FC2ブログ

【ニューヨーク州司法試験(NY Bar)/試験対策総論】

第3 試験対策総論

全米統一司法試験(UBE)合格に向けた方法論を記載します。

1 視点

漫然と勉強を開始するのではなく、はじめに試験制度の概要を確認し、手持ちの資料(分量と内容)を大まかに把握することが肝要です。限られた期間で一定の量を満遍なくこなすことが必要になること、メリハリをつけることが必要になることを身をもって実感しましょう。

制度概要」の記事に記載した通り、全米統一司法試験(UBE)は、①短答式試験(MBE)、②論文式試験(MEE)、③論文式試験(MPT)で構成されています。配点比率は、①50%、②30%、③20%です。これまで王道とされてきた勉強方針は、勉強開始(卒業式後=5月中旬~下旬)から予備校模試(6月下旬~7月上旬)まで①MBEに注力し、そこからMEEの典型論点を抑え、最後に③MPTにも多少触れるというものです。もっとも、過去の合格体験記及び前年度に留学していた友人の合格体験談に基づき検討したところ、この方法ではMEE・MPTの準備不足となり、かつ、その間にMBEの知識が抜けて安定しないと考えたため、①MBEの勉強は試験勉強期間を通じて行うこととして、②MEEの対策を前倒しして開始し、③制度変更によりMPTの配点比率が上がった(10%→20%)ことを受けてMPTに定期的に触れる機会を設けることにしました。また、試験勉強に割くことのできる時間が限定されていることから、既に整っている教材を中心に据えて勉強を開始することにしました。

2 インプット・アウトプット

(1) 司法試験予備校

米国のロースクールでは、司法試験を意識した授業は全く無いのが通常ですので、J.D.、LL.M.の学生の大多数は予備校を利用します。米国では司法試験対策としては予備校を利用することが当然の前提となっており、日本のようなロースクール vs. 予備校の対立構造はありません。Barbri、Kaplanを始めとするいくつかの大手予備校が司法試験対策講座をパッケージで販売しています。各予備校は、講義(LIVE/オンライン)+レジュメ+問題集等を提供します。これらの予備校の講座は、ロースクールの卒業式前後から始まり、試験直前まで開催されますが、一部の地域を除いてLIVE講義ではなく、録画された講義をロースクールの教室又はオンラインで視聴することになります。

私は下記2の「日本人ノート」との整合性の観点からBarbriを利用しましたが、講義はほとんど視聴しませんでした。講義を視聴しても手元の資料や問題演習の解説から得られる理解以上のものが得られるとは思えなかったため、時間の節約のために割愛しました。講義をペースメーカーとして科目の概要を把握するために活用する友人もいました。いずれにしても、受験勉強を開始した後、早い段階で方針を定めることが肝要です。

(2) 日本人ノート

古くから日本人のLL.M.留学生に伝承されている資料の総称です。具体的には、上記司法試験予備校のうちBarbriが提供している各科目のハンドアウト(又はアウトラインともいう。Barbriではハンドアウトの一部が空欄となったものがパッケージの一部として事前に配布されており、講義中にその空欄を補充させることによって授業が進行します。完成されたハンドアウトは、予備校の講義内容のうち中心となる点が簡潔にまとまった資料となります。)に、①目次を付す等して整理し、②加筆し、③問題集で問われた論点の箇所に解説を引用する等して一元化を図った資料です。

現在は複数のノート(ワードファイル)が存在し、それぞれ作成者の名を冠して「●●ノート」と呼ばれています。現在でも日本人ノートを主軸とした受験対策が主流です。 留学初期に最新のものが出回ると思いますので容易に手に入れることができると思います。

ただし、注意したいのは、2016年7月の試験から試験制度に大幅な変更が生じたことに伴う影響です。2016年7月より前の受験について、日本人ノートは短答式試験(MBE)と論文式試験(MEE)のいずれにも対応した内容でしたが、2016年7月に試験制度が変更されてからは、論文式試験用のノートの大部分は使用することができなくなりました。これは、短答式試験は従前よりコモン・ローに基づく出題がされていたため影響をほとんど受けなかったのに対して、論文式試験は、統一司法試験実施の受け入れに伴って、ニューヨーク州法に基づく出題されていたのがコモン・ローに基づく出題に変更されたためです。

他方で、前述したとおり、制度変更に伴ってニューヨーク州法に基づく短答式試験は切り離されて別の試験となり、ニューヨーク州法に基づく論文式試験は姿を消しました。対策資料の観点からは不利になったといえますが、試験範囲は狭くなり、論文式試験用科目も一部の科目を除いて分量が多くないため、英語のハンドアウトをそのまま用いても十分に対応可能です。

(3) その他の資料

Barbri、Kaplanを始めとするいくつかの司法試験受験予備校は、司法試験対策をパッケージとして販売していますが、これとは別に様々な資料を個別に提供するサービスを行う会社が存在します。最近では、これらの会社を必要に応じて利用するケースも増えてきています。有名なところでは、SmartBarPrepやAdaptiBarがあります。その有用性については論文式試験(MEE)対策の箇所で詳述します。

3 勉強時間・場所

ロースクールの期末試験及び卒業式終了後より試験日まで約2か月、1日10時間でした(午前9時~12時、午後1時~6時、8時~10時)。主にロースクールの図書館と自宅で勉強していました。ゼミや勉強会は組まずに1人で勉強していました。
関連記事

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

tag : #LLM #ロースクール #留学 #NY Bar #ニューヨーク州司法試験

comment

管理者にだけ表示を許可する

06 | 2019/07 | 08
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
プロフィール

maso

Author:maso
弁護士(日本・米国NY州)

主要な記事は「目次」(リンク済)からご覧くださいニコニコマーク

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
月別アーカイブ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

masoブロ カウンター
maso on Twitter
リンク