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出題趣旨を受けて―民事系科目第2問(民法・会社法)―

【問題をみたときの感想】
設問123(民法)
「X株式会社・・は、機械を製造して販売する事業を営む会社である。」という記述と、3ページの注文書を見て、請負の問題か?会社も3つ出てくるようだしやだなあと思う。さらにザッと問題文を読むと、「誤記」、「型番」がどうとか、「倒産」「訴訟を提起」などとあることから、契約過程で厄介なもめごとになった種類物に関する債権法分野の問題?と思った。その後、設問に目を通し、全然違うことに気づく。特に、設問1には面食らった。契約の成否そのものが真正面から聞かれるなんて。設問2は、一見して要件事実の問題だと分かり、即時取得が聞かれているから問題研究要件事実の知識でいけそうかな、と思う。設問3は、聞かれていることが多いので、しっかり答えようと文節を区切ってマーカーでマーク。それから、構成用紙に図を書きつつ、問題文を読んでいった。
設問456(会社法)
この民法の事例とつながるような会社法の問題ってあるの?まさか商法総則・商行為じゃないよな・・・と思いながら読んでいく。「本件基本合意」という言葉に、百選97事件(企業買収の基本合意書中の協議禁止条項の効力)が頭をよぎる。しかし、設問4が株主としての対抗手段・権利行使を聞く問題であったことから、ちょっとほっとした。次のページを見て、議決権行使書、委任書が示されているのにびっくり。設問5が、「賛否それぞれどれだけの数の議決権の行使があったと考えるべきか。」というものであることを知り、なにこれ・・と思う。設問6は、合併の効力前後における合併実現阻止の手段という極めてオーソドックスな問題であり、法教連載等で繰り返し解いた問題であることから、早くこれを解きたいと思った。




【解答方針】
設問123(民法)
配点比率に従ってページを割り振り、設問1は1ページちょっと。設問2は3.5ページ、設問3は3ページとした。設問1については、契約の成立要素、意思主義→売買契約における目的物の意義→錯誤の意義と書いて、あてはめていく。内心的効果意思と表示の食い違いがあるように見えるけど、要素の錯誤ではないということをつらつらと。型番の誤記はあったけど、注文書は発注権限のないA社の従業員が勝手に間違っただけだし、X社にしてもこれまた受注権限のない担当者が注文請書をミスっただけ。発注・受注の権限を持つ上司の決裁を受けた段階では食い違いはなく、実質的に見れば契約の要素には錯誤なし、とした。設問2(1)①は、即時取得の意義を書いて成立要件を列挙した上で、188条、186条の適用があること、要件事実としてはア契約の成立、イ基づく引渡しで足りることを指摘してからあてはめ。②は、本来の善意判断から離れていることを指摘し、実質的に評価をすればこれも善意かどうかに直接影響するというようなことを書いた。
(2)③では、過失の判断方法(規範的要件)を指摘しつつあてはめ。
しかし、④で積極大ミス。無過失であることの判断基準時の問題としてとらえられず、「約束手形での決済」に意味があると思ってしまった。そこで、手形法を引きつつ、手形金の支払いをしないやつがどれだけ危険か、手形の不渡りの意義を書いて、「過失の評価根拠事実となる」と言い切るがっくり。設問3は、正直良く分からなかったので、不当利得の条文を挙げた上で、所有権留保売買であることや即時取得の成否についてしっかり検討し、使用権限がどうなっているか丁寧に書こうと思う。
設問456(会社法)
配点比率に従ってページを割り振り、設問4は2.5ページ、設問5が1.5ページ×2、設問6は2.5ページとした。会社関係図を書いて、問題検討に入る。しかし、設問4でいきなり考え込んでしまった。契約締結、総会招集を阻止する手段がどう考えても取締役の違法行為の差止めしか思い浮かばない。2.5ページ書こうとする問題で、手段1つだけしか書かないというのは怖い。さんざん考えるが思い浮かばず、「回復することのできない損害」の丁寧なあてはめを聞く問題!と開き直って書く。監査役会設置会社であることから、360条の適用要件が「回復することのできない損害」に変わることとその理由を指摘した上で、要件列挙しあてはめ。善管注意義務違反を書くところで、「基本合意」「独禁法」「合併比率の不公正」がポイントだと気づき厚く論述。
設問5は、悩みまくる。そもそもプロキシーファイトの問題はほとんど検討したことがなく、検討の方針がなかなか立てられない。とりあえず311条を引き、議決権行使書面はそのまま計算、委任状については株主総会の意義→白紙委任有効と解すると表明されるのが株主の意思とならずダメというようなことを書く。②については、二重の権利行使だからどっちも無効と考えるべきとして、累積投票の条文を無駄に引きあいに出す。これでいいか、と思い書いたが途中で計算ミスに気付くアップロードファイル。その後うまく計算が合わず、本来抜かすべき委任状の賛否不明表を算入してしまうがーん 最悪ねこ
設問6は、設問5で手間取ったため時間的にかなりきつかったので、ほとんど構成せず一気に書いた。いままでの設問と接続した問題であることを意識し、特別決議の成否、合併比率の不公正、議長の無視、独禁法違反等々。




【出題趣旨に照らして】
設問123(民法)
設問1は、もっときれいに書きたかった。法律論とあてはめの峻別難しく、ちょっとごちゃごちゃしてしまったように思う。1ページとしたのに、結局1.5ページ書いてしまった。なお、種類物売買の特殊性には全く意識がいかなかった。設問2は、種類物売買の特定に関わるというようなことには意識が行かなかったし、即時取得の一般的要件について書きすぎた。(2)④は、0点。設問3で、悪意占有者の果実返還義務は全く思い浮かばず・・・。
設問2(2)④のミスは、かなりマズイ発想によるミス。基本から考えていけば確実に取れる問題であったのに、勝手な思い込みによってあさっての解答をしてしまった。論述は常に、基本・原理原則から発想しなければならないのに。大反省します。
設問456(会社法)
設問4と設問6が割りと書きやすい問題で助かったという印象。
しかし、設問4の「回復することのできない損害」のあてはめでは、なぜ回復することができないのかの理由について突き詰められなかった。こんな不利益が生じる→だから今止めないとだめなんだということを書いたが、具体性がやや乏しくはっきりいって説得力に欠けた解答だったと思う。
設問5は、正直問題意識をどこに持てばいいのか最後までよくわからなかった。民法の無権代理とかその辺の議論を応用できれば、もっときれいに書けるのだろうけど、あの時の私には無理でした。出題趣旨にあるように、「両制度の趣旨・意義、法的構造の違い等についての基本認識を問われている」のであり、両制度がどういうものであるかをしっかりと示し、そこから演繹するという、黄金の解答パターンで解けたはずなのに、いきなり具体的な計算に入るという愚行をおかしました。さらに計算ミス。「分からない問題ほど基本から考える」ことを徹底しきれず、悔やまれる。設問6は、仮処分命令を指摘できなかった。さらに、設問5でミスったため、特決関係の記述は点がないのではないか。

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

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弁護士(63期)。いわゆる大手渉外法律事務所で働いています。

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