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出題趣旨を受けて―公法系科目―

【はじめに】
これから、全科目について、【問題を見たときの感想】、【解答方針】、【出題趣旨に照らして】と分けて、本試験でどう考えたかなど、問題や構成用紙を見ながら思い出せる限りで書いていきます。いまになって再現答案作成はおよそ無理ですが、大体どう考え、どのようなことを書いたか(あるいは書いていないか)は分かります。問題や構成用紙、出題趣旨を見ているうちにあの時の感覚が少し戻ってきました。
こんな記事が役に立つかどうかもわかりませんが、何かの参考になれば。

ミスしたところも包み隠さず赤裸々に書いていく予定ですのでお楽しみにアップロードファイル。なぜ、そのようなミスをするにいたったのか、どうすればよかったかなども考えてみたいと思います。




【問題をみたときの感想】
第1問(憲法)
憲法の出題形式が変わり、設問が2つあること、ページ数が少ないことに驚く。そして、問題文の冒頭に遺伝子うんぬんという記述があることから、先端的科学と学問の自由をテーマにそれに対する規制のあり方を問う問題なのかな?と思った。
第2問(行政法)
行政法は、ベーシックな出題であることが分かり、ざっと見て、原告適格の問題がメインだろうと思う。
ただ、誘導部分で指示が多く、しっかり書こうとすると相当な量を書かなければならない。憲法・行政法各2時間という枠で、しっかりと時間管理して書こうと意識した。

【解答方針】
第1問(憲法)
 憲法は、ローで生命科学・先端科学の授業(科学者や医者がオムニバス形式で講義をする)を息抜きがてら取っており、その中で科学者の先生が遺伝情報の取り扱いにまつわる問題点を話していたのを想起した。あんなに試験とは無縁の授業だと思っていたのに、まさかこんなところで役立つとは。設問1は、学問の自由(23)、設問2は、Xの学問の自由(23)、Cの自己情報コントロール権(13)援用で書くことに決め、宍戸連載の「団体と憲法上の権利」の回を想起して、個人とそれが帰属する団体との対立をメインの軸に据えることにした。それゆえ設問1の自説では、大学の自律権と学問の自由のありかたについて厚く書くことに決める。設問2の自説では、遺伝情報をコントロールすることの意味を、Cとその家族とで分け、上述の授業の中で得たわずかな知識を使って書くことに決める。規則違憲は、ソフトローであることの問題点(法律の留保)の指摘にとどめ、論述は処分違憲をメインに据えた。結論はいずれも合憲。
ちなみに、処分違憲メインだったので、目的・手段の違憲審査はしていない。使った基準は、作ったやつ。たとえば、原告の規範に至る論述は、
Xの研究は・・・・というものであり、・・・な意味をもつものであるから、学問の自由(憲法23条)の本質であるところの真理の探究を目的とするものといえる。このようにXの学問研究は、従来の考え方を批判・克服して真理の探究を目指すという学問の自由の本質に合致することに加え、最先端医療の未開分野を切り開くという極めて重要な意義が認められるものである。したがって、特に高い程度の自由が保障されなければならない。そうだとすれば、研究に付随する危険性を考慮して、かかる自由に対する規制が許されるとしても、それは規則にいう「重大な事態」であることが客観的資料によって基礎づけられ、何人によっても明らかな場合に限られると解すべきである。
といった感じ。
第2問(行政法)
 行政法は、実体上の主張までの流れは、ド典型問題だと思い、淡々と。法令違反の違法事由については、法規の趣旨を考えて、そこから演繹するように書いた。熱くなって前半書きすぎて尻すぼみにならないように注意して、とにかく最後まで論述することを意識した。




【出題趣旨に照らして】
第1問(憲法)
おおむね出題趣旨に沿った解答ができたように思う。論述は7ページ1行目までと、若干少なかったが、問題検討に時間がかかったためやむを得ない。欲張って8枚終わりまで書いていたら、行政法で時間不足になっていたことは確実。
第2問(行政法)
行政法は、問題文に非常に強い誘導があったので、愚直にそれに従って書いていれば、おのずと出題趣旨に沿う答案になるはず。というか、指示が細かい上に量が多く、それ以外に書くような余裕はないから、指示通りに処理し、事案をどれだけ素早く分析できたかが勝負だったのだろうと思う。

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

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No title

maso様

いろいろ試験に役に立つ情報を提供していただき、
本当にありがとうございます。

maso様の適用違憲の論述は大変参考になりました。
真理探究という学問の自由の本質に立ち返った論述で
大変説得力がありますね(私がいえる立場ではありませんが)。

適用違憲の規範を立てられるときに、
何か気をつけていらっしゃることはあるのでしょうか?
お忙しいのに、色々質問して申し訳ありません。

No title

tomatoさん

コメントありがとうございます!
さきほど掲載していた論述例は、規範を導く最後のまとめところで、以前掲載した憲法答案の型でいうところの、「g:そうすると、(権利の重要性をもう1回強調してから)、「違憲審査基準」によって判断すべきである。」という部分のみでした。 実際の答案ではこれより前に「Xによる遺伝子研究が憲法23条により保障されるものであること」=「従来の考え方を批判・克服して真理の探究をするものであること」の論証をしています(そうしないでいきなり学問の自由の本質と合致とかいっても論述になりません。)。
※誤解を招きかねないものでしたので、規範前の論述を付け加えました。

あくまで個人的な意見ですが、適用違憲を論じるときは、「原告がしようとしている行為(事実)が憲法上保護されるものであること」を丁寧に書く必要があります。規範を立てるときに注意していたことは、権利の重要性によって規範にうまく差をつけることです。「こんなに重要な権利なんだから、規制は極めて例外的なときしかだめなんだ」という主張がちゃんと伝わるように気をつけていたという感じでしょうか。

No title

maso様

お返事ありがとうございます。

規範を導くまでに、学問の自由の本質を論証した上で、
本件具体的事例におけるXの権利がその本質的性質を有している
のだという論証は大変参考になりました。

権利の重要性を論証するのに、権利の本質と合致しているという
主張はすごく説得力がありますね。

すごく参考になりました。

ありがとうございます。
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Author:maso
弁護士(63期)。いわゆる大手渉外法律事務所で働いています。

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