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【ニューヨーク州司法試験(NY Bar)/制度概要】

第2 ニューヨーク州司法試験

1 試験制度概要

(1)取得単位要件

米国のロースクールで、指定されたカテゴリに属する授業を所定の単位まで履修する必要があります。要件はしばしば改定されるため、履修登録の際に注意が必要です。

(2)Multistate Professional Responsibility Exam (MPRE)

法曹倫理についての試験(短答式試験)です。年3回実施されます。合格基準点は州や年度によって異なりますが、おおむね7割程度の得点率が求められます。MPREに合格していることは弁護士登録の要件であり、今回中心的に説明する全米統一司法試験の受験資格ではありません。教科書と問題集は、司法試験予備校がキャンペーンの一環として簡単な講義と共に無料で提供しています。合格点が低く設定されているため、問題集を淡々とこなしていけば、1~2週間程度の試験勉強で突破できます。

具体的には、ロースクールで司法試験予備校(Barbri)の出張ブースが設けられ、教科書と問題集は無料で配布されます。私は教科書は読まずに、問題集のset 4以外の問題を一周解き、その解説を読んだ後、間違えた問題をもう一度解きました。ただし、本番は問題の傾向がかなり異なり、出題範囲も予備校の問題集では十分にカバーしきれていないと感じました。もっとも、J.D.の学生も同程度の勉強しかしていないので、読解のスピードはさておき習得した知識の差は生じません。教材の内容の不十分さにフラストレーションは溜まりますが割り切って受験されるのがよいかと思います。

試験会場への持ち込むことのできる物について厳しい制限があるので、よく確認しておくことが必要です。携帯電話も持ち込むことはできないので会場までの移動方法など念入りに確認しておきましょう。

(3)Uniform Bar Exam (UBE)

米国おけるコモン・ローの理解を問う全米統一の試験であり、毎年2回(7月と2月)実施されます。各州の司法試験制度としてUBEを採用するか否かは州に委ねられています。ニューヨーク州は2016年7月の試験からUBEを採用しているため、ニューヨーク州の司法試験としてUBEを受験する必要があります。なお、2016年2月までは下記(4)のニューヨーク州固有の試験もニューヨーク州の司法試験の一部として組み込まれていましたが、UBEの採用に伴い、ニューヨーク州固有の試験は独立の試験(下記(4))となりました。以下、便宜上、UBEを「全米統一司法試験」と呼称します。現在、全米統一司法試験は、短答式試験(Multistate Bar Exam (MBE))と論文式試験(Multistate Essay Examination (MEE)・Multistate Practice Test (MPE))から構成されています。

(4)New York Law Exam (NYLE)

ニューヨーク州法の内容を問う試験(短答式試験)であり、年4回実施されます。全50問で、試験時間は2時間です。オンラインで受験するオープンブック形式(試験時間中の資料参照自由)の試験であることが特徴です。受験要件として同州が提供する15時間程度のオンラインストリーミング講義(New York Law Course)を受験日の1カ月前までに受講していることが必要です。なお、講義の途中に何度か確認テスト(短答式)が出題され、正解しないと先に進めないようになっているため(不正解の場合は該当部分の講義が再び流される)、再生したまま放置することはできません。

試験科目は行政法、会社組合法、民事訴訟法、法の抵触に関する法律、契約法、刑法・刑事訴訟法、証拠法、家族法、法曹倫理、不動産法、不法行為法、信託法、遺言法、相続法です。各科目のテキスト(PDF形式)は事前にダウンロード可能であり、オープンブック形式で行われます。テキスト認識可能なPDFファイルがあると本番で参照する際に便利ですが、テキストの内容はしばしば更新されるため内容の相違を確認しておきましょう。 合格基準点は6割以上(30点/50点)と低めに設定されており、オープンブック形式ではありますが、全ての問題についてテキストで確認しているほどの時間はなく、かつ、単純な問題のみではないため注意が必要です。

なお、本番では問題をスキップできず、後戻りできないので注意が必要です。対策としてはオンライン講義を聞き、各科目のテキストを数回通読しておけば十分です。

(5)プロボノ要件

上記各試験に合格することとは別に、弁護士登録の要件として、合計50時間以上、一定の法的プロボノ活動(無償の社会奉仕活動)に従事することが求められます。プロボノ活動として認められる要件等は別途細かく定められています。LL.M.入学前1年間に米国外で行ったプロボノ活動も対象とすることができます。LL.M.在学中にロースクール内で済ませるか、二年目に米国のローファーム等で研修される方はプロボノ案件を回してもらうことで要件を充足することができると思います。帰国の時期に間に合わない場合には、日本国内での活動を対象とすることになりますが、当該活動が要件を満たすかについては事前に十分な検討が必要です。

2 全米統一司法試験(UBE)の内容

一般に「ニューヨーク州司法試験」又はNew York Bar Examinination(米国内では単に「バー」若しくは「バーイグザム」と言う)と言われている試験です。

注意すべきは、受験に先立って受験資格の確認手続を行う必要があることです。事前資格審査の詳細はニューヨーク州司法試験委員会のホームページにある「Foreign Legal Education」に記載されており、通常は「VII. REQUIRED DOCUMENTATION」記載の各書類を提出することが求められます。これらの書類のうち、LL.M. Certificate of Attendance FormはLL,Mプログラム修了後に米国ロースクールから送付してもらって追完することになります。LL.M.プログラム修了後の7月に受験することを予定されている場合には、事前資格審査の必要書類を前年の10月までに提出する必要があり、渡米以後に揃えようとすると手間がかかりますので、進学先が決定次第、渡米前に書類を揃えて送付しておくことが望ましいと言えます。

(1)日程・合格点

試験は2日間であり、以下のとおり実施されます。ニューヨーク州の合格点は266点/400点以上と設定されています(約65%)。なお、この点数は司法試験委員会による得点調整後の点数であり、いわゆる素点とは異なります。

(2)短答式試験(Multistate Bar Examination, MBE)

配点比率は全体の50%(200点)で、試験二日目の午前・午後に3時間ずつ行われます。各3時間/100問で、合計200問出題されます。7科目(連邦民事訴訟法、合衆国憲法、契約法、不法行為法、不動産法、刑法・刑事訴訟法、証拠法)(以下「MBE科目」といいます。)からランダムに出題され、各設問に科目の明示はありません。解答時間は1問あたり1.8分です。

(3)論文式試験①(Multistate Essay Examination, MEE)

配点比率は全体の30%(120点)で、試験一日目の午後に行われます。3時間で6問出題されます。MBE科目に7科目(代理・組合法、会社法、法の抵触に関する法律、相続法、信託法、家族法、担保法)(以下「MEE固有科目」といいます。)を加えた合計14科目からランダムに出題され、各設問に科目の明示はありません。解答時間は1問あたり30分です。

(4)論文式試験②(Multistate Performance Test, MPT)

配点比率は全体の20%(80点)で、試験一日目の午前に行われます。3時間で2問出題され、冊子が2冊配られます。冊子には、目次に引き続き、指示書、架空の事実関係・法律・判例等の資料が編綴されています。これらの書類を読み、事実関係や法律関係をメモランダムや主張書面その他問題文で指示された形式でまとめることが求められます。法律の知識を直接問うものではないので、知識という観点からは特別な対策は不要です。法曹の方々は、司法研修所の起案が英語になり、かつ、よりコンパクトになったものをイメージしていただければ近いと思います(ただし、法律の前提知識はいらない)。
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tag : #LLM #ロースクール #留学 #NY Bar #ニューヨーク州司法試験

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