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【特別連載・科目別に気をつけるポイント・特許法】byN氏

特許法について。

※特別連載の説明,目次は「こちら

(1)科目特性
・最高裁判所の判例は数が少ない分だけきちんと理解する必要がある。だいたい最高裁判所の判例があるところからその理解が聞かれている。
・権利化手続のところはでないのではないか(実務では基本的に弁理士の専売特許だから)
・条文を適切に拾い,制度を正確に書くことが重要
・原始的権利状態(職務発明や譲渡などがある場合)を確認してから論ずるべき。
・民法の知識(2007の時効など),行政法の知識が聞かれる可能性はある(2007採点実感)。
・定義,要件の意味の理解も大事
・全部フルスペックで適切に論じるほど紙幅のスペースはない。
・答案用紙を間違えたら0点。

(2)注意リスト
1 原則的権利状態を確定してから考える。
  その上で,たとえば職務発明が成立したり,特許権の譲渡が起きたりするから,それをあてはめていく。
2 論理一貫性に注意して書く。
3 訴訟物の確定(差止めか,損害賠償か,補償金請求か)及び要件解釈を正確に。
4 定義・条文・制度を理解した上で,正確に摘示し,少ない事実をすべて使ってあてはめる。
→100条1項なのか2項なのかに注意。特に差止めは著作権と条文が違い,きちんと六法で確認して書かないと間違えてしまう可能性あり。
5 要件事実に気を払うこと。
→差止めの要件事実は①原告の特許権の保有,②被告がαを実施していること,③αが原告の特許権の技術的範囲に属していること,だからこれを明示する。
  その上で抗弁事実を検討する。
  技術的範囲の解釈について――均等,間接侵害
  抗弁――104条の3,先使用,時効 等
6 最高裁判例の要件を必ず引き合いに出して,そこから論じていくことが必要。
→特許の最高裁判例は必ず要件立て出来るように理解しておくことが必要。そう多くない。要件の意味も確認。
7 バランス良く書く。紙幅が足りないことを念頭に,淡々と論じていく。3枚半で終わらせるイメージじゃないと4枚じゃ到底書き終わらない。


theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

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No title

はじめまして、新司の受験生、浪人生です。
いつも、参考になるなぁと思いながら読ませていただいています。


記事とは無関係になるのですが、お二人に憲法の疑問について答えていただきたく思います。

いわゆる「厳格な合理性」の基準(立法目的が重要で、目的と手段との間に実質的な関連性が存するか、を検討する基準。)における、手段審査についての質問です。

先日、憲法答案検討ゼミをしたところ「代替手段があることを理由の1つとして、実質関連性がない」という趣旨の論述をする受験生が大多数であることが分かりました。

個人的には、代替手段があってもなくても、立法目的と当該手段との間の実質的関連性に影響はでない、と思っていました。薬事法判例のイメージです。
しかし、代替手段を挙げると論述の説得力が増すと感じました。
また、実質的関連性という規範自体があいまいだから、代替手段があることを理由にしても理論的に間違いとは言い切れない、とも思いました。

そこで、質問なのですが、
① お二人は、受験生が答案上で、「代替手段があることを理由の1つとして、実質関連性がない」という論述をしてもよいと思いますか?
② また、お二人が受験生だとしたら、実質的関連についてどのような論述をするのでしょうか?

お二人なりの答えを頂けたら有り難いです。
よろしくおねがいします。

No title

>YAZUさん

ご質問ありがとうございます。
ひとまず,masoからお答えします。
憲法からは1年以上離れているので,まともなお答えができるか分かりませんが,現段階で考えてみたことをお伝えします。

いわゆる「厳格な合理性の基準」についての伝統的理解からすれば,代替手段の検討がなされると思います。

この点について,
>代替手段があってもなくても、立法目的と当該手段との間の実質的関連性に影響はでないのではないか
というYAZUさんの疑問については,以下のように答えることができるかと思います。
※引用文献は,「憲法Ⅱ[第4版]・有斐閣・野中・中村・高橋・高見」です。

①まず,伝統的な学説の理解からすると,「(エ)次に経済的自由の規制であるが,これを積極目的と消極目的の規制に分ける。これはどちらの場合も合憲性の推定が働いている。(cf.「一般に法律については、「合憲性の推定の原則」が働くといわれている。すべての法律は立法権をもつ国会によって合憲と判断された上で制定されたものであり、一般に合憲との推定をうけるというのである。」(p294),「…また合憲性の推定とは、正確には、法律を支える立法事実の存在の推定であるから、」(p295))…(中略)…消極目的の規制の場合には、「厳格な合理性の基準」によるべきである。すなわち立法目的の正当性の審査のほか、立法目的と手段との間に単なる合理的関連性にとどまらない事実上の実質的な関連性があるかどうかが審査されるべきで、もしそのような関連性がなければ違憲とされるべきである。」(p297)とあるように,経済的自由権への規制については,合憲性の推定が働いていることを前提として違憲審査が行われることになります。
②次に,違憲審査の内容については,「しかし法令自体あるいはその適用の意見が争われる憲法訴訟においては、そのような個別・具体的な事実(maso注:司法事実)のほかに、その立法事実、すなわち立法の基礎を形成し、かつその合理性を支える社会的・経済的等一般的事実の存否を確かめることが必要な場合が多い。立法者が立法をするにあたっては、それを必要とさせる社会的・経済的等の事実が当然認識されているはずであるが、立法者による立法事実の認識に誤りはないか、立法事実は裁判の時点でも存在しているか等の審査が必要とされるのである。そして法令の違憲審査は、通常は、立法者が設定した立法目的とその立法目的を達成するために選択した手段の両面にわたって行われるが、検証された立法事実に照らしてそれらの立法目的と手段選択は正当かつ相当といえるかどうかの判定がなされることによって、裁判官の憶断によらない、科学的な根拠に立った憲法判断が可能になり、判決に説得力がもたらされることになる。」(同p292)とあるように,立法事実に照らして,立法目的と手段選択について判断されることになります。
③これら①及び②を前提にすると,立法事実の存在が推定される場合には,立法目的と立法目的達成手段には合理的な関連性があることを前提として,それが立証によって覆されない限り,合憲と判断すべきと考えられます。経済的自由権の消極目的規制のように,審査密度が高まり,立法目的と手段との間に単なる合理的関連性にとどまらない事実上の実質的な関連性があるかどうかを審査する場面でも,立法事実の存在が推定される以上,目的と手段との間には事実上の実質的な関連性があると判断される方に傾きがちです。
そうすると,実質的関連性が「ない」という判断をする場面においては,手段の必要性,合理性の判断に加えて,(あるいはその判断の中で)他の代替手段がある(=その目的を達成するためにより緩やかな規制手段がある)ことが積極的に主張(あるいは認定)される必要があるということになると思います。
(なお,合憲性の推定が働かない場面―ex.表現の時・所・方法の規制―における「LRAの基準」においては,他の代替手段がないこと,すなわち規制の必要最小限度性が主張・立証(あるいは認定)される必要があるため,厳格な基準になります(p297参照)。)
反対に,実質的関連性を肯定する場面でも,手段の必要性,合理性を主張(あるいは認定)する際には,代替手段によっては目的達成に至らないことをいうことで,論旨の説得力が増すと思います。

したがって,ご質問①については,そのような論述をしてもよいと思うというお答えになり,ご質問②については,実質的関連性の論述の中で,代替手段について検討できるような事情が問題文に挙がっている場合には,それを使って論述するというお答えになります。
加えて,実質的関連性のあてはめの部分の論述では,具体的事実を拾って,目的との関係で丁寧に評価していくことが大切だと思います。

補足として,最高裁昭和50年4月30日大法廷判決(民集29巻4号572頁)は,「一般に許可制は、単なる職業活動の内容及び態様に対する規制を超えて、狭義における職業の選択の自由そのものに制約を課するもので、職業の自由に対する強力な制限であるから、その合憲性を肯定しうるためには、原則として、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要し、また、それが社会政策ないしは経済政策上の積極的な目的のための措置ではなく、自由な職業活動が社会公共に対してもたらす弊害を防止するための消極的、警察的措置である場合には、許可制に比べて職業の自由に対するよりゆるやかな制限である職業活動の内容及び態様に対する規制によつては右の目的を十分に達成することができないと認められることを要するもの、というべきである。」,「(一)薬局の開設等の許可条件として地域的な配置基準を定めた目的が前記三の(一)に述べたところにあるとすれば、それらの目的は、いずれも公共の福祉に合致するものであり、かつ、それ自体としては重要な公共の利益ということができるから、右の配置規制がこれらの目的のために必要かつ合理的であり、薬局等の業務執行に対する規制によるだけでは右の目的を達することができないとすれば、許可条件の一つとして地域的な適正配置基準を定めることは、憲法二二条一項に違反するものとはいえない。問題は、果たして、右のような必要性と合理性の存在を認めることができるかどうか、である。」として,立法目的達成手段として,薬局開設の距離制限をすることの必要性,合理性を判断し,その中で,「四(2)(ハ)仮に右に述べたような危険発生の可能性を肯定するとしても、更にこれに対する行政上の監督体制の強化等の手段によつて有効にこれを防止することが不可能かどうかという問題がある。…」というように,代替手段(=事後規制によること)の検討をしているものと考えられます。

No title

丁寧な回答をいただきまして、大変有難く思っております。

ここ数日、いくつかの基本書と判例を読み返した結果、
masoさんの回答と同じ趣旨の結論に至りました。

そして、masoさんに回答をいただいて、理解が正しいこと(今までの理解が不正確だったこと)を再確認できました。

ありがとうございました。


また気になることがありましたら、質問させていただきたいと思っています。
ではでは、失礼いたします。

No title

>YAZUさん

N氏です。時機に後れた感があり、混乱を招くことを危惧しておりますが、一応「お二人」とのことですので、私も重ねて回答させていただきます。混乱した場合には私のほうを無視してください。

>① お二人は、受験生が答案上で、「代替手段があることを理由の1つとして、実質関連性がない」という論述をしてもよいと思いますか?

結論からいえば、私もしてよいと思います。
「実質的関連性」は目的達成のために採用する当該手段の必要性と合理性を実質的に審査するものです。この「実質的関連性」と「代替手段の存在」は確かに一見関係がないようにも思えます。しかし、maso指摘の薬事法判決がそれをいうように、「合理性」を判断する際の要素の1つとなるはずです。

すなわち、Aという方法とBという方法があって、Aを採用した。でもBの方が優れた手段である、またはBの不採用の理由がまったく的を射ていない場合には、Aの方法の採用は「実質的にみれば合理的でない」との判断を下せると思います。


>② また、お二人が受験生だとしたら、実質的関連についてどのような論述をするのでしょうか?
これは、特別連載の憲法の欄でも少し書きましたが、違憲との結論を導くためには、まず国側が措定する合理性の論理過程を示した後、その不合理性を指摘することが理想だと思います。

2006年を例にとれば(使いまわしで申し訳ありません泣)
たとえば、国側は
「(あ)煙草の箱への一定の表現の義務付けによって、(い)国民に対して煙草の健康への害悪性が周知され、(う)それによって国民は煙草を吸わなくなり(あるいは量を減らすことになり)、(え)国民の健康被害の予防という目的が達成できる。」
と考えるわけです。

でも、本当にそうだろうか、と考えます。
(あ)と(い)のつながりに関しては、もうすでに8割の人が煙草と肺がんの関係については知っているんだから表示を義務付けても害悪性が周知されることはない、
とか、
(い)と(う)のつながりに関しては、煙草の害悪性は従来バージョンの箱ですでにみんな知っていてそれでも吸う人が今吸っているんだから表示を義務付けても国民は煙草を吸わなくならない、
とかを考え、それを基に
「実質的にみて合理的とはいえず、実質的関連性をかくといわざるを得ない」
等と結論付ける書き方をします。

なお、代替手段を書く場合には

「本件ではより緩やかなBという代替手段が存在する。したがって実質的関連性を欠く」
と書いてしまっては、厳格審査と混同している印象もあるので避けるべきではないでしょうか。

「本件ではBという手段がある。国側はBという手段をXという理由で不採用としたが、Xという理由は***であるから合理的でない。したがって、Aという目的達成のための手段は実質的にみて合理性を欠く。」
等と書いた方が分かりやすいように思えます。

参考になるでしょうか。。。。
繰り返しになりますが、masoの記述は適切な裏付けに基づくものですので、混乱を招いた場合には私の考えは無視していただきたいと思います。


それでは、失礼いたします。


No title

> N氏さま
またまた丁寧な回答をいただきまして、感謝の一言に尽きます。

私なりの理解ですと、お二人の考えは同趣旨だと思いました。

また、内容的にもmasoさまの回答を噛み砕いたものなっているので(と読めるので)、より理解が深まりました。
その点で、「時機に後れた」ことも「混乱を招く」こともなく、意義のある回答をいただきました。有難うございます。

また、実力のある方が同じことをおっしゃっているので、受験生としては安心して論述できます。その点でも大変有難いです。


今後も、お2人の受験に関する記事など等、ブログの更新を楽しみにしております。
そして、また機会があれば質問させていただきたいと思います。
ありがとうございました。

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Author:maso
弁護士(63期)。いわゆる大手渉外法律事務所で働いています。

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