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公法系論述(憲法)

リクエストにお答えして、論文まとめファイルより転載します。
完全に自作ですので、内容の信頼度は未知数です。
途中、「適用審査」だとか「適用上審査」といった言葉が出てきますが、これについては、宍戸連載参照。
これよりも宍戸先生の連載を読んだ方が10000000000000000倍役立つことは間違いありません笑




第1 憲法答案の型

0〖法令違憲と適用違憲の区別〗

・法の文言等から、法の執行者に裁量が認められる場合は、法律に「基づく」制約の当否に司法審査の力点が置かれる。
・法律に基づく制約であっても、法律の適用が常に違憲となってしまうときは、法令違憲となる。
・法律に基づく制約であっても、①合憲限定解釈、②文面上違憲の主張により、違憲性が主張されることもある。

1 <原告の主張> 

(1)法令違憲の主張〖法律それ自体から違憲との主張〗 

ア 文面審査


(ア):漠然性・不明確性
→ 手続面の問題。「通常の判断能力を有する一般人の理解」を基準とする。
→ 刑罰法規があるときに特に問題となる。憲法31条違反。
※ただし違反となるのは、当該法令があまりにも不明確であって、適用されうるいかなる場合においても行動の指針を示すことができないような極めて例外的な場合。
(イ):過度の広汎性
→ 実体面の問題。社会通念に支えられているかを基準にする。
→ 表現の自由の合憲限定解釈の基準は、
a:解釈により規制対象とそうでないものが明確に区別できる。
b:一般国民の理解において、具体的場合に当該表現物が規制対象となるかどうかの基準をその規定から読み取ることができる。
これらが不可能ならば過度に広汎故に無効となる。
(ウ):白紙委任(憲法41条違反)
→ 授権する法律に、
a:委任の範囲・対象
b:基準が明確にされていることが必要。
(エ):委任の限界(憲法41条違反)
→ 当該法律を解釈 → 委任の趣旨を導出 → それに反することの主張
※条例による罰則の場合は、法律の授権が「具体的+限定されていること」が必要。
(オ):検閲(憲法21条2項違反)
a:行政権が主体、
b:思想内容等の表現物を制度の対象
c:思想内容等の表現物の全部または一部の発表の禁止を目的
d:対象とされる一定の表現につき網羅的・一般的にその内容を審査すること
e:不適当と認めるものの発表を禁止すること
(カ):条例制定権の限界(憲法94条)
法律先占論:「法律と同一の規制対象事項について、同一の目的から、条例が規制することは許されない。」
a:条例の規制対象事項が法律のそれと重複しているか。
※重複していなくても、法律で規制対象となっていないという事実が、当該事項については国民の自由に放任すべきであり条例による規制も許さないという立法者の意思を表している可能性があるので注意。
b:法律と条例との間で規制目的に重複があるか。
c:地方公共団体が地方の実情に応じて別段の規制を施すことを容認する趣旨が法律の中に読み取れるか。
d:条例の具体的規制が法律のそれと矛盾抵触しないか、または、条例の重複規制に特別の意義・効果があり、その合理性が肯定
されるか。

イ 適用審査(立法事実を踏まえた審査。法律「による」制約。) 
ex.法令○条は、憲法×条に反し、違憲である。
(=法○○条と憲法××条といったような客観法同士の関係。(適用審査)を行う)

(ア):法令、条例のどの文言が
(イ):憲法上のどの権利(一般的に見たときの権利)との関係で問題を生じているのか「具体的に理由付して」示す。
Ex.~する行為が制約されることになる。~する行為は、・・・というものであり、(人権保障の根拠と合致することの指摘)だから、~の自由に含まれ、憲法〇条により保障される人権である。
(ウ):どのように制約するのか。
a:法規の仕組み
b:制約態様=事前/事後、内容/内容中立、直接/間接・付随
※経済的自由ならとくに、
c:規制目的
(a)積極目的:経済の均衡ある発展、国民生活の安定のための経済政策一般
(b)消極目的:国民の生命及び健康に対する危険の防止
d:規制態様
(a)事後的な、内容・業態規制
(b)事前規制(ex.許可)   
→ 主観的規制(ex.資格制)or 客観的規制(ex.距離制限)
(エ):○○の自由は~(権利保障の根拠)により保障される人権である。そうだとすれば、これを(制約態様)によって制約する本件規制の合憲性は・・・
※パブリックフォーラム論もここで。
a:伝統的PF=公園・公道。
b:指定PF=政府が維持している限り、a:と同様に考える。
(オ):違憲審査基準を設定(目的・手段審査)
※立法事実を認定し、「目的と手段が正当かつ相当か。」を判断する。
※立法事実とは、「立法の基礎を形成し、かつ、その合理性を支える社会的・経済的等の一般的事実」のこと。
a:立法当時の認識を認定する
b:それが裁判の時点でも存在しているかを考える。(そもそもその立法事実があるのかという視点に立ち、客観的根拠に基づくかどうかを判断する。新法制定の問題では、原則としてaとbにはずれは生じない。根拠があるなら、目的・手段審査を行う。)
※【厳格な基準】
(a)立法目的=規制目的がcompelling interestを達成しようとするものであり、
(b)当該規制が当該立法目的を達成するために必要最小限のものにとどまっている。

(2)適用違憲の主張〖法律を具体的事実に適用する場面で違憲となるとの主張〗
ex.本件規制は、少なくとも原告に適用する限りにおいて違憲である。

ア 文面上判断(法律に着目)・・・結局法令違憲の主張にもなる。

①:漠然性・不明確性
②:過度の広汎性(第三者の違憲主張適格)

イ 適用上判断(事実に着目。法律「に基づく」審査。)
=憲法××条で保護された原告の行為といったような主観的権利に対する制約。
事実が憲法上保護されたものであることを示す作業。
※原告の、自律的生を生き、個人の尊厳を全うする権利(人権)が国家によって脅かされていることを示す。客観的な基本価値である個人の尊厳を主観的権利に引きなおしてやる。
※事実が憲法上保護されるから、その法律の要件に当たるとして原告を規制することは許されないという主張を行う。

(ア)[STEP1:生の自由から憲法上の権利へ(主観的権利への引きなおし作業)]
※とにかく丁寧に
a:原告の
b:~する自由は(生の自由を書く。憲法上の権利のどれにあたるかはかかない。)、
c:~といったものであり、(その自由の内容・大事なところを書く)であるから、・・(自分があてはめたい憲法上の権利が保障される趣旨に合致していることを論述していく)。
d:したがって、憲法○条で保障される権利(人権)である。
(イ)[STEP2:憲法上の権利の制約]
※具体的に!
e:誰に(主体)
f:どのように制約されるのか(制約態様)
※事前/事後、内容/内容中立、直接/間接・付随など。
※経済的自由なら、とくに前述した、規制目的(積極/消極)+規制態様(許可制など)を詳しく認定する。
※事前抑制がダメな理由。
(a):すべての思想はともかく公にされるべき
(b):事後規制に比べて、公権力による規制の範囲が一般的で広汎になる。
(c):手続上の保障や実際の抑止効果に乏しい。
(ウ)[STEP3:適用違憲の判断] 
※比例原則で考える。
g:そうすると、(権利の重要性をもう1回強調してから)、「違憲審査基準」によって判断すべきである。
【比例原則の原型】
(a):規制目的は正当か。
(b):当該目的達成のために規制手段が合理的な関連性を有するか(合理性)。
(c):(規制対象が重要な権利であれば、)それが本当に必要不可欠な手段か(必要性)。
【オブライエン・テスト】※表現内容中立規制など。
(a)法令に抽象的に定められた「目的」が、法の仕組みを通じてどのように具体化されるのか。
(b)そのための手段として、原告に対する命令等が合理的な関連性を有するか。必要的か。
(c)得られる利益と失われる利益の比較衡量(相当性)。
【明白かつ現在の危険の法理】
※表現内容の直接規制など。
(a):近い将来、実質的害悪を引き起こす蓋然性が明白か。
(b):重大な害悪の発生が時間的に切迫しているか。
(c):規制手段が害悪を避けるのに不可欠か。
【ブランデンバーグ原則】 
※合憲限定解釈、定義づけ衡量の発想に近い。
(a):表現内容が直接に暴力や違法な行為を扇動するものであり、
(b):その結果として、実際に暴力や違法行為が発生する危険性が高い場合にのみ、扇動の表現行為を処罰しうる。


2 <被告> 

※基本は形式的三段論法。
「法規に当てはまる。だから公共の福祉による制約として許される」という主張。

(1)法令違憲の主張に対して
ア 規制対象となる憲法上の権利の種類、
イ 規制の態様、
ウ 審査基準
をそれぞれ緩やかな方向で主張する。
【使う基準】
「明白性の原則」、「目的正当+手段と目的に合理的関連性」、「目的重要+手段と目的に実質的な合理的関連性」

(2)適用違憲の主張に対して
ア 規制対象となる憲法上の権利の種類、
イ 規制の態様、
ウ 審査基準をそれぞれ緩やかな方向で主張する。
【使う基準】
「規制の合理性・必要性」

(3)【審査基準を緩めたり原告とやり合うツール例】
ア:外国人
→ 人権主体性の有無という議論を抽象的にするよりは、人権主体性を前提にして、具体的事例において外国人であることを理由にその享受を制限することに合理性があるかどうかについて考えるべき。
(ア)社会保障政策、国の財政事情、予算、政策的判断、裁量、無拠出制年金
(イ)国民主権の原理、公権力行使の禁止(1条、15条)
(ウ)中央と地方の統治機構
(エ)入国の自由はない、出国の自由はあるが、手続を規制するのは許される。 などなど。
イ:憲法構成要素
(ア)在監
→ 逃亡・罪障隠滅のおそれ防止+監獄内の秩序・規律維持。
→ 必要かつ合理的な範囲で自由を制限できる。
(イ)公務員
→ 公務員の政治的中立性+公務の中立的運営+国民の信頼。
ウ:憲法的価値に基づく立法・行政の裁量論
→ 憲法47条など、制度構築に係る合理的裁量
エ:統治行為(高度の政治性)
→ 直接国家統治の基本に関する高度の政治性のある国家行為
オ:部分社会の法理(自律的な法規範)
→ 一般市民法秩序と直接関係を有しない内部的問題にとどまる限り、団体の自主性・自律的解決に委ねる。
カ:法律上の争訟にあたらないとの主張
キ:低価値表現

→ たとえば営利広告。
→ わいせつ・名誉棄損・差別。表現内容そのものに価値の高低が内在しているというよりは、表現内容がもたらす社会的害悪に着目している。
ク:集団示威運動
→ 暴徒化論。

3 <あなたの見解>
原告・被告間で主張していないことをメインに据えて、好きなように書く。





その他、論文ファイルよりまとめを一部転載。


【平等のパターン】
→ 過大包摂か過小包摂かというヨコの問題である。程度(タテ)の問題ではない。平等で「程度の問題を論ずる」と裁量論で負けるから、程度の問題は個別の人権の主張でカバーする。
→ 具体的権利の成立は問題とならない。
→ 平等権は他者との比較において生じる権利であり、「同じものは同じように、違うものは違うように」という理念。したがって、自己と同じ地位・状態・境遇にある者と比較して、自己の権利・利益が不利に扱われれていることを主張する必要がある。比較の相手方が自己と同じ境遇になければ、そもそも比較が成り立たない。
視点は、
①誰と誰が差別されているか(比較の対象)
②何に基づく差別か(差別の基礎。列挙事由に基くものかどうか。)
※社会的身分:人が社会において一時的にではなしに占める後天的な社会的地位で、一定の社会的評価を伴うものをいう。自らの意思や努力によっては変えることのできない性質。
③いかなる権利・利益についての差別か(権利の性格)
④目的・手段審査
Ex.非嫡出子の相続分差別(民法900条4号但書)
【原告】
①嫡出子と非嫡出子
②非嫡出子という「社会的身分」に基づく
③権利・利益の問題を超えた、地位・スティグマに関わる差別。
④疑わしい「非嫡出子」という要素を使わなければならない事情が、「法律婚の尊重という非嫡出子の保護」という立法目的にあるのか?というように、区別の合理性を中心に据えた審査を行う。
→ 1/2とか3/4とかの程度問題ではない。差を設けること自体手段としての関連性を欠く。
【被告】
制度構築についての立法府の裁量論。




【予防訴訟が問題となったら】
具体的規制を受けてから争うのが原則。予防的に国賠などで争う場合には、立法行為の違法をいわざるをえないことになる。
→ 国賠法上の違法(公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務の違反を主張する。)
①憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合。
②憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために、所要の立法措置をとることが必要不可欠であり、明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合。




【29条の考え方】
①2項の制限
「構成的」な法律に対しては、「制限的」な法律と同様の、「法律に先立つ権利を想定して、その制約を比例原則で判断する」という枠組みはなじまない。
ア:現存保障 
→ 現に有する具体的権利内容の変更 
→ 自由権制約と同様の思考。厳しく(農地法のケース)。
イ:法律の内容変更 
→ 抽象的権利の内容の変更 
→ いったん成立した権利の変更ではないから、ゆるく。
ウ:単に立法の合理性を一般的に問う 
→ 私法の根幹(契約、相続とか)から乖離していない限り審査密度を緩める。
→ 例外的に厳しく(森林法のケース)。
②3項の保障
ア:財産権の制限としては合憲であっても
イ:憲法上補償を要する場合がある。「特別の犠牲」にあたるか。形式+実質
→ 財産権に内在する社会的拘束の現れについては補償不要。
ウ:補償の程度・内容
→ 逸失利益ではなく、財産上の損失のみ。
予期しない出費を現実に余儀なくされた場合における、その積極的かつ現実的な出費による損失。




【政教分離】
【原告】
政教分離は、信教の自由をより完全に保障するための不可欠の手段であるからこそ、厳格な分離とすべき。
①目的が世俗的
②主要な効果が宗教の助長・抑圧でない
③行政的・政治的に、宗教との過度の絡まりあい(関わり合い)を促進するものでないこと
【被告】
政教分離は、信教の自由をよりよく保障するための手段にすぎないから、信教の自由が保障されている限り、政教分離は柔軟に解する。
宗教的活動(20Ⅲ)とは、
①当該行為の目的が宗教的意義をもち、
②その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為をいう。
※行為の外形的側面のみにとらわれることなく、
ア:場所、イ:一般人の宗教的評価、ウ:行為者の主観、エ:一般人への影響から判断。
【自説】
目的・効果基準で判断する。その具体的中身について(類型論)。
【20条3項】:中身は2つ。
①公権力自ら宗教的活動禁止 
→ 習俗化の有無で判断
②「宗教的活動を本来の目的としない宗教団体」+「非宗教団体の宗教活動」
への援助禁止
→ エンドースメントテストで判断
= 国の行為が特定の宗教を後押しするというメッセージを発するような目的・効果を持つとき(象徴的結合)は許されない。 
【89条】
①前:目的効果基準の後段で判断。
②後:濫費防止+中立性確保。
※20Ⅰ後段「宗教団体」+89「宗教上の組織若しくは団体」
→ 特定の宗教の信仰・礼拝又は普及等の「宗教的活動を行うことを本来の目的とする組織ないし団体」(判例)。




【団体と憲法上の権利】
①対外部:団体が享有するのは、「人権」ではなく「憲法上の権利」である。
②対内部:団体と構成員との間で団体が主張できるのは、人権や憲法上の権利ではなく、団体の規律権である。
ア:多数決原理に基づく団体活動の実効性
→ 団体の団結権保障の効果(憲法21条、28条など)として、団体はその目的を達成するために必要でありかつ合理的な範囲において構成員に対して統制権を有する。
イ:組合員個人の個人的利益
→ 個人の憲法上の権利(19条、21条、15条など)
ウ:比較考量  
あ:団体の目的 
い:団体の活動の内容・性質
う:構成員への制約の内容・程度・態様




theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

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No title

maso様

早速リクエストに応えていただきありがとうございます。

これだけ内容の濃いファイルを理解するのは、
少し時間がかかりそうですが、宍戸先生の
連載とともにしっかり読ませていただきます。

さらっと見させていただいただけでも、
そういうふうに考えるのか~という眼から鱗なところが
何カ所もありました。

ありがとうございます。

No title

tomatoさん

コメントありがとうございます。
あくまで憲法論述の際に意識しようとしていたこと、宍戸連載を読んで気付いたことのメモ、といった程度の位置づけですので、「型」といえるほどたいそうなものではありません・・・。ですから、流し読み程度でお願いします。

宍戸先生の連載は本当に素晴らしく、読めば読むほど発見があります!
最近は統治機構についても連載されているようです。

No title

maso様

宍戸先生の論文は、
本当に読めば読むほど味わいがありますね。
おもしろいし、試験に役に立ちそうだし、最高ですね。

統治機構も楽しみです。

No title

すごいです、感動しました。

No title

masoさん、はじめまして。某ロースクール既習1年目のものです。
 択一試験対策について聞きたいことがあります。私は、不遜にも短答で320点以上を狙っています。入学時から毎日択一の問題を20問程度といては復習、解いては復習という勉強をしています。しかし、これで大丈夫なのであろうか?という不安をいつも抱いています・・・。こんなんで本当に300点以上とれるのであろうかと。300点以上採るにはどのような勉強が必要とお考えでしょうか??ぜひともmasoさんのご意見をお聞かせくださいませ。

No title

>bun太郎さん

ご質問ありがとうございます。
まずは現状把握かと思います。bun太郎さんは,入学時から継続して問題演習に取り組んでおられるとのことですから,既に解いていると思いますが,各年度の新司短答過去問を時間を計って解いた上で,各科目の分野別正答率から理解度を把握して,その穴を埋めていくことが必要でしょう。特に,300点を超える点数を狙うとなると,全科目全分野にわたってまんべんなく得点する必要がありますから,徹底した自己分析(現状把握)が必須と思われます。TKCの模試が利用できるようなら,そこでも分野別正答率が分かるので活用されるとよいと思います。

短答式試験では,①【公法系科目】憲法は,判例理解と条文知識,行政法は判例知識と条文知識,②【民事系科目】民法,民事訴訟法,会社法,商法総則・商行為・手形小切手のいずれも,条文と判例の知識,③【刑事系科目】刑法総論は,刑法理論と択一プロパー分野の条文知識,刑法各論は,構成要件の解釈論と判例の知識,刑事訴訟法は,判例知識と条文知識,というように各科目とも,重点的に条文と判例の知識が問われます。ですから,穴を埋める際は条文と判例を最重視して学習されるとよいのではないでしょうか。
私が300点程度の点数を取ったのは,辰己総択1(3月),辰己総択2(4月),辰己全国模試(4月)の3回のみですが(「模試について」(http://hayamaso.blog91.fc2.com/blog-entry-17.html)の記事参照),私の勉強法は,新司法試験の過去問(民法は,加えて旧司法試験の過去問),TKCの問題,辰己の短答オープンの問題をつぶすとともに,書き込みのある判例六法を読み込むというものでした。

短答と論文の勉強時間の比率については,受験期の①2008年9月~12月は,短答:論文=9:1,②2009年2月~3月は,短答:論文=5:5,③同年4月は,択一:論文=3:7というように変えていき,4月は,判例六法と短答まとめを読むのみで,新たな知識を入れたり,問題演習をしたりすることはありませんでした。300点以上を狙う場合には,直前期のスケジュールにも問題演習を組み入れていくことが必要かと思います。

ログヨミさんのブログ(planetes)の
「具体的な択一対策」
http://roguyomi.blog33.fc2.com/blog-entry-326.html

イチローさんのブログ(司法試験の思い出)の
「択一試験の勉強法その1」(http://ameblo.jp/shihousiken-no-omoide/entry-10346987333.html
「択一試験の勉強法その2」(http://ameblo.jp/shihousiken-no-omoide/entry-10347057980.html

の各記事は,短答式試験で高得点を取るための勉強法として,大変参考になるのではないかと思います。

No title

突然の質問なのに、丁寧に回答していただきありがとうございます!!
 現状を認識すべく、12月のTKCを受けることにしました。大変有益なアドバイスありがとうございます!
 ところで、また質問させていただきたいのですが・・・回答お願い致します!
 一つ目は、判例読みについてです。判例を読むことがどの程度、問題を解くにあたって活きて来るのでしょうか??判例の事実評価の仕方を盗むことを主眼に読んでいるのですが、いざ問題を解いてみると、判例読みの成果を活かすことができないのです・・・。
 二つ目は、問題演習に関してであります。一冊の演習書(学者が書いたもの)をひたすら繰り返すのか、それとも、大量の問題を解くために、たくさんの問題集に手を出す方がよいのか・・・。私は、同じ問題を繰り返すことにあまり意義が感じられないのですが、masoさんは、どちらが効率的だとお考えでしょうか??また、問題を解くことなく、直ちに解説を読む方法については、どう思われますか??問題を解く力が付くものなのでしょうか??
 

No title

>bun太郎さん

ご質問ありがとうございます。

1つ目のご質問について,短答であれば,判例の知識が問われますし,論文であれば,基本判例の理解(判例の見解とそれを踏まえた論述,判例の射程など)が問われるため,問題を解くにあたって,事前に判例を読みこんでおくことは必須だと思います。
実務の現場や研修所では,基本的に判例実務に反する見解は相手にされませんので(事実(認定)レベルでの争いになる),実務家登用試験である新司法試験でも同様に,判例を理解し,それを前提に議論する(使いこなす)能力が求められることになります。
判例の事実評価の仕方を学ぶということでしたら,判文を読んで気づいたことを抽象化・一般化した上で,自分なりにルール化して,論述の際には,具体的にそれを落とし込んでいくといった方法を試してみるのはどうでしょうか。また,重要判例については,事案と判旨を追うだけでなく,調査官解説その他の評釈に目を通すなどして,判例実務の考え方,問題意識を理解するように努めることも必要かと思います。

2つ目のご質問について,短答式試験対策としては,多くの問題にあたることを重視していました。
論文式試験対策としては,問題演習を通じて,解答に至る思考方法,問題へのアプローチの方法を身につけることに主眼をおいていました。各科目の問題を前にしたとき,どのように考えて,どのように書いていくか(どのように思考過程を示すか)という点を鍛えるということです。
私はそのための教材として,新・旧司法試験の過去問が最適だと思ったので,それらをメインに据えて繰り返しやりました。それらをメインに据えたのは,過去問が試験委員が要求する水準を示すものであるため,過去問に対する適切なアプローチ手法は,本試験に対する適切なアプローチ方法でもあるはずだと考えたからです。実際,民法や民訴は過去問しかやりませんでしたが,十分であったと思います。
問題を解くことなく直ちに解説を読む方法は,(もちろんその方法が合っている人もいるかも知れませんので,一概には言えませんが,)論文式試験についての上記勉強法に反するので採用していませんでした。

No title

 懇切丁寧な回答をありがとうございます!!判例を使いこなす・・・絶対にできるように頑張ります(でも、本当難しくて心が折れそうです・・・)。
 masoさんに三度質問があります(何度もすいません)。採用した演習書は、旧司過去問とのことですが、他の科目、例えば、刑法や刑事訴訟法は、何を使用していたのでしょうか??できれば、全科目教えていただきたいです。
 また、その演習書に掲載されている問題をすべて起案したのでしょうか??それとも、答案構成にとどめていたのでしょうか?
(あと、週に何回程度答案練習をしたのでしょうか?)
 お忙しいと思いますが、回答をお願いいたします!!
 

No title

>bun太郎さん

ご質問ありがとうございます。
トップページ左,カテゴリの「目次」→「4 私の科目別使用教材と試験対策の視点」以下に,各科目ごとにリンクが張ってあり,リンク先でアウトプット使用教材を記載していますのでご覧ください。

旧司については答案構成が多かったです。
答案構成後に,特定の部分を書いてみるということはありました。
大体ですが,2009年2月~3月に,手形小切手を除く全科目について,事例問題中心に,憲法:2周,民法&刑法:2周+平成の問題はさらに数回,商法:1周+平成後期について2周,民訴&刑訴:2周+平成後期について2周解きました。
答案練習という形では,2008年9月末(TKC後)~12月に友人2人と自主答練(週1回程度,4時間で2問)をやっていました。そこである程度感触がつかめたため,年明けからは皆で集まって書くという形での論文答練はしていません。

No title

masoさん、丁寧な回答ありがとうございます!!
 旧司については、答案構成をやっていたとのことですが、答案構成とは、具体的にどのようになさっていたのでしょうか?答案に近い形まで構成したのか、それとも、論点はこれで、こういう順番に書いて・・・・というように、簡単に済ませていたのでしょうか?
 また、masoさんは、答案構成をするとき、一日で何問ぐらいこなしていたのでしょうか?時期によって異なるとおもうのですが・・・。
 さらに、勉強のスタイルについてお聞きしたいことがあります。私の勉強スタイルがいきなり問題にあたって、分析不足・知識不足の点を教科書にあたる、というものなのですが、なかなかすすみが悪くて、最近不安にかられています・・・・。masoさんスタイルを教えていただけないでしょうか??(教授陣が、教科書の通読をすすめてくるので最近困惑しております)
 

No title

>bun太郎さん

ご質問ありがとうございます。
答案構成は,1問あたり15分以内で,答案の枠組みを作る形でやっていました。論点はもちろんメモしますが,論点に至るまでに書く項目(条文,法律関係の指摘等),書く順番の方を意識してメモしていたように思います。なお,メモは単語程度で,文章を書くことはほとんどありませんでした。
2009年2月~3月のころは,1問あたり15分以内として,構成が終わったらすぐ次の問題に移り(15分を過ぎなくても),どんどん構成していくという形をとりました。当該科目の勉強時間として設定した枠内で,できる限りの問題数をやっていました。何問とノルマを決めていたわけではありません。

私が受験勉強を始めてから(3年次9月のTKC終了後~)採った勉強スタイルについては,「Q&Aのまとめ1-1」の「①9月から試験までどのようなスケジュールで勉強したか。 ②input段階で基本書は通読したか。 ③inputとoutputはどのような比率でやったか。」との各質問に対する回答を参考にしてみてください。

その中で,基本書通読に関する部分は以下のとおりです。

・・・・引用・・・・

Ⅳ 4月
択一:論文=3:7くらい。
択一は、判例六法の読み込み+短答ファイル(ワードで作った資料+答練解説冊子についている表を綴じたもの)まわし。総択と全国模試をうける。 論文は、全国模試を受け、全科目基本書通読(中旬)、中旬~下旬に論文まとめファイルを作った。下旬は、百選・重判全復習、論文ファイルまわし。

第二 質問②について
受験勉強を本格的に開始してから、ということであれば、頭から丁寧に通読したのは4月の1回だけです。もちろん、択一・論文の復習のために基本書の当該単元だけを通読するということは何回かやりました。これは、択一・論文問わず、インプットのために基本書を頭から読むよりは、アウトプットをする中で法律知識・理解がどのように問われるのかを知った上で、その部分について基本書に戻って確認するというやり方のほうが、メリハリがついて読みやすいし、効率がいいと考えていたからです(試験的によく出るところも、出しやすいところも分かります)。
 もっとも、それ以前のロー生活の中で、ということであれば、全科目数回通読していると思います(ラインを引いたところだけの確認も含む)。「使用教材」に挙げた基本書以外にも、参照のために多くの基本書に目を通しました。

・・・・・・・・・・

このように,私は「基本書の通読」を受験勉強の中に取り入れてはいませんでした。対試験的な観点からは,メリハリをつけずに頭から読んでいっても学習効果が薄いと思ったからです。そのため,主に問題演習を通じて,その検討の過程で基本書に戻るというスタイルを採りました。直前期の4月中旬に全科目の基本書を通読したのは,今一度法体系を意識づけるためで,特にインプットのために読んだという訳ではありません。加えて,直前期には,論点の体系的位置づけを確認するためにWセミナーの雑誌アーティクルについている論点表を利用していました(※これについては,「Q&Aのまとめ2」の「Q.記憶すべき事項(定義、趣旨、論証など)はどのようなツールで記憶したか。」等で回答しているので,参照してみてください)。
似たようなツールは他にもあると思いますので,探してみるのもよいと思います。
※問題演習をする中で基本書に戻るというスタイルを採られる場合には,「問題演習の過程で生じた疑問は,そのままにしないで,メモを取るなりして,後で時間を取ってまとめて調べて理解する習慣をつけるとよいと思います。これを習慣化すれば,目的意識を持って基本書等を読む機会を設けることができますし,逆に,これをしておかないと,次回の検討の際に,同じ疑問の解決に時間を取られることになり,非効率」(「Q&Aのまとめ1-2」の「Q1.(masoに対し)ダットサン民法は民法の実体法の理解を深めるのに役立つか。(以下略)」との質問に対する回答)になってしまうので,その点の注意が必要だと思います。

なお,ログヨミさん(planetes)の「日常的学習その1」という記事(http://roguyomi.blog33.fc2.com/blog-entry-322.html)の「2.基本書読み」の項は,基本書の利用方法に悩まれている場合には大変参考になると思いますので,一読されることをおすすめしておきます。
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