題平成分
です。

私は、従前からも述べておりますが、どの教材を使ってもよく、教材自体の善し悪しではなく、どう使うか、どれだけ繰り返せるかの方が重要だと思っています。その点で、やちんさんと同じように内田民法は厚すぎる気がしていたため、遠慮していました。そうではなく、比較的薄く、要件効果が書いてあると思ったSシリーズを使う事にしていました。問題演習などで理解の不足している部分を認識し、Sシリーズをまずみました。それでわからないところは、内田民法なり佐久間先生の教科書なり潮見先生の教科書なりで確認していました。

私は、分析でも述べた通り、新司法試験の民法の問題は、類似する制度をきちんと区別できるかという制度間の理解を聞いてきていると思っていました。したがいまして、似た制度についてはその適用の区別ができるようになるまで理解しようとつとめました。(これに関しては、調査官解説なども参照しました。)
たとえば、代理の有権代理、無権代理、109条、110条、112条、109条と110条の重畳適用、110条と112条の重畳適用、110条と94条2項の類推適用(趣旨の類推適用)の区別でした。
その他にも、錯誤、詐欺取り消し、停止条件付意思表示、瑕疵担保解除、履行遅滞解除、履行不能解除などです。
(もう少しあったと思いますが思い出せませんv-122


今の段階で、過去問を解き、その基本部分が押さえられていない、と認識する事が大事だと思います。私も去年の9月に21年度を受けて、意味不明で泣きそうになりながら落第答案を4時間かけて書いたのを覚えています。。。笑
焦る必要はないので、ぜひとも頑張ってください!!

No title

>やちんさん

ご質問ありがとうございます。

ダットサンは,論点や判例を確認するのには向いていませんが,制度の趣旨等,基本的なところがしっかりと書かれているので,「我妻・有泉コンメンタール民法―総則・物権・債権」と併用して使っていました。 問題演習をする過程で折に触れて参照するという形です。

平成21年度新司法試験民事系科目第2問設問1は,
「本件売買契約は,何を目的物として成立したものであると考えられるか,理由を付して結論を述べなさい。その際,【事実】5記載の注文書及び【事実】6記載の注文請書にあった型番誤記が本件売買契約の効力に影響を与えるか,錯誤の成否にも言及しつつ述べなさい。」
という問題でした。

この問題を見たとき,売買契約の成立要件を掲げることはもちろん,契約一般の成立要件,意思表示,意思主義と遡って考えていく必要があります(必ずしもそれらを答案に書くという意味ではない。)。錯誤の意義,なぜ契約が無効となるのか,なぜ無効とする必要があるのかについても,意思主義を前提としてはじめて理解されうるものだと思います。
そういった問題検討のプロセスや頭の使い方については,日々の問題演習とその検討の過程における検証の中で,次第に身についていくものだと思います。ダットサン民法やコンメンタールは,基本的部分の理解を深めるのに役立つと思いますが,それはあくまで,問題演習・検討の過程等で疑問を抱き,問題意識を持って注意深く参照するからでしょう。したがって,「単に頭から通読する=実体法の理解が深まる」というように簡単にはいかないと思います。

問題演習の過程で生じた疑問は,そのままにしないで,メモを取るなりして,後で時間を取ってまとめて調べて理解する習慣をつけるとよいと思います。これを習慣化すれば,目的意識を持って基本書等を読む機会を設けることができますし,逆に,これをしておかないと,次回の検討の際に,同じ疑問の解決に時間を取られることになり,非効率です。

このあたりのことは,「ゼミとか」の記事でも書いたところです(下記参照)。

・・・・・・・・・・
勉強していて、よくわからなかったところは付箋にメモっておいて、時間のあいたとき(休憩時間とか)に
1 図書館の詳しい本で調べる
2 オフィスアワーや授業後に専門の先生に聞いてみる
3 優秀な勉強仲間に聞いてみる(含む上記mixi)
で解決していました。これらの手段で解決できない問題は、試験のレベルを超えていると(勝手に)判断して、一切気にしないようにしていました。
・・・・・・・・・・

また,ミスをしてしまった場合,次に気をつければよいと考えるのではなくて,すぐにその場で,二度と同じミスをしないようにするにはどうすればよいのか,ミスの原因を丁寧に分析していくという姿勢を大切にしてください。一度間違えたところを放っておくと,同じところで何度も間違えることになります。

試験の日程から逆算すれば分かるとおり(是非一度,実際に計算してみてください),各科目にかけられる時間は限られています。何をやるかを考えることも大切ですが,何をやらないかという視点も大切です。試験突破に必要な知識・理解を身につけるにはどうすればよいか徹底的に考えた上で,日々の学習に取り組まれるとよいと思います。

masoさん、Nさん

 お忙しいところ、返信ありがとうございます。

 問題演習を中心に据えて、基本を確認していくという地道な訓練をして行こうと思います。すぐに解決できる問題ではないですね。

 あとは、自分に必要なものを限られた時間の中でどう補っていくかを考えて、頑張ってみます。

 ありがとうございました。

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