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起案対策の付録(刑事系科目起案・検察)

 2 検察
 
 (1)何を勉強すればよいか

検察終局処分起案の考え方」の白表紙を熟読することにつきます。
この本に書いてあることを実践するのみです。ここから形式が外れれば点が付きませんし,禁止されている事項(犯人性起案でAKS,APSを使うなど)をやってしまえば,即死級の減点を免れません。
検察科目は,形式面で覚えることが極めて多いのですが,加えて,刑法各論について,正確な構成要件の知識・理解,基本的論点の処理を身につけておく必要があります。刑法各論の財産犯及び放火,文書偽造など主要な犯罪類型については,もう一度司法試験レベルの知識を取り戻す必要がありますので,おそらく要求される勉強量は,民裁と並んで多い科目だと思います。
起訴状の起案について,起訴状の公訴事実の配点はかなり大きいので,「一斉起案の起訴状・求刑表作成要領」を熟読して,起訴状起案のルールを把握しておきましょう。内容面については,「犯罪事実記載の実務刑法犯 5訂版」(末永秀夫/絹川信博・近代警察社)(通称ピンク本)に目を通しておくとよいと思います。

 (2)起案のポイント

【検察起案の鉄則】
※答案の型を守ること。守らないと全然点が入らない。
※文章の巧拙に点はない。最後まで書ききることが一番大事。
※スジ読みに力をかけること。要するに当該事件はどういうものなのか,という大きな視点でとらえる。
※共犯事件においては,必ず,被疑者ごとに検討すること。
※A,V,W,KS,PS,緊逮,報などと略語を使ってもよい。
最後のPSをしっかりと読み,担当Pの処理方針を把握する。
※PSの問答形式になっている部分は,Pの問題意識が表れているので特に注視。
※証拠にないものは,どんなにスジが立っても書いてはいけない。

第1 起訴状の書き方
※公訴事実は,5W1Hを意識して骨と皮だけを書く。いきさつ等の余事記載は減点!簡潔に!
※V品にクレジットカードがあるときは注意。「被害者が所有する」ではない。「被害者の所有又は管理に係る」と指摘する。

①検番・・・送致記録を見る。追送致の検番を落とさないように。
②裁判所名・・・「地方」,「支部」を落とさないように。
③主任P名・・・送致記録でちゃんと確認する。
④地名・・・同じ地名の2つ目は,「同」と書く。
⑤勾留満期日・・・勾留状でチェック。有効期限と間違えない。共犯事件のときは,先に到来するAの満期日!
⑥勾留中求令状・・・特に気をつける。認定替えが必要なほど送致事実と起訴事実が大きく違うとき。
⑦罪名及び罰条・・・検察講義案の後ろを見る。共犯は後,未遂は先。

第2 求刑表の書き方
※構成要件を逸脱する違法求刑は大減点。
※Aが複数いるときは,各Aごとに書く。
必ず刑種を書く。Ex.「懲役」〇年
※法定刑を下回る求刑は原則禁止。
※「Aだけ」の物かどうか所有関係を要検討。必要的没収・追徴には気をつける。
犯罪被害財産を没収・追徴してはならない。

第3 犯人性起案
※型どおり書かないと点にならない。
※重要な間接事実を落とすと,それだけで二回試験不合格となる。

【書式】

第1 犯人性
※客観性の高いものから掲げていく。特に,ブツをよく見ること。
※推認力の高いものを先出しすることで点数がUPする。採点は加点方式である。
※あくまで事実を挙げるのであって,法的評価を含めた表現はダメ。

1 間接事実 
(犯人側の事情)
(A側の事情)
(意味付け) 
 推認理由及び推認力を書く。
「Ex.この事実は,~ことを示すものであるので(理由),Aが犯人であることを(程度)推認させる。」
(認定根拠) 
※「意味付け→認定根拠」の順番厳守!
※捜査報告書はタイトルを付記。KS,PSは日付で特定する。
「関係各証拠によれば~」は絶対的NGワード。
※物を挙げるときは,「物の名称(平成〇年領〇〇〇号符号〇)」というように指摘する。
※「任提」,「領置」,「物」の3点セットを意識。
※証拠引用はベストエビデンスのみでは足りない。基礎づけるものはすべて挙げる。

(1)~について 
※間接事実の指摘の際,①,②・・と番号を振っておいて,ここで引用すると書きやすい。
(2)~について
※間接事実を分解して各要素ごとに書く。
A及び共犯者供述以外の証拠に限る!
※認定根拠に供述である場合には,信用性の検討が必要となる(ただし,「供述調書」,「捜査官以外の供述書」についてのみ)。
その際の視点は,
 ア 他の証拠,事実との整合性 ※メイン。一番厚く書け!
 イ 利害関係(事件,A,Vなど)
 ウ 供述態度,供述過程(経過,一貫性,変遷,記憶保持状況)
 エ 供述内容(詳細,具体,迫真,臨場感,意識状態,重要事項)
  Ex. W供述
※力んで書きすぎないこと。刑裁と違って項目立て不要。
(3)~ついて
※再間接事実から認定する場合の書き方)
ex.「次のアないしウまでの各再間接事実を総合すれば,~が認定できる。」
 ア
 イ
 ウ

2 直接証拠
※A及び共犯者供述以外の証拠
※「V供述」「W供述」等と書く。
信用性が認められた場合,その証拠「のみ」でAの犯人性を直接認定することができる証拠のことである。たとえば,目撃・識別供述や防犯ビデオの映像等である。

(目撃・識別供述の書き方)
「犯人」を目撃し,かつ,目撃した犯人を「Aであると識別」した供述のことをいう。
※一連の犯行の一部のみを目撃した場合,目撃したAの行為が公訴事実中の実行行為である場合には,直接証拠となる。公訴事実中の実行行為でない場合には,間接事実にとどまる。
※信用性を否定した直接証拠を間接事実の認定根拠とする場合には,間接事実の項で,直接証拠としなかった理由を書く。
※信用性を否定した直接証拠で,かつ,間接事実の認定根拠ともならないが重要な消極証拠(アリバイ工作加担)となる場合,A供述の項で,その者の供述の信用性を検討する。
※他の者の供述を前提とすると識別供述になる場合,間接事実として,犯人側の事情とA側の事情を分けて書く。
Ex.(事件・犯人側の事情)
  甲が犯人を目撃し,その犯人を追呼
 (A側の事情)
  乙が甲に追呼されている者をAと識別

(1)当該証拠が「犯人目撃・識別供述」であることの簡潔な理由
(2)信用性
  ア 目撃供述
   → 客観的条件,主観的条件
  イ 識別供述
   → 認定根拠・方法,時間経過,面識の有無

3 共犯者供述 
※「共犯者〇〇供述」と書く
(1)Aの犯人性に関する認否 
※認否がない場合(「分からない。」とか言ってるとき)は信用性を検討する必要なし。
(2)信用性 
※虚偽供述の動機について詳しく書く。
ア 他の証拠,事実との整合性 
イ 利害関係(事件,A,Vなど)
ウ 供述態度,供述過程(経過,一貫性,変遷,記憶保持状況)
エ 供述内容(詳細,具体,迫真,臨場感,意識状態,重要事項)
オ 引き込みの危険性
カ 身代わり等
キ 共犯者の刑事責任軽減のための工作の危険

4 A供述
※公訴事実の一部を認めているときは,犯人性についての自白ありと扱う。
※供述の変遷を必ず指摘すること。
※アリバイ供述があるときは,徹底的に潰しておく。
(1)犯人性に関する認否 
 ※認否に関わらず,最後に必ず検討する。
 ※弁解を簡潔にまとめる。
  Ex.「Aは,~とのアリバイを主張するので,その真否を検討する。」
(2)信用性
※証拠との整合性をメインに据えて書くこと。
※①どの供述の②どの部分に,③Aのどの部分の供述が一致しているか/矛盾しているかを指摘して書く。マジックワードではなく,事実を拾って書く。






第3 犯罪の成否起案
※型を守る。型を外すと全然点にならない。
※捜査を遂げて終局処分を行う時点では,Aや弁護人の主張が必ずしも明らかになっておらず,争点が固定されていないから,Aらが争っていない点を含めて,構成要件のすべての要素,その他の犯罪成立要件,訴訟条件等について事実認定と法的判断を綿密に行った上,すべての情状を総合考慮しなければならない。

【書式】

第2 犯罪の成否
※処分対象事実及び犯罪を冒頭で指摘。
Ex.~の事実につき,〇〇罪の成否を検討する。
1 〇〇罪の構成要件該当性・客観面
※共犯事件では,共通のものとして検討する。
共犯者供述,A供述も信用性が認められるなら,証拠にしてよい。
※Aが否認しているときは,その弁解内容を簡潔に示し,法的意味を指摘した上で信用性を判断する。
客観的証拠との関係を見ていく。必ず,「具体的事実」を挙げて,信用できる(共犯者供述)/信用できない(被告人供述)と書く。このとき,具体的事実の列挙する際には,(p~)(p~)というようにページで特定する。
「関係各証拠によれば」は,絶対的NGワード

(1)構成要件要素
  ①~
  ②~
(2)①〇〇
 ア 意義 
 Ex.殺人の実行行為とは,人を死に致す現実的危険性のある行為
 イ 証拠に基づく事実認定 
 Ex.甲がVの左胸部を刺身包丁で突き刺したこと(「証拠」)
  ※具体的事実!
  ※Tb該当性判断に必要・十分なもの。Tb該当性を意識しろ。
  ※ex.前記のとおり信用できる〇〇KS,〇〇PSによれば,以下の事実が認められる
    ア
    イ

 ウ 法的評価(法的評価)
 Ex.Vを死に致す現実的危険性があるといえる。したがって,殺人の実行行為に当たる。
(3) 実行の着手時期,既遂時期

2 〇〇罪の構成要件該当性・主観面
※共犯事件では,各Aごとに検討する。)
※配点はそこまで大きいものではない。
※自白の有無にかかわらず,客観的証拠との整合性をしっかり見る。
(1)犯意(実行の着手前の時点における犯罪事実の認識・認容)の発生時期・内容
(2)犯意の具体化の時期・内容
※否認事件のときは,「遅くとも・・・の時点では~」と書くこと。
(3)故意(実行の着手時点における犯罪事実の認識・認容)
※構成要件要素に対する認識・認容を書く。
  ①事実要約
  ②TB要素にあてはめつつ評価して書く
  ③「認識・認容していたのであるから」と必ず書く。
(4)未必の故意・確定的故意の別
(5)領得罪における不法領得の意思,目的犯における目的など

3 共犯性
※共犯事件では,共通のものとして検討する。「〇〇罪の」と書くこと。
※共謀の成立時期については,PSで必ず巻かれている。
 ①A同士の主従等と関係
 ②動機,共同実行すべき事情の共有,
 ③A同士の犯罪実行に関する話し合い
 ④準備,犯罪遂行,罪証隠滅等の役割分担
 ⑤犯罪実現による利益の分配,満足度
 (1)共同実行の事実
   ※すでに客観面で認定しているため,改めて論じる必要なし。
 (2)共同実行の意思(共謀)
  ア 各Aが各犯意を相互に認識したこと
  イ 各Aが相互に相手の行為を利用・補充し合う意思
 (3)正犯性
  ア 正犯意思
  イ 関与・役割の重要性
 (4)共同実行の意思に基づく犯罪行為・結果等
   ※意思に基づくものであることを書く。
 (5)小括
   共同正犯なのか,幇助なのか,教唆なのかを書くこと。

4 違法性,責任,訴訟条件等
構成要件での記述に照らして,ここが問題とならないときは,その旨を簡潔に記述すれば足りる。

5 罪数関係
※理由を付して記述すること。

6 その他の犯罪の成否
※送致された被疑者のみを対象とすればよい。
※送致罪名と異なる場合は,その判断の理由をここで論述する。
もし,送致罪名と異なる犯罪で起訴するときは,理由を挙げてたっぷりと書くこと。
(1)証拠上,犯罪が成立し得るか
(2)法律上,犯罪が成立し得るか
(3)犯罪が成立し得るとして,選択しなかった理由
   ex.実態に合わない,立証に難点がある等。
(4)その他訴訟条件の欠如等,公訴を提起しなかった理由

第3 情状関係・求刑意見
共犯事件では,Aらに共通する事情と個別の事情を分けて,それぞれの中で有利・不利を検討する
※論告を書くつもりで書くと書きやすい。
※箇条書きで記載すればよい。証拠を挙げる必要はない。
※事実と評価を書く。
※自白に関する事実を書くときは,必ず「反省している/していない」とセットで書くこと。
※当該犯罪事実固有の事情 → 一般予防 → 特別予防
※求刑の理由についても触れる。
 全治とは,完治すること。
 加療とは,通院期間のこと。全治はもっと後になる。

ア Aに不利な事情
 ※犯行態様が一番大切。犯行の動機,計画,被害の程度,Vの落ち度など。
イ Aに有利な事情
 ※何でもかんでも挙げないこと。



theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

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