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Q&Aのまとめ1-1

みなさんからいただいた質問に、メールやコメント欄でお答えしていますが、
他の方々がそれぞれを参照するのは大変だと思いますので、まとめておきます♪
こちらでは、主にコメント欄に頂いたご質問について転記します。
元の記事を参照したい場合は、「〇〇」の記事についてというところから飛んでください。新しく質問を頂いた際には、ここに適宜追加していきたいと思います。




論述の大枠」の記事について

Q.
①「実際の論述で条文の要件をひとまず列挙してから書いていたかどうか」
②「要件を挙げるところに点があるか」


①についてはどちらの場合もありましたが、民法、刑法などの実体法では、要件を列挙してから(必ずしも条文をそのまま引きうつすのではなく、要約することもあり。)書いていく方が多かったように思います。要件を列挙してから書く方が、書きもらしが少なく答案がブレないし、読み手側からしてもこれから書く内容が明確で読みやすいと考えていたからです。
※もっとも、すべての要件を正確に列挙しようとすると、どこまで挙げてよいかでとまどってしまうことにもなりかねないので、なかなか難しい問題です。

②については、要件列挙にそのまま点があるかといわれればおそらくないでしょう。それは、受験生が法律の要件そのものを知っているかということよりも、「事案解決に最も適当な条文を見つけて、当該事案の事実を当該法律要件に適切に当てはめられるか」というところにメイン配点があると考えられるからです。 もっとも、判例上認められている明文なき要件をちゃんと導出できるかといった点にはもちろん配点があると思います。


Q1.「法律論とあてはめのバランス」や「それぞれの論点にかける論述のバランス(メリハリ)」、そのコツ

Q2.「そしてどの科目でも、論証が必要となるときは、「法規の趣旨」「関係する原理・原則」「保護法益」「制度の仕組み」などの根本部分から演繹するように意識することが大切だと思います。それらの根本部分さえしっかりと押さえておけば、個々の論点の論証は、分野ごとにほとんど変わらないものになるはずです。覚えるものも少なくて済むし、知らない論点でもかわせたり、とにかく応用がききます」の部分について。

Q3.論文試験で、みんなが書く項目の見極め方


第一 Q1.について
1 法律論とあてはめのバランス
よく新司法試験では当てはめ重視、法律論はサラッと流してあてはめを厚くせよというようなことが言われます。これはあくまで新司法試験ではあてはめの事情が多くなっているから、後述2との関係で必然的にそうなるというだけの話で、法律論を意識的に少なくせよという意味ではないと思います。ですから、法律論も大切なのでこの点は誤解なさらないでください。バランス感覚を学ぶには、やはり再現答案を分析することが一番近道だと考えます。このとき参照する資料として、学者の書いたやつはダメです。必ず、受験生が時間内に解答し、評価が付されているものを参照し、かついろいろな種類の答案(超上位、上位、普通、ギリギリ合格、ギリギリ落ち、ぶっちぎり落ち)を検討してみてください。そこでイメージを持ったら、あとは練習です。実際に自分で書いてみることはもちろん(このときは無理に時間を計らなくてもよいです。納得のいくまで追求してみる。)、信頼できる友人や元旧司法試験の採点委員経験者の先生などに見せてみて感想を聞きます。そういった過程で、自分の答案を自分がイメージする良き答案の形にすり合わせていくことが必要です。最後は他人に採点され、弁明の機会も一切与えられないわけですから、他人視点でバランスがよいかどうかを判断してもらい、それを答案に生かすという作業は必須だと思います。
2 それぞれの論点にかける論述のバランス・メリハリ
これについては、他の記事で述べた、配点比率に従って枚数を割り振った上で考えていくという方法が効果的です。その上で、どこがメイン論点となるかを見分けるには、あてはめに使えそうな具体的な事情がたくさん書いてあるかどうかという視点が役立ちます(たとえば、去年の刑事系第一問では、乙が共謀共同正犯となるかをメイン論点として検討すべき問題が出ました。問題文を見ると、甲と乙が犯行に至るまでの経緯がこと細かに記載されています。)一応書くべき論点がいくつか思い浮かぶがそれぞれをどう配分してよいか迷う、というレベルでの悩みであれば、高評価を得た再現答案を参照して、自分の考えていた論述のバランスと近いかどうかを検討していくことが効果的です。もし違うのならば、どうして違うのか、なんで自分はそこがメインだと思ってしまったのかを考えてみる。あるいは、同じ問題を書いた友人にどうしてそのバランスで書いたのかを聞いてみる。そのような思考錯誤を経て、感覚を身につけようとやってみることが結局一番の近道だと私は思います。

第二 Q2.について
私は論点の学習では、いかに覚える部分を少なくするかという視点が大事だと思ってやっていました。たとえば、刑法の中止犯にかかわるいくつかの論点を想定します。
刑法43条但書の解釈が問題となりますよね。このとき、①中止犯の減免根拠と②(故意) 責任の意義の知識だけを使って論証します。仮に、前者について責任減少説、後者について規範的責任論を取るとします。たとえば、着手中止の場合に「犯罪を中止した」といえ るかどうかを考えるとき、【真摯な努力まで必要か】という論点があります。これを、「責任減少説→規範的責任論→したがって、規範意識の覚醒が必要だから、積極的かつ真摯な努力必要」と処理します。
次に【中止行為と結果の不発生に因果関係が必要か】という論点があります。これも「責任減少説→本人の規範意識の覚醒があれば足りる=積極的な中止行為があれば足りるから、因果関係は不要」と処理します。さらに【任意性の判断基準】の論点についても「責任の意義→責任減少説→行為者の主観面から考えるべき→主観説」というように処理できます。
 同様に、例えば共犯関係の論点は、共犯の処罰根拠(因果的共犯論など)からほとんどすべて処理することができます。
 民訴なら、一部請求、債務不存在確認の上限を示さなくてもよいか、引換給付判決、申立事項の範囲、などの諸論点もそれらに共通する処分権主義の意義と趣旨(原告の合理的意思+被告の不意打ちを防ぐ)からすべて処理することができますし、刑訴の訴因に関わる論点(特定、変更の要否・可否)なら、訴因の意義・機能・趣旨からすべて処理できます。
 民法でいえば、債権者代位権の制度趣旨(簡単にいえば、債務者が責任財産の維持を図らない場合に、債権者が強制執行準備のために債権者に属する権利を行使することを認めることによって、債務者の責任財産の保全を図ることを認めたこと)から、無資力要件が必要、債務者が権利行使していないことが必要、債権者は代理人としてではなく自己の名で債務者の権利を行使できる、代位行使の範囲は被保全債権の保全に必要な範囲に限られる、などの結論を一気に導くことができます。
 このような論点解釈だけではなく、実際の論述にしても、①たとえば民法の危険負担を論じる際は、「双務契約の存続上の牽連性の原則」を示した上で書く、とか、②抵当権侵害について論じる際は、「抵当権とは使用収益権は設定者に留保し、目的物の交換価値を支配する権利であること」を示した上で、判例の侵害要件につなぐとか、③即時取得についての問題であれば、「動産の占有に公信力を認め、一定の要件を満たした動産の取得者に、当該動産にかかる権利の原始取得を認めることによって、流動性の高い動産取引の安全を図る。」という趣旨から考え、「占有改定ならどうか」という論点については占有改定とはどういうものかを書いてから、そのような占有の態様で取得した者にも上記趣旨が妥当するか=原始取得を認めるまでの利益を与えてよいかという検討をすることができます。
 去年の新司法試験を例に挙げれば、解除とはそもそもどういう制度と理解するのかを書いて、その理解からすれば、解除の効果はこうなる、とか、第三者は解除原因について悪意であってもそれだけで保護の対象から外すべきでないとかを導くことができます。
 長くなりましたが、論証する際は、その論点はどの制度に関する問題なのだろうと突き詰めることによって、当該制度の趣旨等に立ち帰り、考えていけばよいと思います。比喩的にいえば、ピラミッドの下の面に個々の論点があるとしたら、ピラミッドの頂点(趣旨・制度)とどのような関係にある論点なのかということを考えていくということです。このように考えていけば、既存の論点についても覚える部分が少なくて済みますし(根本さえいつでも書けるようにしておけば、そこから芋づる式に思い出せる)、知らない論点でもその問題がどの制度・分野の問題であるかを特定できれば、ウソを書くことなく守れます。
 以上のように、まとめて理解できるところをどんどんまとめて理解していけば(どうやったら根本概念から演繹できるかを考えるのが論点の勉強といってもいいかもしれません)、論証を全部知らないと書けない論点が発生することはめったにないのではないかと思います。

第三 Q3.について
当然のことですが、試験会場で、みんな書くか(書いているか)どうかなんて確かめようがないわけですから、みんなが書く項目は初めからは存在しません。自分が答案構成を考え、どの論点をどれくらいの枚数で書いていくかを決めた後に「考える」ものです。みんなが書くかどうかを見極めるには、少なくとも基本的な論点・項目に関して、自分が思いつかないようなことはほとんど他の受験生も気付けない、自分に分からないところはほとんどみんな分からないはずだと思えるかどうかがとても大切です(これは試験までにどれだけ納得のいく勉強をできたか、に関わると思います)。
そのような感覚を持つことができてはじめて、自分が構成段階で考えた項目の中にみんなが考える項目があるのだという自信を持つことができます。ですから、自習、友人との勉強、予備校答錬などそれまでの学習で、大筋を外さない構成をする練習をしっかりしてきたかどうかがものをいいます。練習段階ではいくら大外ししても、なぜ失敗したのかを追求し、修正していけばよいだけですし、その中でこの問題ならここはみんな書いてくるという感覚を身につけることが大切です。もともとその感覚に優れている人でも中々一朝一夕に身につくものではないと思いますので、練習は大切です。
このような練習を積んでいれば、みんなが考える項目=あなたが気付き書こうとしている基本的部分・基本論点ですから、そこを厚く書けばよいことになります。このとき注意すべきはあなたの気付いた発展的部分・応用論点については、いかにたくさん書けそうで書きたくても、上記のみんなが考える項目との論述バランスを崩すほど書いてはいけないということです。応用部分は書いてはいけないのではなく、そこを書けば必然的に基本部分が薄くなり、応用部分で差をつけようとしたつもりが逆に基本部部分で差をつけられてしまうことになってしまいます。
どこが基本でどこが応用なのかの判断力を上げるのは、つまるところそれまでの学習でしかありません。




あらためて」の記事について

Q.記憶すべき事項(定義、趣旨、論証など)はどのようなツールで記憶したか。

インプットする知識の内容としては、「条文・判例百選・重判・誰もが使っているような基本書に載っているようなこと」で十分かと思います。それらが骨だとすれば、それ以外の教材によって得られる知識はあくまで肉にすぎません。骨の部分をおろそかにして、どんどん肉をつけるような勉強(しかもこれが楽しいから困るんですが(笑))はよくないんじゃないかと思うわけです。
もっとも、「」内の知識を使いこなすためには、他の教材で得た知識がヒントとなったり、発展学習の中で理解が深まったりする過程が必要となることもありますから、バランスは非常に難しいと思います。それでも、その教材等での勉強は何のためにやっているのかを常に意識することは必要なのではないかと思います。
誤解のないようにいわせてもらうと、知っていることも非常に大切です。知っていればできますから。
けれど、それ以上に、直接は知らないこと・考えたことのないこと(問題)にどう対処するかという視点が重要なんです。その視点で見るとき、知識を追い求めるのは良くないよという趣旨です。

私自身、どうやったら試験に「必然」で合格できるかという観点から何度も対策を練り、修正して・・ということをやりました。悩みながらもとりあえずやってみて、うまくいかなかったりその中で適宜修正していく過程で分かることもあると思います。

論証について、記憶すべき事項を試験直前の4月中旬~下旬にワードでまとめていきました(論述の枠やおおまかな視点についてはそれまでに意識していたことを3月ころにまとめはじめ、適宜修正していきました)。
これまでの学習ですでに頭の中に入っていることは覚える必要がないわけですから、最終段階でどうしてもこれだけは忘れてはいけないということ、キーワード・キーフレーズ、長くてなかなか覚えられない基準、問題解決の視点として押さえておこうと思ったこと、問題集を解いて気付いたこと等を最後にもう一度詰め込む趣旨でやりました。ですから、その資料は網羅性はないものです。
なお、典型論点についてどこまで理解しているかというチェックは論点表(Wセミナーの雑誌アーティクルについているやつ)で行いました。
定義や論点名を見て、内容を想起できるか、文章化できるかという観点からのチェックです。この論点表は論証は全く載っていませんが、当該法体系の中に論点が位置づけられているので最終チェックには非常に使いやすかったです。

いわゆる論証パターン等は使っていません。
それ自体がいいとか悪いとかそういう問題ではなくて、私には上の方法が合っていたというだけです。 
定義・趣旨等は基本書で確認しました。あらかじめマーカーで該当個所にマークしておいて、そこだけを確認していくというものです。
元々まとまっているような資料を使うのもいいのかもしれませんが、私は参照対象が分散するのがいやだったので、基本書で確認しました。




予備校の利用とか」の記事について

Q.
①9月から試験までどのようなスケジュールで勉強したか。
②input段階で基本書は通読したか。
③inputとoutputはどのような比率でやったか。


第一 質問①について
 授業以外にメインでやったことにしぼって書きます。当時のスケジュール表を見つつ思い出しながら書いているので、抜けているところがあるかもしれません。勉強は週6で、時間については授業のない日は約9時間/日です(詳しくは別記事を参照してください)。
Ⅰ 2008年9月~12月
9月のTKC模試を受けて現実を知り、現状分析。択一を安定させてから論文へ移ることにして(当時は択一:論文=1:4だったため)、12月までは択一:論文=9:1くらいにしようと決め、①百選(手形・商法総則商行為法を除く試験科目のすべてについて全判例。アペンディックス含む。)・重判(民法のみH13~19、他はH16~19)つぶし+②旧司短答過去問(民法のみ)S36~H20を1周+③新司短答過去問(プレ・サンプル含む)を2周。合わせて、④辰己択一答練を受講(復習メインで)。①~③がすべて終了したのが12月6日。そこからTKC模試までは、それらの復習。
論文演習は、友人2人との自主答練(週1回、4時間で2問解く)を無予習でやって検討するのみ。他には、mixiで議論したり、法律雑誌に目を通す程度。
Ⅱ 2009年1月
択一答練の復習(1月17日までに、TKC2回分+択一答練ミス問を2回まわす)。
論文は上記ゼミを脱退したため、自習+mixiでの議論のみ。
下旬は期末テスト。
Ⅲ 2009年2月~3月
択一の配点比率変更を受けて、期末テスト明け(2月頭)から徐々に論文対策の比重を高める。知財論文ゼミ開始(2週間に1回くらい)。択一:論文=5:5くらい。
択一は、短答答練ミス問ファイルを3月のTKCまでに1まわし+判例六法で条文・判例の読み込み+辰己答練。3月半ばにもう一度新司短答過去問のミス問を一周。
論文は、自分で時間を計って新司過去問を書いたり答案構成したり+旧司の答案構成をしたり(構成時間は1問あたり15分以内。手形小切手を除く全科目全問。大体でいうと、事例問題中心に憲法は2周。民法・刑法も2周+平成の問題はさらに数回、商法は1周+平成後期について2周、民訴・刑訴は2周+平成後期について2周)して、新司・旧司再現答案、出題趣旨、新司ヒアリングの読み込みを繰り返し、友人に意見を聞いたり議論したり。あとは法教・法セミの連載や事例研究憲法・行政法、刑事の調査官解説、解析民訴その他の教材を読んだり解いたりつぶしたりして、百選も復習した。下旬に公法系の解答パターンのひな型を作り、その後適宜修正した。
Ⅳ 4月
択一:論文=3:7くらい。
択一は、判例六法の読み込み+短答ファイル(ワードで作った資料+答練解説冊子についている表を綴じたもの)まわし。総択と全国模試をうける。
論文は、全国模試を受け、全科目基本書通読(中旬)、中旬~下旬に論文まとめファイルを作った。下旬は、百選・重判全復習、論文ファイルまわし。
Ⅴ 5月~本番
5月1日~12日の期間で全科目2、3回ざっと確認できるようにスケジュールを組んで、判例六法読み+短答・論文まとめファイルまわし。

第二 質問②について
受験勉強を本格的に開始してから、ということであれば、頭から丁寧に通読したのは4月の1回だけです。もちろん、択一・論文の復習のために基本書の当該単元だけを通読するということは何回かやりました。これは、択一・論文問わず、インプットのために基本書を頭から読むよりは、アウトプットをする中で法律知識・理解がどのように問われるのかを知った上で、その部分について基本書に戻って確認するというやり方のほうが、メリハリがついて読みやすいし、効率がいいと考えていたからです(試験的によく出るところも、出しやすいところも分かります)。
 もっとも、それ以前のロー生活の中で、ということであれば、全科目数回通読していると思います(ラインを引いたところだけの確認も含む)。「使用教材」に挙げた基本書以外にも、参照のために多くの基本書に目を通しました。

第三 質問③について
 普段の勉強の中で、特別にインプットのための暗記の時間などを設けたりはしませんでした。択一にせよ論文にせよ、アウトプットをする中で、あやふやな部分は意識して基本書に戻って理解できるまで読み込んだり、友人・先生に聞いたり、手書きで何回か書いたり、という感じで同時にインプットしていったという感じです。ですから、比率ということでいえば1:1ということになるのかなと思います。
 (なお、上の方法で行くと、どうしても知識にムラや穴ができてしまうと思ったので、Wセミナーのアーティクルについている論点表で基本論点・基本知識をちゃんと理解できているか網羅的に確認していました。)

Q.3ヶ月弱をほぼ択一対策に振ってしまうと 結構、論文用の知識 (択一には不要だが、かけなければならない定義、論証など) が削れるように思ったが、その点の不都合について

まずは、評価が客観的で単純な努力により確実に点を取れる択一に時間を割くのが得策だと考え、12月のTKCまでになんとか択一を安全圏に持っていって、あとはそれをキープしつつちょっとづつ底上げしていくという作戦でした。とはいえ、ここまで思い切ったのは、択一の点の影響力が今よりも強かったことが大きいです。
※12月のTKCでも択一が微妙ということになると、次に全体との位置を確認できるのが3月のTKCとなってしまうため、精神衛生上よくないと思ったということもあります。

たしかに短答は、いわば浅く広く質より量で、考えても無駄な知識問題も出ますし、論文には出ないプロパーの部分もありますが、論文と被る範囲については、問題演習の復習段階で結論だけの勉強にならないように、意識的に基本書等に戻って丁寧に(=論文用にも)確認していました。また、時間はかかっても百選・重判は論文用にも使えるようにとつぶしていったので、それもある程度対策になっていたと思います。
9月~12月の自主答練で3系統の論文を書いてみた感触から、これなら期末明けからでも平気そうだと楽観的に(?)考えていたところもありました。

択一をやっていく中で7法の知識の精度が上がってくると、論文対策としては重要個所の理解を深める他は、主にどう書いていくかの面に集中すればよかったので、その意味では楽に感じました(時間的な余裕は感じませんでしたが・・・)。




論文」の記事について

質問1:判例で押えるべきポイント

質問2:記事中の「5 判例の見解にのる場合は、理由付けが薄くならないように注意せよ」について

質問3:記事中の「15 あてはめは、プラス事情とマイナス事情を分けて、拾いまくる。評価して、結論。」について



第一 質問1について
 判例の論理の流れを追ってみていくということが大事だと思います。短答では判旨の知識(+たまに理解や射程も聞かれますが)しか聞かれないことがほとんどということもあり、また1つあたりを読むのに時間もかかるため面倒ですが、少なくとも重要な判例については丁寧に読んだ方がいいと考えます。はじめは時間はかかっても、論文対策にもなりますし、全体でみればお得だと思います。
 なお、百選は判文がぶつ切りにピックアップされて、読みにくい上に不足があるので、漫然と読まないよう注意が必要です。(たとえば、憲法6事件について、「この理は、特別永住者についても異なるところはない。」という試験的によく出る部分に関する大切な一文が抜けていたり、当該事件は外国人の公務就任権の有無について直接の判示をした判例ではないのに、タイトルは「外国人の公務就任権」となっていたりします。)

第二 質問2について
判例の法解釈には、ほとんど論証せずに、「(条文の文言とか)~については、・・・と解するのが相当である。」というような言い切り型のものが結構あると思います。裁判官には法解釈について権限があると考えられるのでそれでもいいのですが、受験生が理由もなしに「~については・・(判例の規範)と解する。」というわけにはいきません。なんでそう解するのか?というつっこみに一応耐えられる理由づけをする必要があります。
そこで、判例がどういう理由でその見解を取っているのかを理解し、答案にそこを書く必要があります(百選の解説、調査官解説、基本書での説明などが参考になります)。
逆に、理由が書いてある場合、条文・制度趣旨、制度の仕組みからの論証をするものがほとんどであると気づくと思います(※たとえば、一つの参考として、「最判昭和49年3月7日民集28・2・174」(債権譲渡の対抗要件の構造)をご覧になってみてください。)。
そういった論証を参考にして、理由づけのない判例についても、もし論文で問われたらどう書く?どうやったら根本部分からの理由づけができるだろう?と考えつつ読んでいくことが大切だと思います。

第三 質問3につい
 答案では、①問題文の事実関係から法律上の問題点を発見・指摘し(問題の所在の指摘)、②条文等を解釈して要件該当・非該当を判断する基準を立て(規範定立)、③当該事案の事実関係は自分の立てた基準によるとどう判断されるか(あてはめ)、ということを書きますよね(このあたりについては、新司ヒアリングの【答案の作成は,「問題文をよく読み時系列で整理する。」,「すぐに書き出すことなく,答案の構成を考える(結論,理由付け,論述に費やす分量・全体のバランスを考える。)。」,「法的根拠(条文及びその解釈)を示し,問題文から読み取れる事実関係を分析し,当てはめ・評価しながら論述する。」,「その際,自己の見解を明確にする。」,「設問に対する結論を明確に示す。」という要領・手順で行われるものと期待していた。】という部分が参考になります。)。
このうち、記事15は、上記③及びヒアリングの「問題文から読み取れる事実関係を分析し,当てはめ・評価しながら論述する」という部分についてのものです。
つまり、あてはめとは、「当該事案の事実関係が、自分が解釈して導いた規範にあたる/あたらない」ということの「論証」を行う場面です(論証はなにも法解釈のところだけでするものではありません。)。あてはめがうまくできない=規範に当てはまることの論証ができていない、ということは、翻って規範自体の理解が甘い(どういうルールなのか分かっていないのに、とりあえず表面だけ判例の言葉を使って基準を立てていると思われてしまう。)ということを意味しますから、規範を立てられたからといって安心せずに、答案はまだ半分も完成していないという心意気でその先を書いていく必要があります。
たとえば、刑訴で、最判H15.2.14を例にとって考えます。
自説で、「事前の逮捕手続に令状主義の精神を没却するような重大な違法がある場合、かかる違法逮捕と密接に関連する証拠を許容することは、令状主義の趣旨に反し、また将来における違法捜査抑制の見地からして相当でないから、その証拠能力は否定されるものと解する。」という規範を立てたとします。
あてはめから結論は、たとえば、
「これを本件についてみると、たしかに、逮捕状不呈示や緊急執行をしないという手続的な違法は認められるものの、これは逮捕の内容に関する違法ではないから、それのみをもってただちに令状主義の精神を没却するような重大な違法があったとはいえない。また、それ以外の隠ぺい等の行為は、逮捕の時点で行われたのものではなく、逮捕手続の違法性判断には影響しないようにも思える。
しかしながら、逮捕状へ虚偽事項を記入し、内容虚偽の捜査報告書を作成し、さらには公判廷において事実と反する供述をしたという事実は、警察官らが逮捕の違法性を認識・認容しつつあえて事後の隠ぺい行為をしたことを示すものであり、警察官らには逮捕の時点で令状主義を軽視しこれを潜脱する意図があったと評価できるから、逮捕手続の違法性に影響する事情として考えるべきである。
そうすると、本件逮捕は、単に手続的な違法が認められるにとどまらず、令状主義を潜脱する意図をもって行われたものといえるから、その違法の程度は令状主義の精神を没却するほどに重大である。
したがって、本件逮捕には、令状主義の精神を没却するような重大な違法があるといえる。次に、本件各証拠について違法逮捕との関連性の程度を判断する。・・」
というように私なら論述していきます。
上記の例がうまくいっているかどうかは分かりませんが、単純に定式化すると、
①たしかに、(規範非該当の方向に働く事情=マイナス事情)が認められ、
②これらの事情は~のように評価できるから、
③規範には該当しないのではないか(と思える)。
③しかし、(規範該当の方向に働く事情=プラス事情)が認められ、
④これらの事情は~のように評価でき、
⑤規範に該当すると考えるべきなのだ
というような感じです。
やってはいけないのは、「・・・(事実1)、・・・(事実2)、・・・(事実3)が認められる。以上の事実からすれば、(規範)に該当する。したがって・・」というような論述です。
これでは論証部分がまったくなく、なんで規範に該当するといえるのか?という突っ込みに耐えられません(この点については質問2でお答えしたのと同じことです。)。判例の中にも上のスタイルのものが数多くあるため、それでいいのだと思っている人が多くいるように思います。しかし、受験生は裁判官ではありませんから、自分の思考過程(この事実を自分はこう評価するから規範にあてはまると考えるんだ、という部分)を丁 寧に答案に示す必要があるのです。指摘した事実の法的意味を評価するということは、事実が規範にあてはまることの論証をするということですので、規範定立と同等の重要性を持っていると考えておくといいと思います。
もっとも、何でもかんでも、プラスとマイナスを分けて、たしかに~、しかし~、と書くべきだというわけではありません。ただ、事情を丁寧に拾って、評価して書いていこうと意識して論述すると、必然的にあてはめが長めになりますから、新司対策的に見たとき答案のバランスが良くなると思います。




画像について」の記事について

Q1.調査官解説を読んだ科目
試験対策のローテーションの中に入れていたのは、刑法と刑事訴訟法のみです。
理由は、刑事系科目は特に判例の考え方を理解することと判例の射程を知ることが重要だと考えていたからです。他科目については、ローの授業の中で取り上げられた判例の限度で読んでいました(たとえば、憲法、行政法、会社法(主に判タの担当調査官のまとめ部分)、特許法など)。
そのほか、気が向いたときに法曹時報や判タを読むことはありました。
調査官解説は、当該事案自体の分析も大変勉強になりますが、それと同時に、当該事案の前提問題や既存の議論が半端なく精緻に整理されている点が素晴らしいです。
法律上の論点等の議論で、いまいちよくわからない、もやもやするという場合には、当該分野に関する調査官解説を読むと疑問が氷解することが多かったです。

Q2.どの判例について読んだのか
刑法、刑事訴訟法についてのみ読むといっても、調査官解説のある判例すべてということになると莫大な量になるので、①近年の最高裁判例のうち読んでおきたいと思ったもの、②自分の中でいまいち理解が足りていないと判断したものに絞りました。
また、読んで十分理解できたと思うものについては、どんどんローテーションから外していきました(後掲の判例は最初にローテに組み込んだ量よりだいぶ少ないです)。

その上で、あくまで参考ですが、最終的に刑法百選Ⅰ・Ⅱ、刑事訴訟法百選に挟まっていたものをみると、以下の通りです。

第一 刑法
1 刑法総論関係

(1)最判H16.1.20
自殺させて保険金を取得する目的で被害者に命令して岸壁上から自動車ごと海中に転落させた行為が殺人未遂罪に当たるとされた事例
(2)最判H16.3.22
①被害者を失神させた上自動車ごと海中に転落させてでき死させようとした場合につき被害者を失神させる行為を開始した時点で殺人罪の実行の着手があるとされた事例
②いわゆる早過ぎた結果の発生と殺人既遂の成否
(3)最判H17.7.4
重篤な患者の親族から患者に対する「シャクティ治療」(判文参照)を依頼された者が入院中の患者を病院から運び出させた上必要な医療措置を受けさせないまま放置して死亡させた場合につき未必的殺意に基づく不作為による殺人罪が成立するとされた事例
(4)最判H4.6.5
①共同正犯が成立する場合における過剰防衛の成否の判断方法
②殺人の共同正犯者中の1人に過剰防衛が成立する場合に他の一人について過剰防衛が成立しないとされた事例
(5)最判H15.7.16
暴行とその被害者が現場からの逃走中に遭遇した交通事故による死亡との間に因果関係があるとされた事例
(6)最判H15.5.1
暴力団組長である被告人が自己のボディーガードらのけん銃の所持につき直接指示を下さなくても共謀共同正犯の罪責を負うとされた事例
2 刑法各論関係
(1)最判H15.3.12
誤った振り込みがあることを知った受取人がその情を秘して預金の払い戻しを受けた場合と詐欺罪の成否
(2)最判H16.12.10
窃盗の犯人による事後の脅迫が窃盗の機会の継続中に行われたとはいえないとされた事例
(3)最大判H15.4.23
委託を受けて他人の不動産を占有する者がこれにほしいままに抵当権を設定してその旨の登記を了していた場合においてその後これについてほしいままに売却等の所有権移転行為を行いその旨の登記を了する行為と横領罪の成否ほか
(4)最判H15.4.14
刑法110条1項にいう「公共の危険」の意義ほか
(5)最判S60.3.28
刑法110条1項の罪と公共の危険発生の認識の要否
(6)最判H15.2.18
住宅金融専門会社の融資担当者の特別背任行為につき同社から融資を受けていた会社の代表者が共同正犯とされた事例
(7)最判S51.4.30
公文書の写真コピーの作成が公文書偽造罪にあたるとされた事例
(8)最判H15.10.6
正規の国際運転免許証に酷似する文書をその発給権限のない団体の名義で作成した行為が私文書偽造罪に当たるとされた事例

第二 刑事訴訟法
(1)最判S51.3.16
任意捜査において許容される有形力行使の限度ほか
(2)最判S53.6.20
職務質問に付随して行う所持品検査の許容限度ほか
(3)最判H1.7.4
被疑者に対する長時間の取調べが任意捜査として許容される限度を逸脱したものとまではいえないとされた事例
(4)最判S59.2.29
①被疑者を所轄警察署近辺のホテル等に宿泊させて取調べを続行したことが任意捜査の方法として違法とまではいえないとされた事例
②伝聞証言につき異議の申立がなかった場合の証拠能力
(5)最判S50.4.3
①現行犯逮捕のため犯人を追跡した者の依頼により追跡を継続した行為を適法な現行犯逮捕の行為と認めた事例
②現行犯逮捕のための実力行使と刑法35条ほか
(6)最判H8.1.29
①刑訴法212条2項にいう「罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるとき」に当たるとされた事例
②逮捕した被疑者を最寄りの場所に連行した上でその身体又は所持品について行われた捜索及び差押えと刑訴法220条1項にいう「逮捕の現場」ほか
(7)最判H13.4.11
①殺害の日時・場所・方法の判示が概括的で実行行為者の判示が択一的であっても殺人罪の罪となるべき事実の判示として不十分とはいえないとされた事例
②殺人罪の共同正犯の訴因において実行行為者が明示された場合に訴因変更手続を経ることなく訴因と異なる実行行為者を認定することの適否ほか
(8)最判S58.9.6
訴因変更を命じ又はこれを積極的に促すべき義務がないとされた事例
(9)最判S63.10.25
覚せい剤使用罪につき使用時間、場所、方法に差異のある訴因間において公訴事実の同一性が認められた事例
(10)最判S53.9.7
①職務質問に付随して行う所持品検査の限度ほか
②押収等の手続に違法のある証拠物とその証拠能力
(11)最判H15.2.14
①逮捕当日に採取された被疑者の尿に関する鑑定書の証拠能力が逮捕手続に重大な違法があるとして否定された事例
②捜索差押許可状の発布に当たり疎明資料とされた被疑者の尿に関する鑑定書が違法収集証拠として証拠能力を否定される場合において同許可状に基づく捜索により発見押収された覚せい剤等の証拠能力が肯定された事例
(12)最判H17.9.27
捜査官が被害者や被疑者に被害・犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書等で実質上の要証事実が再現されたとおりの犯罪事実の存在であると解される書証の証拠能力
(13)最判H18.11.7
刑訴法328条により許容される証拠




画像2」の記事について

Q.基本書、アシベツ本、 択一過去問の間違えた問題について、どういう方法で利用していたか。

肢別本は使っていませんでした。
使わなかった理由は、一問一答形式が自分には合わないと思ったからです。

①基本書
軽いメモ程度の書き込みをしたり、付箋に書いたものを貼ったりしましたが、マーカーを使いつつ普通に読んでいただけです。とりたててご紹介するほどのものではないですが、一応参考までに画像を少しアップしたいと思います。→ 「画像6
②択一過去問の間違えた問題
択一過去問(辰己の短答過去問パーフェクトを全科目、旧司は民法だけやってTACとWセミナーのものを使いました)の間違えた問題は、①ちゃんと正解したが肢の中に分からないものがある、②偶然正解、あるいは不正解問題とに分けて、①は黄マーカー(この場合はわからなかった肢の記号アイウも小さく書いておく)、②は赤マーカーで本のチェック欄にしるしをつけました。あとは、今日は黄色の問題だけとか、今日はこの分野とか決めて、緑になるまで繰り返し解いていくという感じでした。




画像5」の記事について

Q1.「判例の射程」について
Q2.短答まとめにおける「条文を共通項でまとめる作業」について


第一 質問1について
判例はあくまで当該事案に対しての判断を示したものにすぎないので、 規範において一般論を述べているように見える場合でも、実は具体的事案における事情がかなり色濃く影響している場合が結構あります。このような場合、判旨のいうところの一般論が通用する場面は限られてくることになりますので、気をつけなくてはなりません。
司法試験はもちろんローの試験でも、有名判例を意識し、かつ、その事実関係を微妙に変えた問題が出題されることが多いですよね。
その場合、その有名判例の一般論がそのまま使えるのか、あるいは判例の事案のある事実が変わったら、はたして結論が左右されるのかを考えることが必要で、それこそが出題の趣旨であり「判例の射程」を問う問題といえます。H19新司の刑法第2問などまさにその好例といえるでしょう。
もっとも、判例の射程がどこまで及ぶのかということは、自分だけで考えてみろといわれてもなかなか難しいので、判例評釈等の資料が参考になります。その中でも、とりわけ調査官解説はそのものずばりを述べている箇所が多いので(あくまで調査官の見解としてですが。判決・決定の意義について「思われる」「考えられる」「解される」「~ではないか」などといった言葉で書かれている箇所です。)、読む価値が大いにあると思います。

一例を挙げます。
画像3」の記事の引用画像を観ていただきたいのですが、クロロホルム事件(最判H16.3.22)について、担当調査官は、「判例理論によれば、人を確実に気絶させるが死に至らしめる可能性は全くない薬物を使用した場合にも、第一行為の開始時に殺人の実行の着手が認められる」という見解を取っています。
ところで、判旨をみると「第1行為は第2行為を確実かつ容易に行うために必要不可欠なものであったといえること,第1行為に成功した場合,それ以降の殺害計画を遂行する上で障害となるような特段の事情が存しなかったと認められることや,第1行為と第2行為との間の時間的場所的近接性などに照らすと,第1行為は第2行為に密接な行為であり,実行犯3名が第1行為を開始した時点で既に殺人に至る客観的な危険性が明らかに認められるから,その時点において殺人罪の実行の着手があったものと解するのが相当である。
としていますが、これは、行為の危険性判断において、①(殺人罪の)実行の着手に当たるかが問題となっている行為(クロロホルムをかがせる行為)から殺人に至る客観的な危険性を問題としているのであって、②かがせる行為それ自体が既遂結果が発生することを要する趣旨ではありません。
もっとも、それ以前の判旨のうち「(5)・・しかし,客観的にみれば,第1行為は,人を死に至らしめる危険性の相当高い行為であった。」という前提事実認定を読む限り、②かがせる行為それ自体から既遂結果が発生することを要求しているのではないかとも思えます。
しかし、前期事実認定は殺人罪の実行の着手との関係ではなく、因果関係の錯誤との関係で述べたにとどまるとみれば(錯誤が重要でないことをいうために第一行為も第二行為に劣らず危険であったと評価したということ)、結局、実行の着手との関係では①の見解を取るものであるということが分かります。 それゆえ、上記調査官の見解のように、仮に第一行為が確実に気絶させるものの死亡の危険性は全くない行為であってもその他の事情がそのままなら殺人罪の実行の着手が認められるということになります。
このように、判旨を読むだけではなかなかわかりにくいところについて、
「本件判例理論はこういう風に考えたら上手く整理できるのではないか」ということが書かれていますので、判旨がどういう意味なのかを理解するのには大変役立つと思います。

すべての判例についてこのように細かく追っていくとなると負担が膨大ですから、有名判例やご自身で大事だと判断された判例についてだけでも見ていくといいのではないかと思います。

第二 質問2について
条文を共通項でまとめる作業は、たとえば、総務省の「法令データ提供システム」等を使って該当法令を検索し、全条文が出てきた画面で「ctrl+F」の語句検索をかけます。
一例として、刑法であれば、「親告罪」、刑の「減軽」(なのか減免なのか)、「罰しない。」場合、「親族」が出てくる場合などの検索がありうるでしょう。民法であれば、「損害」とか、会社法であれば、「全員の同意」とかいろいろ考えられます。
この方法は、その語句のグループが条文の中でどこに散らばっているのかを知ることができますし、検索窓に条文をいれれば(第〇〇条とか)択一でよくでる準用関係の整理も一発です。




民事訴訟法」の記事について

Q1.重点講義民事訴訟法はどのように読んだか。
Q2.解析民事訴訟法はどのように使用したか。

第一 Q1について
①2年の時に、「ロースクール民事訴訟法」(青いやつ)を教科書にした授業があったので、その授業に並行して読んでいました。この時は、該当箇所についてポイントの小さいところも含めて読みました。
②受験勉強の際には、気になるところ(複雑訴訟、訴訟承継など)や大事なところ(弁論主義、処分権主義など)の勉強をして、いまいち腑に落ちなかった場合に、復習がてらざっと読みました。このときはポイントの小さいところはあまり読まなかったように思います。
※本文だけではなかなか疑問が解消しなかったりする場合は読むこともありました。
※もっとも、「解析民事訴訟」が出てからはそればかりやっていて、重点講義はほとんど読みませんでした。

第二 Q2について
解析民事訴訟法は、受験対策のメインの本として使っていました(2009年3月~)。理論的な面も問題演習としての面も同時に押さえてある良書だと思います。
具体的には、①平成20年とか最近の旧司問題までカバーしており、②実務的観点から基本理論を説明しているところが抜群に良いです。
使い方としては、これを読みつつ解きつつ(※問題は答案構成レベルで解きました。)、メモを作り、その後はメモを確認ということをやりました。
演習と併行して重点講義を読み、あわせてLIVE本で範囲ごとに検討するという方法をすでに取られているならば、そのままでよいと思います。
もちろん、解析民訴も併行してできるに越したことはないですが、なかなか民訴だけにそこまで時間を割けないでしょうから、手を広げてどれも中途半端になることを避けるためにも今は見送ってもよいと思います。また、解析民訴は、ある程度民訴が仕上がってからの方が、より効果が高いと私は思いますので(※私の場合は、解析民訴が発売された時期が遅く、使うのが直前期にならざるを得なかったことからそう思っているのかもしれませんので、そのあたりを差し引いた意見として考えてくださいね。)、いますぐ検討せずともいいのではないかと思います。
いろいろと試しつつ、やり方を考えてみると、よりよい組み合わせが見つかるかもしれません。




調査官解説の補足」の記事について

Q.調査官解説と百選の解説について

百選の解説も全科目ひと通りは読みました。
ただ、一読して内容がよくないもの、たとえば、学説の整理に終始しておりなんら評釈の意味を持たないもの、長々と書いてあるが論旨不明確なもの、特定の見解に寄り過ぎていると思われるものなどについては(これらの判断は完全に主観的なものです。)、線を引くこともなく、バツ印を付けて時間節約のため二度と読まないようにしていました。このバツ印は、記事全体に付けることもあれば、特定のパラグラフにのみ付けることもありました。
逆に、有用と思われる解説は複数回読みました。

調査官解説を読む場合は百選解説を読む意義は少ないとは思います。
ただし、ある程度昔の判例の場合、百選解説の方が、それ以降の判例の流れをフォローしてその中で当該判例を位置づけて解説してあるという点で優れていることがありえます。
したがって、調査官解説を読む場合は百選解説は全く不要とまではいえないと思います。




合格者ブログ2」の記事について

Q.参考にしていた勉強法を紹介しているブログ、書籍(辰己の合格者体験談)等について

ブログで一番参考にしていたのは、
①旧司合格者アマケンさんの「miscellaneous : blog」
です。
去年以前の新司合格者ブログとしては、
②猪瀬さんの「Absolute Blue」
③sunさんの「新・単なる受験記録」
④redipsさんの「Footprints」
等の有名な超上位合格者の方々が書かれたものをよく見ていました。

勉強法関係で参考にしていた書籍として特定のものはないですが、
合格体験談は、立ち読み含めたくさん読みました(旧司・新司を問わず、雑誌にのっているものとか冊子になっているものとかいろいろ)。




「H19年憲法」の記事について

Q.憲法の論述の勉強法(方向性)

まずは細かいことは置いておいて、憲法の論述って一体なにをやるのか、ということをしっかりと知ることが重要かと思います。
何のための勉強しているのかが明らかでなければ、効率が非常に悪くなってしまうからです。
たとえば、人権の問題は、おおざっぱにいえば①憲法によって保障される範囲に含まれるものなのか、その程度はどうか、②制約はどのようなものか(制約態様)、③制約を正当化することができるか(基準を立ててあてはめ)といった順に検討するのがオーソドックスなスタイルです。
その上で、インプットの勉強する際には、それがいったいどの場面で使える知識・理解なのかを考えながらやるといいと思います。
判例についても、①~③の視点で切り分けて、どのように判断しているかを見ていけばよいでしょう。

論証については、憲法に特有のものがあるわけではありませんので、他科目と同様に、いわゆる三段論法を意識すればいいと思います。
ごくごく単純にいうと、
例えば原告側からは
・「表現の自由は憲法21条1項によって保護される」(大前提)、
・「本件行為は表現の自由の範囲に含まれる」(小前提)
・「したがって、本件行為は憲法21条1項によって憲法上保護される」(結論)
被告側からは、
・「公共の福祉による制約ならば許容されうる(憲法12、13)」(大前提)、
・「制約の基礎となる反対利益の追求は公共の福祉にかなう」(小前提)
・「したがって、本件反対利益による制約は許容されうる」(結論)
といった感じですが、いずれにせよ、小前提のところを丁寧に書くことが重要です。「どうして」その事実が表現の自由の保護を受けるのか、という部分の記述が論証の説得性を基礎づけるからです。
原告側の例でいうと、具体的な事実が抽象的な「表現の自由」にあたるかというのは、勉強の過程で表現の自由とは何なのか、中心的に保護されるのはどういったものかを知って理解していないと説得的に書けません。人権論では、〇〇の自由にあたるかどうかというところを常に書くことになりますから、〇〇の自由とは何かという根本部分の勉強が重要になってきます。

答案構成について、答案構成というのは答案のアウトラインであり、骨格です。論述は答案構成をしたとおりに書いていくことがほとんどですから、答案の良し悪しはこの段階でほぼ確定しているといっても過言ではありません。
まずは、形式面として、ナンバリング(第1、1、(1)、ア、(ア)といったもの)をして書くことを練習したらよいかと思います。議論として同じレベルのものは同じように、違うレベルものは違うように書くようにするということです。
具体的な構成方法については、きまりきった型があるわけではありません。問題検討をこなしていくうちに自然と自分のスタイルが生まれると思います。




基本から考えてみる」の記事について

Q.基本的な知識とそれ以外の区別について

基本的知識とは,重要条文の趣旨・要件・効果(※争いがある場合は基本的に判例による),重要基本判例,法律用語の定義,法の仕組み,個々の制度の仕組み,制度趣旨,制度の沿革等のことであると考えています。なぜかというと,これらは法律家であればだれでもが前提としている事柄であって,ほとんど争いのない部分(みんなが,まあそうだよねと考える部分)だからです。

※法律答案が,採点官を一応説得させるための文書であるとすると,争われない(本当にそうかな?と突っ込まれない)というのはかなり強みです。

したがって,基本的なものかどうかのメルクマールは,「誰もが(一応の)前提にしているかどうか」ということになるのかなと思います。

受験対策的な観点からいって,論証にそれらがどう生きてくるかというと,たとえば,単純化した例ですが,「~の趣旨は,〇〇である。」→「そうだとすれば,「××」という文言は,~と解すべきである。それが趣旨に沿う。」とか,「〇〇の制度は,~というものである。」→「このような制度の下では,その制度の目的に沿うように第三者の保護に重点を置いてを考えるべきだ。具体的には,~」というようにあたかも公理から自然に導いたかのように書けるというメリットがあります。

また, たいてい,条文はある制度の理念の下でまとまってグループをなしており,そのグループ内の条文は,その制度の趣旨を達成するために制定されています。そうだとすれば,グループ内の条文の解釈については,みな同様にその制度趣旨に合う形で解釈してやればよいということになり,論証の記憶すべき部分を大幅に削減できます。
さらに,ある小規模な制度の趣旨を達成するために小さな条文グループが存在し,中規模の制度の趣旨を達成するために小さな条文グループ同士があつまって中規模の条文グループを構成し,・・・と考えていくと,ひいては当該法の目的を達成するために全体の条文が適切な位置に配置されていることが分かってきます。
そうすると,仮に考えたこもない論点が出てきたとしても,関連条文が構成する制度趣旨に合う形での解釈を展開してやればよいことになります。

最近,受験勉強中の方の答案を見ることが多いのですが,上記の基本的部分の理解があやふやだと,読んでいてかなり危なっかしい印象を受けます。逆に,基本が正確で,かつ思考過程が表れている答案は,難しいことを一つも書いていなくても,読んでいてもつっこみようがないため,かなり説得的に感じます(いわゆる筋が通っている)。




書き手と読み手」の記事について

Q.知識があるのに落ちる、または、現役生のほうが浪人生より勉強時間が足りないにもかかわらず合格率がいいのはなぜだと思うか。

下記の記載事項は,すべて私の浅い経験と推測に基づく考えですから,どれほどの意味があるか分かりませんが,ご質問に答えさせていただきます。

知識があって,すごく勉強している人がローの定期試験や司法試験で伸び悩むことがあるとすれば,それはやはり,勝負を決するのが論述試験であることによると思います。

短答の解答への過程は,
①「判例の趣旨に照らして誤っているものはどれか」とか「正しいものには1を,誤っているものには2を」といった,ダイレクトで分かりやすく,誤読を生じる可能性のない問いを読んで,
②選択肢を見た後,頭の中の知識・理解と結び付けて正解を考え,
③マークシートの該当箇所を鉛筆で塗りつぶすことによって,自分の知識・理解を表現する
というものです。
そうすると,①問いの意味を理解したり,③マークシートを塗りつぶす点では差がつきませんから,②の過程における正確な知識を持っているかどうかという点で,他者と差がつくこととなります。
また,肢の中に必ず正解があり,それを読んだ上で正誤判定をすればよい,という点でも後述の論文試験とは異なります。
ちゃんとしたデータを見たことがないので,推測ですが,おそらく短答だけでみると,全体としては,単純にトータルの勉強時間が多い浪人生の方が現役生より合格率がいいのではないかと思います。

これに対して,論文の解答への過程は,
①問題文の事実関係を分析し,形式的な設問を通して何を聞こうとする問題なのか(出題者の意図)を見きわめる,
②内容として何を書くかを決める(知識・理解),
③実際に自分の思考過程が採点者に分かるように,どう書いていくかを決め,順序立った文章として書く
というものです。ここでは,短答では差がつきようがなかった,①問いの理解と③知識理解の表現叙述の巧拙でも大いに差がつきうることになります。
たしかに②の点では,短答と共通するところがありますが,そこは短答通過者ならば誰でも知っているようなことが聞かれることがほとんどであり,知識・理解の正確性という点を除いて,ほとんど差がつきませんから,短答では問題とならなかった①の面と③の面の出来が,評価にもろに影響してくることになるのです。
また,④短答では知らない分からない問いは適当にマークして飛ばすことも可能ですが,論文ではそうはいきません。考えたこともない問いであっても逃げずに解答しなければなりません。

そうすると,たとえ単純な勉強時間が長く勉強量が多くても,①と③の面を意識して鍛えることをおろそかにしたり,④考えたことのない問題にどう対処するかといった視点をおろそかにしたりして,②の面の強化だけに力を注ぎこんでいる方は,結果が伸び悩むことになると思います。
したがって,知識を直接聞かれれば,ちゃんと答えられる方であっても,「そもそもその問いが,当該知識・理解を聞いているのだということに気付けるようにする」,「文章として表現できるようにする」という点については,別途力を注いで勉強することが必要だと思います。

このように考えると,浪人生の勉強時間が現役生よりも多いということだけをもってしては,論文試験で優位と直ちにはいえないことになります。

 その上で,浪人生の方が現役生よりも論文を含めた最終合格率が低い原因としては,(1)すでに同期の合格者の層が抜けており,試験合格へ向けた方向性として正しい勉強をしていると思われる他人の方法を見たり,聞いたりしづらい,(2)学校という環境から離れることで,ゼミを組んだり,仲間と話す機会を持ちづらく,自分としてはここがダメだったと思っているところと,他人から見てこの人はここが足りないために結果がついてこないのだと見えるところが異なることについて知る機会に乏しいことが挙げられると思います。
 試験合格という観点から自分の勉強方法のどこがまずかったのかを他人に指摘してもらう機会を持つことが難しいということは,よほど改善意識を強く持って自己分析して,対策を練らないと,結局何らの改善もされないまま翌年も受けるということになりかねないのではないかと思います。

 精神的な面でいうと,試験突破に向けて皆が勉強していることを意識する環境を得づらいこと等が影響しているのだと思います。たしかに予備校の講座や模試を受講すれば,多少は意識できるかもしれませんが,やはりローに通う中で同期の全体が試験に向かって勉強している状況を日々肌で感じられる環境とは異なると思われます。さらには,受験から発表までの間のブランク,不合格になってしまったことからくるモチベーション低下等々,諸要因があると思われます。




理由づけ」の記事について

Q.問題提起、規範部分、あてはめの書く分量のバランス等

問題提起,規範部分,あてはめの書く量のバランスについては,一般的にこの程度,という決め方はしてはいませんでしたが,新司の答案として見たときにきれいなのは,問題提起&規範定立:あてはめ=3:7あるいは,4:6だと思います。このあたりのバランスは,合格者の再現答案を分析してみてください。ただ,これはこの比率ありきで答案を作成するというよりは,あてはめで問題文に転がっている事情丁寧に拾って評価していこうとすると,必然的にそれくらいの比率になってしまうということです。法律論を意識的に少なくすることによって,相対的にあてはめの比重を減らすという意味ではありません。
よく,法律論はサラッと流して,あてはめを書きまくろうといわれますが,それは決して法律論をおざなりにしてよいという意味ではないと思います。なぜなら,法律論の後にくるあてはめ作業は,法律論によって定立した規範に事実をあてはめるということをするもので,あてはめるべき規範がいい加減では,絶対に上手くいきっこないからです。
そうすると,サラッと流しての意味は,コンパクトに要点を捉えて過不足なく法律論を展開する,ということだと考えられます。

①もし,答案について,その添削指導を受けた方に直接聞くことができる環境があるとすれば,答案の問題提起部分を自分でコンパクトだと思う形に書きなおしたうえで,その書き方でよいかどうかを聞いてみるのが良いのではないかと思います。
②また,ご自身で考えてもなかなかどう書いたらよいかわからないということであれば,優秀だと思う受験仲間にその問題提起部分だけを読んでもらって,どういう印象を持つかを聞いてみるの良いかも知れません。もしそこで,ちょっとダラダラ書いてる感じがあるよね,的なことを言われたら,どういう風に書いたらよいかな?(仲間)だったらどう書く?と積極的に聞いてみるといいと思います。
③あとは,その年の優秀者の再現答案を検討して,どうやってコンパクトに書いていくのか,どういう風に書いていくと,きれいに流れるのかを分析して,それを練習過程で何度もそれに近づくように実践練習をするのも有効です。
④何度も練習してみると,ご自身の論述のクセが見えてくると思いますので(たとえば,問題提起までが冗長になってしまうとか),そこは,論述するときに意識すべきポイントを書くためのノート等を作って,「論述では問題提起までをコンパクトに書くように意識する。具体的には,①・・②・・ のような感じで書く。」などとメモって置き,答練等の前に見直して意識付けをするということも効果があると思います。




ガイダンス」の記事について

Q.論文の検討方法はどのようにしていたか。自分で検討する際の注意点など。

私は,2008年10月~12月に週1で論文ゼミ(各系統ごとに4時間測って解く)をやり,1月にはそれを脱退して,2009年2月~4月半ばまでは,選択科目の論文ゼミを不定期(2週に一度程度)で行いました。年明けからは,メイン科目(公法系・民事系・刑事系)の論文対策は基本的に1人でやっていました。ですから,論文については,自分ひとりで内容や書き方を見直していたことがほとんどだったということになります。
※ただし,内容・書き方含めて疑問に思ったところは,その都度メモっておいて,信頼できる先生に聞いたり,休み時間などに勉強仲間をつかまえて質問したり,あとはmixiの勉強コミュニティを作っていたので,帰宅後にそこに書き込んだり,書いた答案を打ちなおしてアップして意見を求めたりしていました。

一人で論文の確認をする際の注意点として,私が心がけていたことは,
①実際に書いている最中も,論述で思考過程が伝わるように書けているかをチェックしつつ,言い回しや接続詞などの細部にもこだわって,どう書けば上手く書けるかを考えながら書くようにしていました。
②実際に書き終えた後は,あらためて自分の答案を頭から黙読することによって,ちゃんと他人が読んでも意味が通じるものになっているか,論述があっちにいったりこっちにいったりぶれずに基本筋がまっすぐ通っているか等をチェックしたり,以前「論文」の記事中に「論述の際に意識していたこと」として書いたようなメモと照らし合わせて,それらが守れているかどうかをチェックしたりしました。
(※再現答案,出題の趣旨,ヒアリング,採点実感等を読んで気づいたこと,あるいは勉強していく中で論述はこうした書いた方がいいなと気づいたこと,友人からの指摘等を何かにメモしておくと,後で自分の答案を客観的に評価しやすくなると思います。この方法はかなりお勧めです。)
③試験では「いやそこはそうじゃなくてこういうつもりで書いたんだけど・・・」とか,「それについてはここに書いてあるんですが・・・」とかいった弁明は一切通じませんから,自分の答案が,分かりやすくかつ論旨明快・一読了解のものであるかどうかを,客観的視点で厳しく見ることが必要だと考えていたので,再現答案,出題趣旨・ヒアリング等を使って,論文試験でどういう答案が評価されるのかを分析し,形式面から実質面にわたって新司答案の理想形を想定して,それとの比較で自分の答案をチェックしていくようにしていました。

以上のようなものですが,書くときは,「こうだから,こうなる。こうだからこうなる。・・したがって,こうなる。」というように,とにかく一つ一つ丁寧に論理を積み上げていって書くという意識を持って,読むときは,自分が頭の中で書こうと思ったことが文章だけを読んだ人にも分かるように書けているかという視点から,とにかく客観的に検証していくことが大切かと思います。

なお,自分の手書きの答案ではなかなか客観的に検証しづらいと思ったときは,ワード等に自分の答案の文章をそのまま起こしてみると良いかもしれません。ワードで自分の答案の文章を打ってみると,文字が無機質なせいか,自分では結構書けたと思っていたのにかなり違和感を感じる箇所が出てくるはずです。そうしたら,そこがどうしておかしいのかを考えてみる,というようにすると客観的な検証がしやすいと思います。私も何度かやりました。




著作権法」の記事について

Q.選択科目を選んだ時期,基準,選択科目の勉強方針など

①選択科目を選んだ時期
ロースクール未修2年の夏休みです。
受験者数が多く,かつローに教員が一定程度そろっており授業の充実している科目=労働,倒産,知財の中から選ぼうということは前々から決めていました。それは,ロー内での友人との情報交換や教員への質問がしやすい環境があった方が受験対策として有利だと思ったからです。
一般的にいつ頃までに決めたらよいかをいうのは難しいですが,一定の勉強時間の確保という観点から,最終学年に入る前までには決めておいた方が良いと思います。

②選択科目を選んだ基準
まず,新司法試験の選択科目の過去問に目を通したところ,3つの中では,知財の問題文が一番短かく,内容も見た感じ(直感で)解きやすそうだなと思いました。
その後,各科目の薄い本にそれぞれ目を通したところ,(※私の偏見が多いにあると思いますが・・)労働は判例知識を大量に覚える必要がありそうだということ,倒産は条文がやたら多く,手続の流れ等を細かく押さえる必要があり,勉強に時間がかかりそうだと思いました。
これに対して,知財は,特許法の難しいところ(具体的な発明の認定,出願から登録までの手続,明細書解読,クレームの技術解釈など)が試験としては専門的すぎて出せないであろうこと,著作権法は音楽,小説,マンガなどテーマがなじみやすく,かつ試験の中心的出題範囲がかなり狭いことを知り,これを選択科目にすることに決めました。

ご参考までに,簡単に選択科目の知財についていうと,知財は,民法,民訴,行政法あたりが苦手でなければ吸収が早いと思います。
特許法は,非常にガチっとした法律で,理論面は勉強しやすいです(新司では実務的なところは出ません。答案作成上,専門的技術の知識が必要となる場面は一つもありません。)。
著作権法は,思考パターン(検討順序)が一定なため,答案を書きやすいです。それは,誰が著作者でどこに著作権があって・・・ということを条文に照らして1つ1つ検討していくというもので,検討順序と著作権法の考え方,条文の構造・位置を把握してしまえば,対試験的に覚えるべきことはほとんどありません。

③選択科目の勉強方針
一度は複数科目の併行学習も考えましたが,試験対策という観点からすると非効率だと思ってやめました。知財に決めた後はそれ一本です。選択科目を決めるときにじっくり悩んで,一度決めたらあとはその科目を重点的に勉強するのが良いと思います。




基本から考えてみる」の記事について

Q1.各論点と趣旨や制度等の根本概念との対応関係の学習について
Q2.条文をグループで理解していく際の視点
Q3.問題文を読むときの工夫,事案把握のコツ
Q4.事案処理のための条文発見のコツ
Q5.あてはめの力の対策


第1 質問1につい
論点と根本概念の対応関係を知ることに意味があるのではなくて,考えていくことに意味があると私は思います。
それは,どうやったら論点を根本概念から論証して処理できるかを,自分で考えていくということです。
たとえば,既存の論点として,条文の文言解釈として問題となる論点を学習するのであれば,①どうしてその条文の文言解釈が問題になるのか,その条文はどのような制度に関するものでいかなる趣旨で設けられているものなのかといったことを,基本書や百選の解説等あるいはコンメンタール等を参照して理解し,②その理解したところに従って当該論点を論証するとどうなるかを考え,実際に書いてみる,③その過程で「要するに,この論点はこういう問題で,この制度の趣旨から考えればこういう解釈になる,と書けばいいのだ」ということを理解する,④試験前に,③で理解した考え方を再度確認することによって,自分の理解に従った論証を書けるようにする,というステップになるでしょう。
そういった論点学習を心がけて学習していく中で,論証のコツ(考え方)がつかめると思います。

第2 質問2について
グループ分けは,編,章,節・・といった条文の構造そのものであったり,何かの制度であれば,それらをまたいで,あるいは離れた位置にある条文同士が関係をもってくることもあります。条文がどういうグループを構成しているかは,条文の目次等を見たり,基本書等のある制度が説明されている箇所で引用されている条文をチェックしたりして,理解していけばよいと思います。

第3 質問3について
開始直後に,まず,設問を正確に読むということが大切です。何を聞く問題かによって,どこにポイントを置いて読んでいくかが変わってくるからです。また,新司では,たいてい,問題文に段落番号がふってありますから,そこに蛍光ペンでマークして,読み進めつつ,その左側に見出しを簡単に書いていくという方法もおすすめです。長い問題文も読みやすくなりますし,読み直すときににアクセスが早くなります。
あとは,出てくる日付,問題になりそうな箇所,あてはめに使えそうな箇所は,読みながらチェックしていくと,あとから探す手間を省けます。
事案を早く把握するには,当事者やそれに関する法律関係を書いた図を書いていくことが一番ではないかと思います。

第4 質問4について
条文を探そうとするとき,その法律の条文目次が頭の中に浮かぶように,勉強過程で条文が出てきたら,逐一六法を引き,条文を実際に読む習慣をつけることだと思います。遠回りのようで,これが一番の近道だと思います。そうする過程で,条文がその法律でどのように配置されているかを理解しておくことが大切です。条文を最初から最後まで一気に素読してみるのも,法律における条文の構造を把握するにはいい方法だと思います。主に行政法,民法,会社法などの,複数人間の法律関係を論じたり,法的手段を考えたりする科目では,法律効果から条文を探すという方法が有効です。たとえば,原告は〇〇したいといっている→そのためにはここの法律関係の効力が否定できればよい→法律関係をなくす法律効果をもたらす手段としては何があるか→その条文の要件は・・というように考えていくということです。

第5 質問5について
新司法試験の過去問,特に刑事系の問題を使って練習するのが一番よいかと思います。その年の再現答案集などを見て,試験委員に評価されている答案がどのようなあてはめをしているかを知り,実際に同じ問題を自分で書いてみて,自分のあてはめと比較してみるとよいと思います。再現答案でイメージをつかんだら,あとは実践あるのみです。
ゼミ等を組まれている場合には,友人の答案を見る機会があると思いますから,そこで友人が自分よりうまいあてはめをしているなと感じたときは,どのように問題文を見ていったら自分もそういうあてはめができたかを考えてみるとよいと思います。また,その友人に,どうしてその事情を使ったのか,事実の評価をするときに気をつけていることはあるか等,どんどん質問して,自分の論述にもそれを反映できるようにしていったらよいのではないでしょうか。




択一」の記事について

Q.判例六法の回し方について,択一前はピンクと赤だけ、論文前は黄色まで読むという意味か。科目によって重点のかけ方に違いはあるか

第1 回し方
択一の試験前は、気になる箇所について、赤から黄色までほぼすべて目を通していました。
短答のまとめファイルの表と判例六法に貼り付けた付箋などを確認した後に、もう一度見ておきたい条文と関連判例をざっと確認する感じです。
論文の試験前には、論文のまとめファイルを主に読んでいて、判例六法では、条文操作や重要判例の要件を確認していました。
普段の学習の中で判例六法を通読することも多かったのですが、そのときは、条文だけを読む、判例だけを読む、なんども出題されている条文+赤&ピンク判例だけ読む、・・・など、択一の勉強として読むか、論文の勉強として読むかによって変えていました。

第2 科目による重点のかけ方
短答では各科目それぞれ出題傾向があるので、それらに合わせて読み方を若干変えていました。
ただ、私は、別の機会に勉強した判例知識を短時間で確認するためのツールとして使っていたので、科目ごとに明確な差をつけて読むということはなかったように思います。
これについては、何か決まったやり方があるわけではないので、これまでの勉強の中で得た、科目ごとの出題感覚を活かして、臨機応変に読み方を変えてみればいいのではないかと思います。




第3クール」の記事について

Q.筆記量と枚数,字の丁寧さなど

私も筆記量で悩んだことがあるので、良くわかります。
※去年、私のまわりにも、1行40字で8枚を余裕で書く人や、本番の憲法で構成時間50分近く使い、行政法には1時間30分しか余らなかったのに第1問・第2問とも8枚フルに書いた人がいましたので。

私は、1枚目から2枚目にかけては丁寧に、その後はかなり高速で書いていました。
人の答案の1枚目~2枚目をみれば、その後がどれくらいの出来かを判断できる(される)と思っていたので、慎重に書くように心がけていました。
また、そうすることによって、自分の気持ちを落ち着けることもできました。
ただ、字の綺麗さを意識していたというよりは、ちゃんと論理的な流れのある文章になっているかを確認していたという方がいいかもしれません。

実際どんな文字を書いていたかについて、本試験の解答用紙を見ることはできないので、手元にある研修所の起案を見返してみましたが、時間に追われて書いた最後の方のページもまあまあ読める字だと思います。

枚数について、1行あたりの文字数や改行・ナンバリングの仕方にもよるので、気にする必要はないと思います。
本試験が近い頃に、まわりの勉強仲間と話したのは、たとえ得意科目等で8枚書けそうでも、「初めから8枚書こうとしない。6枚あればメインの部分に答えるには十分。6枚でコンパクトにまとめることを目指す。とりあえず6枚でまとめようと試みて、時間的に書けそうなら7枚目以降。」位の意識が丁度いいんじゃないかということでした。

文字を崩してまで無理に7~8枚を書こうとしなくとも、6枚もあれば、要点を捉えた合格答案を仕上げることができると思いますよ。

なお、蛇足ですが、漢字は大きく、ひらがな・カタカナは小さく、文字はやや右側を上げて書くことを意識すると、速く書いても(多少は)読みやすい字になるのでおすすめです。




刑事訴訟法」の記事について

Q.記事に書いてある「P」,「K」などは何を指すのか

「P」は,検察官(public prosecutor)の略です。
PSのSはstatement。
ということで,PSは検面調書のことです。

「J」は,裁判官(judge)の略です。

「K」は,警察官のローマ字表記の頭文字。
Pとの区別でKということになります。
PSと同じように,KSならば,員面調書ということです。

弁護士は,弁護士のローマ字表記の「B」です。

同じく略語として,被疑者・被告人は「A」,被害者は「V」,証人は「W」などがあります(いずれもそれぞれの英単語の頭文字)。
これを使って,被告人質問をAQなどと表記します。

これらの略語は,研修所で一般的に用いられているものです。
ロースクールの実務科目の授業で,目にされたこともあるかもしれません。私も授業で知って,刑訴のノートをとるときなどに使っていました。

他に使える略語としては,
訴訟物:Stg
請求原因:Kg
抗弁:E 
再抗弁:R 
再々抗弁:D
再再々抗弁:T
などがあります(問題研究要件事実p20参照)。

他にも自分で作ってみたりすると面白いかもしれません。




第5回新司法試験」の記事について

Q.判例六法の買い換えについて
(有斐閣の判例六法(小さい方,20年度版)を使っているが,①収録判例が古いこと、②倒産法選択であるところ、民再法が「抄」だが、省略されている部分の条文が過去の新司法試験で問われており,このままこの判六を使い続けても良いものか不安である。したがって,今のうちに22年度版のprofessionalの方に買い換えようか迷っている。 他方で,①だいぶ使い慣れていて、そこそこ書き込みもしていること、②professional版はA5サイズと大きいので、持ち運びに不便ではないか、との理由から、むしろ買い換えるべきではないかなとも思っている。)


前提として,私が受験勉強で使っていたのは,判例六法プロフェッショナルではなく,有斐閣の判例六法のコンパクト版(紫色)です。本格的に受験勉強を始めるために,デイリー六法から判例六法に買い換えました。

有斐閣の判例六法を使いこむためには,最新の百選&重判とのリンクが重要になってくると私は思うので,買い替えをオススメしたいところです(別途百選・重判をやりこむことで相乗効果が期待できるため。)。
しかし,選択科目との関係で,試験に出る法律が抄録ということになると,コンパクト版への買い換えるのは微妙ですね。
選択科目の条文については,判例六法プロの該当部分のみを縮小コピーして持ち歩くようにするという方法も考えられなくはないですが・・・。

迷うところですが,私がもし同じ立場で結論を出さなければならないとすれば,プロフェッショナル版に買い換えると思います。2冊の持ち歩きはかなり不便ではあるものの,「最新百選&重判とのリンク」と「全条文が載っている」との要請を同時に満たすためにはやむを得ないと考えてのことです。
実際に買い換えて使っていけば,思ったよりもスムーズに,今使っている六法から移行できると思いますよ。

もちろん,今お持ちのコンパクト版を使い慣れていて,すでに書き込みもしてあるということで,買い換えを躊躇されるお気持ちもよくわかります。

ですので,あとは,判例六法を使ってどういう勉強をするのか,管理人のみ閲覧できますさんの勉強スタイルや受験勉強の方針によるのではないでしょうか(たとえば,判例学習はケースブックの方が合っているので,条文自体には百選・重判とリンクした判例が付いている必要はないということになれば,コンパクト版+デイリー六法等の選択科目部分を使えばよいということになりますので。)。




受験」の記事について

Q.再現答案を作っているが,合格発表までに他にやるべきことはあるか

私は,合格発表まで再現答案は作らず,ほとんど法律に触れずに発表までの4ヵ月を過ごしたので,あくまでこうしたらよいのではないかというレベルの話ですが,合格発表までに勉強をするならば,民法と刑法をやるといいとおもいます。合格して研修所に行った後はもちろん,万が一,来年も司法試験を受験することになったとしても役立ちます。
スムーズに修習に入るために,特に民法をやっておくとよいと思います。

再現答案作成もいいですね。
私は,作成する気力も沸かず,結局作らずじまいで終わってしまいましたが・・。

勉強以外の面でいうと,(きよひこさんが関東圏にお住まいなら特に,)外資系,準大手,大手等,合格発表前に就職活動が本格化する事務所に興味があるならば,エントリーされるとよいと思います。
論文の手ごたえ―とりわけできなかったと思う方向のもの―は,あまりあてにならないので,あまり気にする必要もないかもしれません。
私も,試験直後の手ごたえは五分五分で,その後,いくつか痛いミスが分かってかなりヘコんだので。

Q.民法については、条文・判例・要件事実,刑法については、構成要件・判例・事実認定について学んでおけば、一先ず大丈夫か。執行法の知識などは合格発表後で大丈夫か。検察志望の場合の意識の持ち方について。

民法と刑法については,それらをやっておけばよいと思います。
ただ,刑事の事実認定については,修習中に事件記録を使って取り組むことで徐々に身についていくという感じなので,自習の効果はあまり期待できないかもしれません。
民事保全・執行は,概略をつかんでおけばよいと思います。弁護修習や民事裁判修習の期間中に実務に触れつつ学んだ方が,本を通してのみ学ぶよりも何倍も早く吸収できるからです。

検察志望の場合は,民法・刑法に加えて,余力があるなら,刑事訴訟の手続面をもう一度さらっておくと役立ちます。

ここから先の記載は,私個人の見解であって,公のものではないということをあらかじめ了解していただいた上でいうと,実際に修習が始まってからのことを考えたとき,検察実務修習の結果が重要になってきます。
もちろん,検察全国一斉起案(事件記録を使って,起訴状or不起訴裁定書,結論及びその結論に至った理由等を起案するもの。)に加えて,他の刑事系科目(刑事裁判,刑事弁護)の起案の成績も考慮されるようですが,検察実務修習の結果の方が,おそらく遥かに大きなウェイトを占めています。
具体的には,検察実務修習における,被疑者・参考人取調べ及び供述録取,補充捜査の方針立案・指示,指導担当検事への報告,決裁時のやりとり等を総合的に見たときに,検事の適性があるかどうかということです。
検察の仕事には,厳しい時間的制約があります。
例えば,実際に修習されると体感されると思いますが,身柄事件を配点されてから決裁を受けるまでにしなければならないことを逆算していくと,スケジュールはかなりタイトなものになります。ですから,限られた時間の中で,迅速かつ的確に事件を処理して,処分を決する能力が重要になってきます。




択一」の記事について

Q.判例六法について,「⑤下級審判例には×」とあるが、百選・重判掲載の下級審にも×をつけていたか。 また、高裁にも×をつけていたか。

下級審であれば地裁・高裁を問わず,また,百選・重判掲載のものであっても例外なく×をつけていました。




大手事務所への就職活動」の記事について

Q.エントリーした事務所の数,説明会,事務所訪問など

私がエントリーした事務所は4つです。
1つは説明会だけ参加して個別訪問のエントリーはしなかったので,個別訪問としては3つです。
それゆえ予定が重複する状態にはならなかったので,あまり有益な情報は提供できないかもしれません…

前段のご質問について,もうすでに個別訪問等を経て,そのような場面に遭遇されたことがあるかも知れませんが,就職活動の状況について細かく聞いてくる事務所が多いため(何箇所位,どういう事務所を回っていますか?どういう基準でエントリーしていますか?いつ個別訪問の予定が入っていますか?・・等々),多数の事務所へエントリーする際には,志望の一貫性を説明できるようにしておくべきだと思います。手当たり次第に応募している印象を持たれることを避けるためです。エントリーする事務所を絞った理由と事務所選択の基準について丁寧に述べるよう心がけたところ,印象がかなり良かったように感じました。

後段のご質問について,説明会や個別訪問の日程が重複した場合は,先に決まっていた方を優先するのが一般的だと思います。ただ,事務所の規模が大きくなればなるほど,説明会と個別訪問との関連性が薄くなるので――説明会への参加は採用とほとんど関係なく,個別訪問の方が遥かに重要――,東京の大手,準大手の法律事務所を中心に回られているということでしたら,個別訪問を優先させるべきだと思います。

その際には,個別訪問の予定が入ったからという理由までを連絡する必要はないでしょう(もうその事務所へは個別訪問しないというのならば別ですが。)。
ただ,無断欠席は好ましくないので,「急用が入り,参加することができなくなったので,説明会への参加は辞退させていただきます。」といった旨をメールなり電話で伝えればよいのではないでしょうか。なお,個別訪問の予定をずらすことが可能ならば,それが一番良いと思います。日程の変更を申し出たからといってチャンスを逃すといったことは,まずありません。

複数エントリーにより予定が重複する自体は事務所側も織り込み済みです。特に,大手,準大手といった法律事務所では,アプローチをかけてくる層がかなり重なっていますので。

エントリー数について,ご参考までに,私の周りの例を言うと,合格発表前に東京で就職活動をして内々定した友人らの平均は8~10程度でした。合格発表後に就職活動をはじめて東京の事務所に内定した友人らは,決まるまでに20~40程度の事務所にエントリーしたそうです。




Q&Aのまとめ2」の記事について

Q.ロー1年時の勉強について,刑法以外(民、憲)は、論文にはあまり手を出さず、基本書を読み込むことを中心に据えた方がよいか

第1 民法について
誤解を恐れずに言えば,ローにおける民法学習の主目標は,司法試験の本番で試験問題を解き,合格点を取ることができる力を身につけることにあるのですから,試験で求められるアウトプットを意識して,そこからインプットのあり方を考える必要があります。そうすると,本来であれば,刑法と同様に論文問題を使って学習するのが望ましいはずです。
しかし,民法の論文問題(旧司,新司など)の場合,総則・物権・債権(さらには,親族・相続)の各分野の理解を横断的に問うとともに,落としどころのバランス感覚(事案解決における利益衡量)を見ようとする問題が多いです。このような問題は,「当事者の求める法効果を実現する民法上の手段を同時に複数構成し,立証の難易等を考慮した上で,それらを順位づけ,取捨選択できるかどうか」を確認するのには最適なのですが,民法学習の初期において,各分野ごとの知識・理解の確認を目的として使うには具合がよくありません。

民法の学習が全体に及んでいない段階では,総合問題を解いていくよりも,上記記事(Q&Aのまとめ2)内にも記載させていただいたとおり,基本判例・条文・(条文・制度)趣旨・要件・効果のインプットを,判例百選・六法・基本書を使って地道に行うのがよいと思います。ここでいうインプットは,やみくもに暗記をするという意味ではなくて,理解するという趣旨であることはいうまでもありません。
なお,今の段階で,各分野の知識・理解の確認のために事例形式の設例が欲しいというのであれば,ケースをもとに考察していく基本書を使って,その事例だけを見て,法律構成をすることができるかどうかを確認すれば足りるでしょう。

学習が進んで,民法全体を一通り学んだ後ならば,全体の確認の趣旨で論文の総合問題にあたることは,大変有益です。分野を跨いだ類似制度の比較問題や,同一の法効果をもたらす手段を複数検討する過程の中で,自分の理解の不十分さに気付いたり,より深く理解することができたりして,非常に高い学習効果が期待できるからです。
民法全体を学んだ折には,積極的に論文問題にあたられるとよいと思います(ただし,新司の問題の場合,要件事実論の基礎を学修したことを前提とした設問も多くみられるので,ロースクール1年修了時に解くのは,学習内容の確認という点からすると,少しずれてしまうかも知れません。)。

第2 刑法について
 直接のご質問ではありませんが,刑法(総論)についてもいくつか述べさせていただきます。
刑法総論は概念的な議論が多く,論点ごとに学説が錯綜しており,判例実務と学説との距離も遠く感じられ,とっつきにくいと感じる方が多い科目だと思います。
結局,刑法の学説であれ,判例理論であれ,目の前の事案を解決する(=事例問題における論述を正当化する)限度で使われるにすぎません。しかし,基本書だけでは,なかなかその感覚を身につけるのが難しいです(例えば,基本書では著者の自説の正当性を根拠づけるために,様々な角度から検討を加えた記述がなされるのが通常ですが,答案では過剰な論述になってしまいます。)。
そこで,Q&A内の記事で述べることと被りますが,刑法(総論)は,分野の学習が終わるごとに事例問題を積極的に解いていくことをおすすめします。自説をある程度理解したら,それを使える形=事案の解決に必要な限度でアウトプットするにはどこまで書けば足りるかを学ぶためです。
なお,刑法の学習というと何かと刑法理論に傾倒しがちですが,刑法においても,他科目と同様かそれ以上に判例理論が大切です。学年が上がって,刑法をさらに学習していく際には,調査官解説とともに判例を見ていくことを強くおすすめします。

第3 憲法について
 基本書レベルでよいので,人権の性質について歴史的な背景を踏まえてしっかりと理解することが大切です。
 原則論は古臭いと思われるかもしれませんが,ある人権が人権として観念されるようになった背景を押さえておくことは,その人権規定によって真に守られなければならないものを理解することに繋がるので,実際の論述においても,原告の主張や被告の主張を構成するのに大変役立ちます。
 次に,判例の理解です。日本の制度上,憲法論のみを扱う憲法訴訟のような制度はなく,憲法問題は,民事訴訟,刑事訴訟,行政訴訟等において争われることになるため,抽象的な憲法論のみでなく,当該事案における事実に着目して読んでいく必要があります。原告の主張を判例がどのような論理を経て憲法上の権利として構成するのか,対立利益は何か,その対立利益は憲法上の権利との関係でどのように考慮されるのか,どのような判断基準を用いて判断するのか,当該事案における事実関係の下で結論がどうなったかに注目して見ていくとよいでしょう。
 旧司法試験の論文問題(一行問題を除く。)も,憲法上の権利とその対立利益をきちんと示すことを意識して取り組んでいくと役立ちます。なぜそれが憲法上の権利といえるのか,なぜそれが対立利益になるのかといった点の論理展開の力を鍛えるにはいい素材です。
 1年生の段階では,上記の学習を通して,憲法問題をどのように判断していくのか(判断過程,枠組み)を知ることを目標にされるとよいのではないかと思います。それらの学習によって憲法問題の判断過程を理解した上で,長文の事例問題に取り組んでいくとよいと思います。
なお,憲法の理解を深めるための教材として,現在も法学セミナーで宍戸先生が連載されている「憲法解釈論の応用と展開」を強くおすすめします。3年生になって試験対策を始めるころに,是非一度目を通してみてください。

第4 論述全般について
 論述そのものについて悩まれている場合には,このブログの「論文」の記事でも掲げた,①「平成16年度合格者ドリーム・チームからの熱いメッセージ」(雑誌ハイローヤーの特集2005年5月号&6月号&7月号),②「3時間で学ぶ論文の書き方入門」(Wセミナー、絶版のため図書館や古本屋等で探してみてください。),③「法律答案の構造的思考」(山島達夫、辰己法律研究所)などを手にとってみてください。きっといいヒントになるはずです。




刑法」の記事について

Q.刑法の基本書選び,学習方法

冒頭から記事の繰り返しになってしまって恐縮ですが,基本書は,論旨明快で一貫した立場から書かれたものを選ぶべきです。
制度の趣旨,原理原則,保護法益など基本的なところから演繹して結論づけていく説をベースにした方が,知識として押さえておくべき事項も少なくなり(あとは考えの道筋を理解しておけば足りる),錯綜する学説の整理にも有益だからです。
次に,行為無価値的な立場か,結果無価値的な立場のいずれがよいかは,どちらがよりしっくりくるかという問題に過ぎません。
かっちりと論理的に一貫して考える立場がよいと考えるならば,結果無価値的な立場を取ることをおすすめしますが,学習が進んでくれば,いずれの立場でも考えられるようになると思いますので,どちらをベースにしても構わないと思います。
また,読者のニーズのすべてをカバーするような基本書はないので,基本書一冊ですべてをカバーしようとするのは厳しいかもしれません。そこは割り切って,薄め基本書+「条解刑法」のようなコンメンタールを併用するとのいうのも一つの方法です。

学説については,それはそれとして押さえることが不可欠ですが,対試験的に見た場合,学説を基礎にした上で,判例実務の考え方をしっかりと説明できるようにするためのフォローが必要だと思います。
そして,実務の考え方(判断基準)を知るには,調査官解説がベストです。調査官解説とは,「最高裁判所判例解説 民事篇」(法曹会),「最高裁判所判例解説 刑事篇」(法曹会)という本に載っている判例評釈のことです(DVDもあります。)。新しい判例については,「法曹時報」という本に個別に載っています。
たとえば,刑法総論の相当因果関係についての基本書の該当箇所を読んだ後に,「【最判H15.7.16刑集57・7・950】―暴行とその被害者が現場からの逃走中に遭遇した交通事故による死亡との間に因果関係があるとされた事例―」の調査官解説の因果関係についての考え方を整理した部分,及び判例理論の解説部分をご覧になってみてください。驚くほどに整理され,判例理論の明快な説明がされていますので,試しに一度目を通されることをおすすめします。
基本書を読んでも理解進まないという場合には,当該分野・項目に関する判例(なるべく新しいもの)の調査官解説を読むという方法がおすすめです。

ともあれ,まずは,学説(自説)をいわば木の幹として押さえることが優先です。自説を幹として,それとの対比(距離)で他の説を考えていくと,意見複雑に対立している学説も整理して理解できるからです。

ここで私が基本書の批判をしても生産的でないので,結果無価値論をベースにした基本書の中からお勧めをいくつか挙げさせていただきます。行為無価値論をベースにした基本書は,どれも私にはしっくりきませんでした。
なお,基本書の選択は,個人的な趣味の要素も強いので,あくまで参考程度のものです。有名で定評のあるもの,受験生のシェアが大きいものの中から,自分に合うと感じた基本書を使うよいと思います。

刑法全体についての薄い本としては「刑法」(山口厚,青い方,有斐閣)が秀逸だと思います。
詳しいものとしては,「刑法総論」「刑法各論」(山口厚,有斐閣),「論点講座・刑法総論の考え方・楽しみ方(283号~)/同・刑法各論の考え方・楽しみ方(355号~)」,「刑法総論」(特に共犯論),「刑法各論」(西田典之,弘文堂)あたりをお勧めします。
その他,「刑法総論の思考方法」「刑法各論の思考方法」(大塚浩史,早稲田経営出版)は立場を超えて分かりやすい本として有名です。なお,「受験新法」のバックナンバーが手に入るならば(学校の図書館等),巻末に大塚先生出題の事例問題も掲載されているので,演習面でも役立ちます。

刑法は他の法分野と比べて,学説が入り乱れ,抽象的概念を多分に使ったアカデミックな議論が展開される場面が多く,学説中心の学習になりがちです。しかし,実務家を目指す立場からすると,事件解決に必要な限度で自説を使いこなせれば足りるのです。
刑法では特に,「学説(自説)を基礎にした上で,判例実務の考え方をしっかりと学ぶ」ことを常に意識して学習されるとよいと思います。




調査官解説の補足」の記事について

Q1.調査官解説は、すべての最高裁判例にあるのか。
Q2.調査官解説は、上記であげた時の判例なども含むのか。
Q3.最新判例の調査官解説は、だいたいいつ頃出されるものなのか。


Q1.について,調査官解説は,すべての最高裁判例にあるわけではありません。
Q2.について,『「最高裁判所判例解説 民事篇」,「最高裁判所判例解説 刑事篇」,「法曹時報」に掲載されているもの』を調査官解説と捉えていました(刑訴328条に関する判例解説は,法曹時報に載っていたはずです) 。
Q3.について,上記の意味での調査官解説は,法曹時報に載るものが最新ということになると思います(数年前の判例)。それよりも後の最近の判例は,判タやジュリストの解説を見るのがベストかと思います。




任官,任検」の記事について

Q1.私(maso)の周りで、任官を希望しながら弁護士事務所の就職活動を行っている人たちは、自分は弁護士希望だと言って就職活動をしていたか。
Q2.弁護士を第一希望だと言って内定をもらった後に、任官するからという理由で内定を辞退することには、何の問題もないのか。



辞退前提での弁護士事務所への就職活動に躊躇するお気持ちはよく分かります。
私の周りでも,任官・任検希望であるために,就職活動に踏み切れずにいる同期が相当数いました。

任官するためには,起案等の成績面が良好であること(評価がA又は優)が第一条件ですが,それ以外のところ(教官や配属部の指導担当との折り合い等)も影響してきます。
また,修習を経ると,事前に抱いていた「裁判所」,「裁判官」のイメージが変わってくることと思います。
向き不向きを感じることもあるでしょう。
任官志望が更に固まった人,任官志望に変わった人,逆に撤回した人,さまざまです。
配属部の裁判官らの人柄,民事部と刑事部の雰囲気の違い,修習順序等も進路選択に影響してくると思います。

当初の志望度100%であっても,進路転換は十分にあり得ることですので,弁護士事務所への就職活動はしておいた方がよいです。

Q1.について
任官・任検が第一志望でも,「仮に弁護士として働くとすればこの事務所」というスタンスで就職活動を行っていた人がほとんどです。私の周囲の任官希望100%の人でもそうでした。
面接等で,「任官・任検は考えていますか?」などと聞かれた際には,「任官第一希望です」と答えるのではなく,「任官も考えています」と答えておけば良いでしょう。ポコさんにご質問を頂いてから周りの同期にも聞いてみましたが,皆そうしていたようです。
多少のうしろめたさを感じるかもしれませんが,そこは割り切るか,もしくは,「任官希望で司法試験を受けたが,これから修習していく中で決めたいと思っている。弁護士としては,〇〇の分野に・・・」といった感じで切り抜けるのがよいと思います。
私も面接で,「任検の希望も強いので修習を経る中で決めたい」旨を伝えましたが,それで嫌な顔をされたり,反応が芳しくなかったということはありませんでした(むしろ,パートナーが修習時代に進路選択に迷った話などを聞けて参考になりました。)。

Q2.について
弁護士が第一希望だと言っていたとしても,任官を理由に内定辞退することについては全く問題ありません。
自分の気持ちの面で(内定を頂いたのに)申し訳ないと感じることは当然あると思いますが,それ以上の問題が生じたという話は聞きません。

大手は,任官・任検による内定辞退者が出ることを前提に採用活動をしています。
周りでも,任官内々定(=教官からのGOサインが出た状態。集合修習の起案や二回試験で一定程度の成績を保っていれば任官できる。なお,教官のGOサインがなくても願書自体は出せるが,事実上任官できない。)を得てから,大手事務所の内定辞退をした同期が数名いますが,問題があったという話は聞きません。
中には,採用担当パートナーに任官するか弁護士になるかの相談をした上で,最終的に内定辞退した人もいますよ。

少人数の事務所であっても,誠意を見せて,手厚くフォローすれば大丈夫です(来訪,電話,手紙等)。

任官・任検を理由に内定辞退をして,事務所側から強く引き止められたという話は聞きますが,邪険に扱われたという話は全く聞きません。
励ましの言葉(事務所としてはとても残念だけど,君の決意の堅さは分かった。裁判官として頑張れよ。といったもの。)を掛けられた人がほとんどじゃないかと思います。

自分の中での志望が固まり,客観的にも任官できそうだということが分かったら,なるべく早めに内定を辞退することを心がけておけばよいと思います。
そのときのためにも,就職活動の段階で任官も視野に入れてある旨を伝えておくべきです。




択一」の記事について

Q1.択一対策は、いつ頃から継続していたものか。   
Q2.問題演習は、時間を計って、1日で全科目という試験に近い日程で行ったか。



Q1.について

・・・・以下,転載(一部略)・・・・

Q.①9月から試験までどのようなスケジュールで勉強したか。

第1 質問①について
 授業以外にメインでやったことにしぼって書きます。当時のスケジュール表を見つつ思い出しながら書いているので、抜けているところがあるかもしれません。勉強は週6で、時間については授業のない日は約9時間/日です。

Ⅰ 2008年9月~12月
9月のTKC模試を受けて現実を知り、現状分析。択一を安定させてから論文へ移ることにして(当時は択一:論文=1:4だったため)、12月までは択一:論文=9:1くらいにしようと決め、①百選(手形・商法総則商行為法を除く試験科目のすべてについて全判例。アペンディックス含む。)・重判(民法のみH13~19、他はH16~19)つぶし+②旧司短答過去問(民法のみ)S36~H20を1周+③新司短答過去問(プレ・サンプル含む)を2周。合わせて、④辰己択一答練を受講(復習メインで)。①~③がすべて終了したのが12月6日。そこからTKC模試までは、それらの復習。
論文演習は、友人2人との自主答練(週1回、4時間で2問解く)を無予習でやって検討するのみ。他には、mixiで議論したり、法律雑誌に目を通す程度。

Ⅱ 2009年1月
択一答練の復習(1月17日までに、TKC2回分+択一答練ミス問を2回まわす)。
論文は上記ゼミを脱退したため、自習+mixiでの議論のみ。
下旬は期末テスト。

Ⅲ 2009年2月~3月
択一の配点比率変更を受けて、期末テスト明け(2月頭)から徐々に論文対策の比重を高める。知財論文ゼミ開始(2週間に1回くらい)。択一:論文=5:5くらい。
択一は、短答答練ミス問ファイルを3月のTKCまでに1まわし+判例六法で条文・判例の読み込み+辰己答練。3月半ばにもう一度新司短答過去問のミス問を一周。
論文は、自分で時間を計って新司過去問を書いたり答案構成したり+旧司の答案構成をしたり(構成時間は1問あたり15分以内。手形小切手を除く全科目全問。大体でいうと、事例問題中心に憲法は2周。民法・刑法も2周+平成の問題はさらに数回、商法は1周+平成後期について2周、民訴・刑訴は2周+平成後期について2周)して、新司・旧司再現答案、出題趣旨、新司ヒアリングの読み込みを繰り返し、友人に意見を聞いたり議論したり。あとは法教・法セミの連載や事例研究憲法・行政法、刑事の調査官解説、解析民訴その他の教材を読んだり解いたりつぶしたりして、百選も復習した。下旬に公法系の解答パターンのひな型を作り、その後適宜修正した。

Ⅳ 4月
択一:論文=3:7くらい。
択一は、判例六法の読み込み+短答ファイル(ワードで作った資料+答練解説冊子についている表を綴じたもの)まわし。総択と全国模試をうける。
論文は、全国模試を受け、全科目基本書通読(中旬)、中旬~下旬に論文まとめファイルを作った。下旬は、百選・重判全復習、論文ファイルまわし。

Ⅴ 5月~本番
5月1日~12日の期間で全科目2、3回ざっと確認できるようにスケジュールを組んで、判例六法読み+短答・論文まとめファイルまわし。

・・・・転載おわり・・・・


Q2.について

まず,時間はストップウオッチで計りました(カウントダウン方式)。

問題演習については,

(1)「新司法試験の過去問(プレ・サンプル含む)」
①まず,法務省のHPから問題をダウンロード後冊子状にして,年度別かつ系統ごとにやり( ex.「今日は,平成20年の民事系」等),答え合わせには,「辰己の短答過去問パーフェクト」を使いました。たしか巻末に年度別問題索引があったはずです。
②その要領で全系統全科目を一回ししたあとは,過去問パーフェクトの頭から,分野を区切って解いていきました(年度の区別はなし。)
③その後は,赤マーカーを引いた問題(赤ファイルに綴じた問題に相当)と黄マーカーを引いた問題(黄ファイルに綴じた問題に相当)を中心に解きました。

(2)「辰己の短答オープン」
①予備校に行って,そこで解き,
②家に帰って解説を読みつつもう1回解いて,色分け(記事参照)をして,
③その後は,赤ファイルまたは黄ファイルを回すときに解きました。

全科目全系統を試験日程通りに受けたのは,総択(×2)と全国模試のときです。

(3)「TKC3回分」
①会場で解き,
②家に帰って解説を読みつつもう1回解いて,色分けをして,
③その後は,赤ファイルまたは黄ファイルを回すときに解きました。

なお,短答オープンは解説冊子がB5版なのに対し,TKCはA4版だったので,赤ファイル,黄ファイル,緑ファイルはそれぞれ用意しました。




Q&Aのまとめ2」の記事について

Q.民訴,刑訴の他に新しく習う科目についても授業に平行して問題演習をした方がいいか(1年後期から刑訴民訴に加えて、商法、行政法が新たに加わる)。

刑訴・民訴は積極的に問題演習をした方がよいと思います。
この2科目に苦手意識が付いてしまうとまずいです。

「行政法」=行政法総論ということを前提にすると, 上の記事で「Q.行政法(総論)の学習についての方向性」に対するお答えとして掲載したとおり,行政法総論も問題演習をしながら身につけていくのがベストだとは思います。
もっとも,刑訴,民訴に加えてということになると,そこまで手が回らないと思われますので,問題演習は,春休みに行政救済法の分野の自習と合わせてやることにして,今は行政法の枠組みや特有な概念の理解に努めるのがいいのではないでしょうか。

「商法」というのは,主に会社法ですよね?
授業と平行して問題演習ができればベストだと思います。
会社法は,条文数が多い上に会社の種類や機関構成によって条文操作が細かく変わってきます。典型論点等における条文操作は,問題演習を通じて身につけるのが効率的です。
もっとも,会社法についても行政法と同様,刑訴,民訴に加えてということになると,いささか大変かもしれませんので,手が回ればやるということでよいと思います。

私が同じ立場でもう一度やるとしたら,問題演習の優先度は,刑訴≧民訴>商法>>行政法という感じだと思います。

後期はインプット・アウトプットのバランス(ex.予習は軽めにして,授業を聞いた上で,復習として問題演習をしっかりやる)や内容(ex.アウトプットは答案構成のみにして,その代わり多くの問題にあたるようにするとか)をいろいろと変えてみて,ちょうどいいところを探ってみるいいのではないでしょうか。
科目が増えてくると大変だとは思いますが,ここが正念場だと思って頑張ってみてください。




答案作成のプロセス」の記事について

Q.以前の記事(「思考過程をそのまま論述することの大切さ」)に,「ABCは誰でも書けるだろうから、あるいは前提にすぎないからほとんど書く意味のない問題だった。それでもABCは軽く触れたし」ということを書いていたが、事例を解くにあたり、ここがABCにあたる部分だ、と判断できるようになるには、あるいはここが基本部分であり点がふってある、と判断するにはどのように訓練したらよいか

今回の記事中の論述例は,丁寧に書くとすればこうなるのではないかという例として書いたものですので,いつでもこのように書くべきであるという趣旨ではないということを前提として,ご質問にお答えします(※論じるべき個所が複数ある問題であれば,論述のバランスを考えて,個別論点の論証をよりコンパクトに展開していく必要があります。)。

この事例をみれば,被告人の員面調書の任意性の問題だなということはすぐに分かりますよね。
そして,六法を開いて,刑訴法322条1項ただし書きと同法319条を見ながら書いていくということになると思います。しかしそこで一度立ち止まって考えて欲しいのです。そのまま書き始めると,⑧の問題提起から論述を始めてしまいがちです。丁寧に考えてみれば分かるとおり,①~⑦の思考のプロセスを経て初めて⑧の問題提起が意味を持ちますよね。
特に典型論点が出題された場合,問題の所在(⑧の部分)をすでに知っているために,①~⑦のプロセスを踏まなくても書けてしまうという状態が生じます。加えて①~⑦は,あまりにも当然のことなので省きたくなります。しかし,このときに意識的に①~⑦を書くことが大切です。多くの問題では①~⑦が基本部分に当たると思います。

訓練というほど大それたものではないですが,典型論点―平均的な受験生ならば知っていると思われるもの―では①~⑦を意識的に書くようにしてみるとよいと思います。論述をコンパクトにしていくのは後からでもできますので,まずは丁寧に書いてみる練習をされるとよいのではないでしょうか。

応用論点―受験生の大半が知らないと思われるもの―については,勉強の進み具合によって,問題の所在をすでに知っているかどうかが分かれてきます。すでに知っている場合でも,「この論点は知っている!」と思って飛びつくのではなく(前回の記事にいうDばかり書いてしまう状態),典型論点の場合と同様の注意が必要となります。問題の所在を知らない場合には,普段の学習において,あたりまえのところから1つ1つ考えていくクセが身についていれば,(例えば今回の記事で記載したように)問題の所在をつかむことができるようになるはずです。

 長々と書いてしまいましたが,ご質問に対する回答をまとめると,「自分が頭の中で(瞬間的に)考えたことを,1つ1つ解きほぐして,順序立てた上で,丁寧に書いていく」ことを意識的に練習するとよいのではないかと思います。




→ 続きは,「Q&Aのまとめ1-2」へ

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No title

今、法学教室の事例で考える会社法を読んでいます。
No.345(2009 6月号)の第9回設問2(持分会社の社員が他の社員の同意を得ずに取引をした場合)について疑問があり、質問させていただきます。

P.84の設問2の解説では、本問の会社は業務執行社員を定めていないことが前提とされているように思います。
しかし、問題(P.80)の(2)一行目を見ると、「定款上、Bが代表社員」となったとあります。
私は、代表社員は業務執行社員の中から選ぶので、Bは業務執行社員であると考えたのですが、この理解は誤りでしょうか?

Aについては問題文中に業務執行社員である旨は書かれていません。そうすると、本問は業務執行社員たるBが会社を代表して取引した場合であると思うのですが、違うのでしょうか?

よろしければお教えいただけると幸いです。

No title

>suzuiさん

ご質問ありがとうございます。

本日,法学教室の問題を書店で確認しました。
お返事が遅れてすみません。

第1 制度の仕組み
条文から素直に考えると,次のようにいえると思います。
①業務執行権について
【原則】
 持分会社においては,原則として,社員は持分会社の業務を執行することとされている(590条1項)。
【例外】
「業務を執行する社員を定款で定め」ると,業務執行権を持つ社員が限定される(591条1項)。
②代表権について
【原則】
 業務を執行する社員は代表権を有する(599条1項)。
【例外】
「業務執行社員の中から持分会社を代表する社員を定めた場合」には,代表社員のみが会社の代表権を有する(599条3項,4項及び5項)。

第2 A及びBの権限・地位
 1 Bについて
 (1)①【原則】から,Bは業務執行社員である。
 (2)「定款上、Bが代表社員」とされている(=②【例外】)から,Bは代表社員でありBのみが代表権を有する。
 2 Aについて
 (1)①【原則】から,Aは業務執行社員である。なお,本問では,①【例外】の定めはない。
 (2)②【例外】から,Aは代表権を有しない。

第3 問題状況の把握
 1 suzuiさんが「Bは業務執行社員であると考えた」のは正しい(第2の1(1))。
 2 Aについては,問題文中に業務執行社員である旨が書かれていなくとも,当然にその会社の業務執行社員である(第2の2(1))。
 3 以上を前提として,本問(設問2)の問題状況を考えると次のようになる。
当該持分会社の代表権はBのみが有するところ(②【例外】),Bの代理権は包括的・非制限的代理権であるから,相手方との取引は原則として有効に成立するはずである(599条4項,5項)。
しかし,Bは,本来,当該持分会社の業務の決定にはAとB双方の同意が必要であるにもかかわらず(本件では,AとBに業務執行権があり,590条2項の適用がある),Aに無断で,2号店を出店するための用地を甲会社名義で購入している。
そうすると,代表権のある者が内部的な意思決定を欠いた状態で取引を行っているということができ,これは「取締役会の決議を経ずにした代表取締役の行為の効力」についての問題状況と近似する状況である。

No title

ご回答ありがとうございました。
自分の思考過程と照らし合わせて復習することができ、とても助かりました。
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弁護士(63期)。いわゆる大手渉外法律事務所で働いています。

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