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⑥集合修習

司法修習全体については,こちら

⑥集合修習について。

第1 前提説明
司法研修所(@埼玉県和光市)で行われる集合修習についても,研修所のキャパシティとの兼ね合いから,どの修習地かによって時期が異なり,
 A班:「各クールの実務修習」後の2か月
 B班:「各クールの実務修習+選択型実務修習」後の2か月
というように振り分けられます。
指定地域に住居がない修習生は,研修所の寮に入所することができます。
集合修習の時間は,午前9時50分(※午前9時45分までに名簿に押印要)~午後4時35分までです。
1限から3限までで構成され,各時限が間に10分(15分)休みを挟んで2つに分けられています。
休み時間は午前11時40分~午後0時40分までです。
修習生は,修習地を基礎とした各クラス(1クラス七十数名)ごとに1つの教室に集められます。
各クラスにつき教室は2つあり,教壇を中心として扇状に席が配置(列ごとに段数が上がっている)された教室と小学校の教室のように席が配置された教室とがあります。座席は出席番号順に固定席ですが,演習や起案の度に席の移動があります。

第2 集合修習でやること
集合修習の内容は,大きく,①講義②演習③起案④講評に分けられます。
2か月の間にこれらがみっちりと敷き詰められているので,実務修習よりも拘束時間は短いとはいっても,相当にハードです。

①講義
集合修習の期間全体を通じて各科目について行われ,その内容は,執行,保全,破産,和解,不動産登記,弁護士倫理など(民事弁護),身柄拘束への対応,接見,情状弁護,公判前整理手続など(刑事弁護),事実認定,公判前整理手続など(刑事裁判),捜査手続,事実認定,公判前整理手続など(検察)といったものです。
その他,外部講師を招いての講義も行われます。
二回試験の直前には,1日をかけて各教官による最終講義が行われます。

②演習
模擬裁判(民事・刑事),出席番号をランダムに割り振って作られる班ごとに行う問題検討,小テストなどが行われます。模擬裁判は,民事・刑事とも詳細な記録が用意され,各修習生に配役され,数日に分けて訴訟手続の全体を通して行われます(丸一日使う日も数日ある)。
いずれの立場であっても準備には多大な時間を要します。初回に行うことを例にとっても,民事であれば,記録を検討した上で難しい主張整理のブロックを組み,証拠関係を整理した上で臨む必要がありますし,刑事では公判前整理手続で主張・争点整理を行うために記録・証拠を精査しておく必要があります。起案の前後に模擬裁判の予定が詰まるので,翌日が起案であってもその準備で夜まで残らなければならないこともあります。
問題検討は,さほどハードではないので,当てられた際に答えられる程度に簡単に予習しておけば足りると思います。

③起案
新第63期は,民事裁判4回(内2回は練習で,主張整理1回,事実認定1回),刑事裁判2回,検察が2回,民事弁護が3回(内1回は練習で,最終準備書面フル起案),刑事弁護が2回行われました。練習の回を除くと,各科目2回ずつ起案が行われることになります。
起案固有の座席配置(3パターン)があり,講義等とは異なり,机を広く使うことができます。
起案の時間は,午前9時50分~午後4時40分までの6時間50分(昼食時間1時間を含む。昼食時間中も起案可能。)です。
起案共通の注意事項としては,一行置きに書くこと,黒のペンまたはボールペンを使用すること,起案を散逸しないように表紙を一番上にして綴りひもで綴じ終えること,解答用紙下部に通しのページ番号を記載することなどです。特に綴りひもについては,二回試験において,時間内に綴じていなければそれだけで直ちに失格となるため(起案自体が回収されない),厳重に注意するように言われます。
答案は,何処から書き始めても問題なく,刑弁・民弁を除いては枚数の指定もないので,書き直しが生じた際のタイムロスを防ぐため,項目ごとに頁を変えて書くのがおすすめです。
各起案の内容は,
(1)民事裁判
   記録二冊配布。
   主張整理,事実認定を各1本,計2通を起案。
   「民裁起案のガイド」のプリント持ち込み可能。
(2)刑事裁判
   記録一冊+法律問のプリント(大問5問程度+適条表)配布。
   犯人性起案or犯罪の成否に係る事実認定起案。
   「刑事判決起案の手引き」の白表紙持ち込み可能。
(3)検察
   記録一冊配布。小問があるときもある。
   終局処分を起案する。
   ハーフ起案(犯人性or犯罪の成否)あるいはフル起案(犯人性+犯罪の成否)。
   「検察講義案」の白表紙持ち込み可能。
(4)刑事弁護
   記録一冊配布。新63期から起案の形式が変わり,弁論要旨の一部起案となった。
   小問大問合わせて3~4問程度。各問題について枚数指定あり。
   1回目の起案のみ,「刑事弁護実務」,同「別冊書式編」の白表紙持ち込み可能
(5)民事弁護
   記録一冊配布+保全・執行,和解,訴訟手続関係などの法律問のプリント配布。
   小問は8問程度。
   最終準備書面のフル起案,一部起案。枚数指定あり。
といったものです。
 ※修習期によって,起案の内容が若干変わるようです。
これらの起案は,1週間ずつ2回に分けて行われます(通称:起案ウィーク)。
B班では,9月末から10月頭,10月末から11月頭行われました。
起案ウィークと起案ウィークの間には,前述した①講義・②演習と後述する④講評が行われることになります。

④講評
各起案について行われます。講評の前に採点・添削されて5段階の評価がついた起案が返却されます。
クラスによって若干アルファベットの表記が異なったり,3段階評価ということもありますが,5段階評価が原則で,相対評価で分布します(70名だとすれば,A4名,B16名,C30名,D16名,E4名)。A起案は優秀起案として氏名が発表され,教官からはそれらの起案をコピーして読み込むことが推奨されます。反対にE起案を取った場合には,教官室に呼ばれることが多いようです。
講評の内容は,起案の解説,着眼点,優秀起案の論述例,起案一般の注意点,時間配分についてなど多岐にわたり,二回試験対策としては,各科目の講評を良く聞くことが一番役立ちます。明示こそされませんが,教官からは起案のどこに点があるのかを匂わせる発言が多々あるので,漏らさずメモしておきましょう。




第3 雑感等
集合修習は,各実務修習の総まとめという位置づけですが,司法修習の期間が短縮された関係で,短い期間にプログラムが凝縮されているために忙しく,じっくり腰を据えて取り組むという感じではありません。
B班の場合は,2か月後に二回試験が迫っているということもあって,起案の2回目が行われるあたりから,クラスの緊張感が高まってきます。そのころ,例年,「いずみ菌」と呼ばれる寮内で蔓延する風邪が流行るので,クラス中マスクだらけという光景も珍しくありません。寮生の方々は,集合修習中に体調を崩さないように特に注意する必要があります。
起案については,任官組は全科目にわたってB以上(最低C)を取るのが望ましいと言われていたようです。任検組は検察科目に気合いを入れましょう。弁護士組は,沈まない起案(DやEを取らない)を目指すとよい思います。将来的に留学を考えている場合は,少しだけ気合を入れるといいかもしれません。主観とのズレが生じた科目は,講評後に教官室に行って面談をするとよいと思います。なにしろ2回しか練習の機会がないので,早め早めの修正が肝心です。
新第63期B班の起案内容について例を挙げると,民裁主張整理(1回目:賃貸借,賃貸人の地位の移転,相殺,代理権濫用,債務不履行解除など,2回目:債権譲渡,請負,合体抗弁など),刑裁(1回目:強盗等,窃盗の各事件の犯人性,2回目:窃盗目的の有無,反抗抑圧に至る暴行の有無),検察(1回目:贈収賄,詐欺共同正犯,2回目:強盗致傷共同正犯),刑弁(1回目:共謀,証言の信用性など,2回目:自白の任意性,犯人目撃・識別供述の信用性など),民弁(1回目:手付解除等3つの抗弁の主張+再抗弁つぶし,2回目:賃貸借契約の解約申し入れに正当事由がないことの主張)といった感じでした。
綴りひもについては,いくら注意してもしすぎることはありません。ひもで綴るのは,起案の終盤の時間に追われたころになりますが,余裕を持って綴る時間をとるべきです。また,蝶結びではなく,かた結びにしましょう。
日々に追われて過ごしていると,あっという間に2回の起案が終わり,すぐに二回試験という感じでした。
B班の方で,実体法,手続法の知識に不安がある方は,選択型実務修習中にざっとおさらいをしておくとよいと思います。

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

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弁護士(63期)。いわゆる大手渉外法律事務所で働いています。

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