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Q&Aのまとめ2

こちらでは主にメールでのご質問に対する回答の一部を転載します手書き風シリーズ星
なお、個人的な事柄に関わる部分等は削除・改変してあります。
こちらも、新しく質問をいただき回答した場合には、適宜追加していきます。




Q
第1 試験合格に何が必要か
第2 何をいつまでにどの程度やるのか
第3 こうしておけばよかったこと
第4 オススメ事項


第1 何が必要か
 私は、学部時代に予備校に行くこともなく、司法試験も考えていなかったため、法律の勉強は期末テスト前に必死に間に合わせるという典型的な法学部生でした。ですから、「試験を目標に据えて勉強する」ことについては、ロースクールに入ってからの対策がすべてです。
 まず、試験合格に何が必要かということを知るためには、新司法試験がどういうものかを分析し、自分の現状をしっかり把握する必要があります。
(1)新司法試験の過去問(短答・論文)を法務省のホームページからダウンロードして「時間を計って」解く。
 時間もかかりますので、長期休暇の時が良いと思います。とにかく妥協せず時間はしっかり守ってください。1人だと心が折れそうだということならば、友達数人とゼミ形式でやるとよいでしょう。
 解けない・書けないはあたりまえですから気にしないことです。というかスラスラできるならばもう対策する必要はないわけですから、できないことを自覚するためにやるんです。
(2)短答は解説付きのもの、論文は再現答案を使って自分の解答と照らし合わせてみる。
 短答について答え合わせをするときは、科目ごとの特色をつかむように見ていきましょう。つまり、憲法は判例を突っ込んで聞いてくる問題が多いな、行政法は行訴・行手の条文を覚えなきゃ解けない問題も出るのか、民法は、判例の結論だけを聞くんだな、刑法はパズル的・・・などなど。
 論文についてみるときは、学者の書いたやつ(「新司法試験の問題と解説200x年」とか)はダメです。必ず、「その年の受験生が時間内に解答したもの」を参照してください。要は、ローで2年ないし3年勉強した奴がどれくらい書けるものなのかを知るんです。
 いろいろな種類の答案(超上位、上位、普通、ギリギリ合格、ギリギリ落ち、ぶっちぎり落ち)をそれぞれ検討してみましょう。自分が合格者の答案について全体的にどういう感想を持つか、どうしてその答案は読みやすいのかを考えて読むといいと思います。逆に、上位答案でも、何だこんな程度か、ここ間違ってんじゃないの?、よく言ってることが分かんないんだけど・・・などの感想を持たれることもあると思います。けれどそれでよいのです。上位の人でもたくさんミスをしている、ということを知るということが大切です。不合格答案は、なぜ不合格なのか、知識としては合格者と変わらないように見えるのになぜそこまで点数差がついているのかを意識して読んでみてください。  
(3)次は、出題の趣旨・ヒアリングを読みます。
 気づくわけのない論点や書けるわけのない視点盛りだくさんです。ヒアリングにしても、「8科目時間内に解いてみろよ!」と叫びたくなるようなお上目線の意見満載です。けれど、そんな中にもヒントはあります。過去数年間のヒアリングの中で繰り返し強調されていることはどこかに着目して読み込んでみてください。そこで気付いたことがあれば、適宜メモを取るのがよいでしょう。
(4)このような作業を経れば、あと数年でどのレベルまで持っていく必要があるのか、少しはイメージがわくと思います。もっとも、行政法についてはまだ学習されていない場合もあるでしょう。ですから、(1)ないし(3)の作業はもう少し学年が上がってからするのでも問題ありません。 

第2 何をいつまでにどの程度やるのか
 上記2のプロセスを経れば、自分に足りないものが分かるはずです。漠然と「できなかった」と思うのではなく、より客観的に、なぜできなかったのか、それは知識量なのか、問題分析が足りなかったのか、時間内での処理能力なのか、書き方なのか等々とことん追求しましょう。
 これらの作業で自分の足りないものを認識したならば、その差を埋めるにはどうしたらよいのかを考えてみましょう。知識量→基本書を読み込む、時間内に考えきれないのは問題演習量の不足が原因だろう→問題演習量を増やす、などの直接的なものから、さらに、科目ごとに、インプットをメインにするのか、アウトプット主体でいくのか、教材はどれを使うか、などなど。
ここで大切なのは、差をどのように埋めていくにせよ、多くの受験生がやっている(あるいはこれからやる)であろうことを基準に考えることです。ブログ内記事でも紹介したとおりですが、誰もがやっているようなところの知識・理解で差が付いてしまうと致命的です。他の受験生とは違う一歩進んだ学習をして、差をつけようという思考はしないでください。みんながやるであろうことをやるんです。
つまらない例で申し訳ないですが、
①憲法は短答で判例がたくさん聞かれるから対策として判例知識は最優先だな。   
②受験生が絶対に押さえてくる判例ってなんだろう。
③百選は周りもみんな持っているし、他のローでも当然使うだろうし、百選というくらいだから重要なんだろう。
④とりあえず、百選は徹底的にやろう。
という感じです。
 まわりの受験生のレベルが分からない、ローの同級生のレベルが受験生全体のレベルと比べてどうなのかわからないからみんながやるであろうことが分からない、という悩みについては、合格率の高いいわゆる上位ローに通っている友達に様子を聞いてみたり、予備校模試を積極的に利用してみたりして、解決してください。
 いつまでにどの程度やるのか、という問題については、自分の現状をどのように把握されたかによって異なります。何にせよ、「目標に対する対策をとる」という場面では、スタート(現状)からゴール(目標)を目指すのではなく(このような思考だと結局何をしてよいか分からなくなります。)、 いったんゴールからスタートへ戻り、スタートから方向を定めた上でゴールを目指すことが重要だと思います。
 一応の方向性を定めたら、「悩むよりやってみる」ことです。うまくいかなかったなら、途中で修正していけばよいのです。初めから完璧な対策などありえませんし、そのようなものを求めていたのでは、いつまでたってもスタート地点で右往左往するばかりです。対策の立て方の概要については、ブログの記事を参照してみてください。

第3 こうしておけばよかったこと
 今思えば、やってみて効率的でなかったこと、結局試験対策にならなかったことなど山ほどあります。その中でも、こうしておけばよかったと思うのは、①もっと早く試験対策を始める、②もっとローの先生を活用、③もっと論文を書く時間を取るといったことでしょうか。
①については、私自身本格的に対策を開始したのが去年の今くらいの時期ですから、相当焦りました。
②については、特定の先生以外活用しなかったのは良くなかったかなと思います。せっかくその分野のエキスパートが身近にいるのですから、質問のレベルなど気にしないでちょっとでも分からないところは聞きまくるべきです。
※質問の際の注意点として、「この論点がわかりません」というようなおおざっぱな質問は避け、
 「この論点について質問があります。私は~(理由)から~のように考えたのですが、そうすると・・・の記述と整合しないように思えます。どこがまずいのでしょうか。」
というように、自分の思考過程を説明しつつ質問すると、疑問解決に直結する望み通りの回答をもらえると思いますよ。
③については、論文対策はインプットとアウトプットのバランスを取るのが難しく、思考錯誤してやっていたのですが、結果的に論文をまともに書く時間が少なくなってしまったのが悔やまれます。
 これらのことは今思えば、ということで、実際に当時これらを勉強過程に組み込むことができたのかと言われれば、おそらく無理だったと思います。

第4 オススメ事項
 旧司・新司合格者のブログ、本や冊子になっている合格体験記を読みあさることです。合格者が共通してやっていることを見つけてみてください。
 (辰己ライブ本についての質問に対して、)今はライブ本は高いですよね。私は、ライブ本が復刻される前に買ったので、今より安かったのです。とはいえ、少なくとも、「民法(貞友)」、「民事訴訟法(和田)」の2つは他を差し置いてダントツに良いです。アマケンさんの受け売りのようですが、これはマジでおすすめです(笑)。基本書1冊我慢して、手を出してみても損はありませんよ。なお、ロースクールや大学の図書館が利用でき、「ハイローヤー」のバックナンバーをチェックできるならば、ライブ本のつづき(H17、18年の旧司)が掲載されています。試しにそれを見てみるのもよいのではないでしょうか。




Q.「あらためて」の記事の最後にある友人へのメッセージについて、「定義・条文趣旨、制度趣旨、制度の仕組みの理解、制度の沿革、他の法律概念とのつながり等をより確実にすること」とは

民法や憲法を例に挙げて補足します。
①定義
例えば、民法でいうと法律行為、意思表示、取消し、錯誤、物権、対抗要件、債権、などの基本的な法律用語をしっかりと理解することが必要です。これはなにも教科書に書いてあるような定義を一言一句間違いなく書けるようにするというわけではなくて、概念の内容を理解し、自分の言葉で説明できるようにするということです。1人でやらずとも、友達と確認し合うのでもよいです。
一見地味に見えますが、法律上の概念を理解することはひいては科目の理解、得意・不得意にもつながりますので、しっかりやるべきです。
②条文趣旨、制度趣旨、制度の仕組み
例えば、意思表示の取消し、時効、債権者代位・詐害行為取消、債権譲渡の対抗要件、危険負担、連帯債務、保証などについて、「その制度が一体何のために存在しているのか」という部分(基本書等でその分野の一番初めに書いてあるところ)を丁寧に理解するということです。
〇〇先生の最新学説とか、通説はもう使えないとか、これより先の個々の議論に目を奪われがちですが、大事なのはすべての議論が元にしている根本部分であり、それが条文趣旨・制度趣旨にあたります。
 制度の仕組みとは、制度趣旨とも被りますが、債権譲渡の対抗要件制度を例に挙げれば、
「通知承諾によって債務者に現在どこに債権が帰属しているかの情報が集まるようにしてある」ということなどです。これらを理解することによって、その先のこまごまとした論点の学習が楽になります。例えば、債権譲渡の対抗要件について通知の同時到達のときどう処理するかという論点を、判例は上の制度の仕組みからきれいに論証しています(百選を見てみてください)。
③制度の沿革
これは、どのようにしてその制度が生まれたか、どこに意味があるかということですが、主に憲法の学習で重要性を持ちます。憲法の個々の人権がどのような歴史を経て保障されるに至ったか(いわゆる4人組(=有斐閣の憲法Ⅰ・Ⅱ)でいえば、各人権の一番初めのところに書いてある)という部分です。そこにはその人権が保障されるべき理由が書いてありますから、実際の論述でも、その人権が保障される理由をコンパクトに書いて→その核心が害される場合には、当該人権が強く保障されなければならない→本件では核心部分が規制対象となっているから違憲審査基準を厳しくすべき。というように書くことができ、憲法答案の原告の主張に説得力を持たせることができるのです。
④他の法律概念とのつながり
これは、民法でいえば、取消と解除はどこが同じでどこが違うか、時効と除斥期間は?履行遅滞・履行不能・不完全履行の関係は?債務不履行と不法行為は?地上権と賃借権は?連帯債務と連帯保証は?所有権と他の物権の関係は?典型契約はどのようなものがあるか、
憲法でいえば、精神的自由権と経済的自由権、表現の自由と信教の自由、学問の自由の関係、国会・内閣・裁判所の相互関係などです。
さらに、同一科目にとどまらず、刑訴と民訴、憲法の統治と会社法の機関構成、刑法と刑訴のつながり、民法と民訴のつながり、なども含みます。
これらをしっかりと理解することは、①の定義をしっかり理解することともつながりますが、当該科目を得意にするためには避けて通れないところです。

メッセージの意味は具体的にいうと以上のような感じです。
これらの学習は、基礎で、かつとても大事な部分ですが、残念ながらほとんどのローではこれらの学習には焦点があてられていないと思います。
①~④は各自自習でしっかりと補っているという前提で授業が進んでゆきます。
ですから、友人にはもう一度基礎に立ち帰って、しっかりと理解しているかどうか確認していってほしいという趣旨でメッセージを送りました。




Q.行政法(総論)の学習についての方向性

民法の学習を思い出してほしいのですが、民法総論ってパンデクテン方式に則って、
意思表示とか、取消しとか、代理とか、時効とか、すべての分野(親族・相続除く)に共通する部分を吸い上げて構成されていますよね。
それでたいてい民法総論から習っていくわけですが、おそらく初めは、意思表示の概念もいまいちピンとこないし、?だらけで、なんのこっちゃという状態であったはずです。けれど物権、担保物権、債権総論、契約、不法行為・・・とやっていくにつれて何となくわかってくる。
一通り学習を終えてあらためて民法総論の部分を復習してみると、ああなんだそういうことか、と思った経験があるはずです。
今になってみてみれば、共通項すべてを正確に吸い上げようとすると、小難しい概念・定義になってしまうのだなということが分かるはずです。

これと行政法総論部分の学習は結構似ているところがあります。
しかも行政法総論は、「行政法」という成文法典がなく、概念だけで構成されているのでもっと分かりにくい。
行政処分、行政指導、行政計画、行政契約、規則、命令、許可、特許、認可、確認、
職権取消、撤回、附款、公定力、不可争力、行政裁量、取消うべき瑕疵、無効の瑕疵・・・
などなど抽象度の高い概念ばかりです。
単純な例として、基本書等を見ると、
≪許可とは、法令による相対的禁止を特定の場合に解除することを法効果とする行為である。
特許とは、国民に対して、国民が本来有しない(とされる)権利や権利能力等を設定する行為である。
たとえば、〇〇、△△・・などがこれにあたる。もっとも、許可・特許というのは、実質的な概念であって、個別法に「許可」とあるからといって、必ずしも行政法上の許可にあたるわけではないし、特許であれば「特許する」と書いてあるわけでもない≫
なんて書いてある。極めて抽象的だし、その先がないんですよね。
それで、結局何なの?具体的にどういう場面で意味のある概念なの?というところが書いてない。
実際には、裁量逸脱濫用の違法事由を主張する場合に、
「本件法律は、もともと自由な行為について~の観点から規制し、当該規制を要件を満たす場合に個別に解除する仕組みをとっているから(許可)、行政側が要件該当非該当を判断するときに~の観点以外の事由を考慮することはできないと考えるべき。行政側の裁量の幅は狭いのだ。」
という感じで使えるわけですが、そんなことはどこにも書いてない。
おまけに、授業では概念もままならないまま大量の判例を読まされるわけですから、
行政法っていまいちピンとこないと思われるのも無理ありません。

ではどうすればよいかというと、行政救済法を一通りザッと学んで、事例研究行政法などを使って問題演習をすることです。
いままで学んだ知識(教科書・判例)は、問題を解く上でどの段階で使うものなのか、どれが必要かを理解することが目的です。
これをやることによって、先程の民法の例のように、ああなんだそういうことかと思えるようになると思います。
もちろん今は日々の予習等に追われて時間もないと思いますから、春休みなどを使ってやってみてください。
逆に、救済法をやるまでは、イメージを持ちづらくても概念の定義の知識を正確にしておくと後々役立つと思います。判例知識よりも、まずはこっちの方が重要です。
たとえば、行政の行為をその性質にしたがって区分けすると、こうなる。行政処分と行政指導はここが同じでここが違う。取消と撤回はここが同じでここが違う。などを理解し、自分で説明できるようにすることです。また、訴訟の内容に関するところ、たとえば、公定力、取消うべき瑕疵・無効の瑕疵などについては、なんでそんな概念が必要なのか、取消訴訟の排他的管轄はなぜ取られているのか、なぜ瑕疵を2つに分ける必要があるのかといった点を意識して学習するとよいです。
民法などと同様に、行政法でも、できるだけ制度趣旨や根本から考えるクセをつけましょう。

さて、まずは概念をとはいっても、行政法では判例の知識が超重要です。
でも肝心の百選は、どうでもいい判例が多くて(特にⅠについてそう思う)、頭から読んでいってもなかなか難しいですよね。そこで、学習用判例教材として私が読んだ中でお勧めできるのは、
判例行政法入門」(有斐閣、芝池義一)・・・※リンク先はアマゾンです。
という本です。この本は、一応行政法を体系立てた上で、その中に判例の抜粋をコンパクトに位置づけてあるという点で優れています。私がローで行政法総論を学んでいたとき、何かコンパクトに判例を体系立ってチェックできる本はないかなと図書館で探し、よさそうだと思って借りた後、何回か読みました。合う合わないはあるかと思いますが、頭の整理に少しは役立つかもしれませんので、何かの機会にお手にとってみてください。

行政法は、事例問題を、事案分析+ほぼ初見個別法規の解釈(これが8割位)+行政法の「視点・考え方」(総論)とわずかな条文(救済法・手続法・国賠)を使って(これが2割位)解く科目ですから、実は覚えるべきところは極めて少ないんです。しかも、新司法試験では前半の8割の部分についてたくさん誘導がありますし、後半の2割についてもどの部分を書いてほしいか、どの手段を使ってほしいかの誘導があります。
ですから、問題演習を通じて行政法の解き方を身につけてしまえば、安定して高得点を見込めるかなりおいしい科目ですので、ぜひ得意科目にしてくださいね。




Q.ローでの成績発表の受け止め方

これもまたロー生を悩ませる要因ですよね。
相性もありますし、私は、自分の好きな先生、いいと思った先生、あるいは元試験委員の先生から評価してもらえていればそれでいいやと思うようにしていました。そんな姿勢でいると、ちょっと嫌だな、あんまり合わないなと思う先生についても、テストでいい点取ってひと泡吹かせてやろうと逆に頑張れたりしました(笑)
受けたテストの結果なんて、所詮数か月も前のことですから、それが自分にとって芳しくない結果だったとすれば、しっかり反省して同じ失敗をしないようにどうすればいいか考え、次に生かせばいいんです。ですからどうか悔しさをばねにして前向きに!

Q.(ロー1年時で)基礎的な部分がキチンと身に着いているかについてのチェック方法

民法と刑法は、民事系・刑事系科目、ひいては実体法学習の土台となる極めて重要な意義を持ちます。試験科目の中でも「苦手意識を作ってはいけない度」が高い科目として、しっかりやる必要があります。(民訴・刑訴はこれらを前提にした法分野ですし、会社法・商法もそこかしこに民法の話が出てきます。行政法・憲法も、これらとの関係なしには勉強できません。)
1年生のころは、この2つは他科目に優先させて徹底的にやることがよいのではないかと思います。

私がアーティクルの論点表でチェックしたのは本当に最後の最後に、フルに受験勉強した状態で基礎知識に穴がないかをもう一度網羅的に確認するという趣旨でしたので、今の段階(1年次)でこの方法は勧めません(今やったとしても、結局わからないところやあいまいなところで色々と資料を参照することになり非効率です)。(本の)「目次などをつかって内容をキチンといえるかという方法」は、私が最後の最後にアーティクルの論点表で確認した方法とほとんど同じですので、やはり勧められません。ですから、論点だけを確認するような資料での勉強をメインにするのはやめておいた方がいいかと思います。

1年時後期の勉強について、基本の確認には、
民法については、まだ現段階では知識が量や正確性ともに不十分な面もあると思うので、基本判例・条文・(条文・制度)趣旨・要件・効果のインプットを、判例百選・六法・基本書を使ってひたすら地道にやるのがよいです。身についているか、という観点からの確認作業はもっと後でいいと思います。

刑法については、論文問題をたくさん解く方法を勧めます。刑法の場合、いくら基本書を読み込んでも埒が明きません。自説をある程度理解したら、それを使える形にするために実践練習をするのが実力アップに一番効果的です。
また、刑法でのアウトプット学習は次の点でもおすすめです。
①問題を解くのに華々しい学説の対立がいかに無意味か(事案解決には、通説や判例で十分だということ)が分かる。
②論理的に考えないとできない=基本から積み上げていかないと解答できない(あやふやだとすぐ分からなくなる)ため、基本の理解の確認になる。
③ロジックのくみ上げ方を練習しておくことが、論理問題の多い短答対策に直結するため、後になって役立つ。

これから後期にやる(であろう)科目について、おすすめは、各回の授業に並行してその分野についての論文問題を解くことです。
たとえば、うちのローでは、1年後期に民訴・刑訴があったのですが、私は各回の授業の復習としての位置づけで、その分野の旧司論文過去問を解いていきました。旧司の論文過去問は、だいたい①基本の理解を聞く問題と、②その理解からすると応用問題はどう考えられるのかを聞く問題で構成されていて、基礎知識がしっかりしていればそれで解けるようになっているため、基本確認にもってこいです。
※とくに、民訴・刑訴は、旧司に択一がないためか、論文の段階で受験生の基本知識・根本の理解を確認する問題が毎回のように出されています。
※やったのはほとんど答案構成のみです。Wセミナーのやつに過去の全問が載っているのでそれでやりました。ただし解答例ははっきりいって終わってるので注意。LIVE本にのっている問題はそっちを参照しました。

なお、新たな科目について、授業に合わせて当該分野の短答問題を解いていくという方法は、あまりオススメできません。なぜなら、第一に、知識として知っているという段階でも解けてしまうため、自分がそこをしっかり理解しているかどうかの確認になりづらく、第二に、短答でしか聞かれない分野というのが結構あり、現段階でそこに力を注ぐのは無駄だからです(枝葉の部分にすぎない)。
逆に、論文には出るが短答には出ないという分野はないため、論文によく出てくるところは短答にもよく出るところということになりますから、そこを潰すのが効率的です。また、論文問題として解けるのに、短答として聞かれたら解けないということはまずありませんから、その意味でもお得です。

なお、今の時期に「網羅的な知識の穴」を気にする必要はありません。
それよりも、現段階の自習では、身に付けた基本的知識を使ってどうにかこうにか考えて問題を解くという練習を積み、頭の使い方に慣れておくことが重要です。
また、どんな勉強でも基本部分が一番大事であることには違いなく、司法試験対策としては基本部分をみっちりやるという勉強が最適だと思いますが、ある種のつまらなさがあることも確かですので、今の時期は、自習以外の面(ローでの授業とか)では、もっと知りたいという欲求を抑える必要はないと思います。。授業でやる先端的な知識も、試験的には要らないなと思っても「一応」興味を持って勉強してみると、意外な発見があったりします。
私自身、試験を意識してやりはじめるまでは、いろいろと手を広げていました。
※3年の9月からは、「自習勉強では基本的部分をメインにして重点的にやる、発展部分をやりたかったらやってもいいがそれはあくまでサブであり、①その日の勉強ノルマが終わっていて、かつ②気が向いたら、家に帰ってからやる」ことに決め、愚直にこれを実行しました。

ローでの授業と自習のバランスは非常に難しいですが、どっちも中途半端ということだけは避け、決めたことはやり、後は自分のペースで、適度に息抜きしつつがんばるのがベストだと思います。




Q.会社法の勉強方法について,短答だけでなく、論文でも細かい条文が聞かれているが、どのように対処すべきか。

条文を読む。これに尽きると思います。
それによって,今は「細かい」と感じる条文も「普通」に変わると思います。
ただ,一見して明らかに瑣末で重箱の隅をつつくようなものは,無視してかまわないと思います。
何が瑣末なのかについては,以下に述べることをこなしていけば,おのずと自己判断できるようになるはずです。

特に会社法の短答では,条文知識がそのまま聞かれることが多いので得点に直結しますし,論文についても,「大体このへんにあの条文があったはず」という感覚を持っておくことが大変役立ちます。
(1000条近い条文数に嫌気がさすこともあるかと思いますが)短答にせよ,論文にせよ,会社法を得点源にする一番の近道は,条文を読むことだと思います。

とはいうものの,これでは身も蓋もないので,より具体的に,条文対策という観点から,会社法の短答,論文それぞれでどのように対処していけばよいかについて,私の考えをお伝えします。
もう実践されていることがあるかもしれませんが,その辺は読み飛ばしてください。

まず,短答については,問題演習(何はともあれ,新司の過去問)をして,答え合わせの際に,問われた条文にチェックを入れておきます。複数回問われている場合には,それも分かるようにしておきます(”正”の字とか)。
これを全ての年度についてやってみると,集中して問われる分野や条文が分かるはずです。
その上で,先ほどチェックした条文を中心に読んでいくのが効率的かと思います。

次に,論文について,法学教室巻末の事例演習は,典型論点の処理に使う条文の操作方法を身につけるには最適です。法学教室の連載(「事例で考える会社法」)は,極めて新司向きですので,仕上げにはおすすめです。
巻末の事例演習は,論点としては基本的なものが多いですが,とてもいい教材だと思います。
少なくとも,葉玉100問よりはおすすめできます。
司法試験といっても,巻末問題レベルの問題を適切に処理できるかどうかによって勝負が付いているというのが実情だと思います。それらの論点すら処理できない人が多数だと思います。
問題演習では,有利発行の問題なら,これらの条文,不公正発行なら,これらの条文・・・というように,問題を見たときに,条文が頭にスッと浮かぶようにすることが目的です(注:どの条文か暗記しておくという趣旨ではありません。)。
そのような問題演習を積んでいくと,前記の短答対策としての条文読み込みとあいまって,論文問題を解く際に,条文がパッと頭に浮かぶようになるはずです。少なくとも,あたりをつけることは可能になります。

個人的な意見ばかりのべて恐縮ですが,私は上の方法で,会社法の苦手意識が吹き飛びました。
条文読み込みをこなすと,短答の得点が安定しますし,論文にも役立ちます。
遠回りに見えて,一番の近道です。是非おすすめします。




Q.憲法の試験対策

憲法については,書き方(答案の形・問題に対するアプローチの視点)を身につけることを意識するとよいと思います。

憲法の答案では,マクロな視点で「原理と原理のぶつかり合い」を答案上に示すことが大切です。
憲法の答案は,つまるところ純粋な三段論法なので(おおざっぱにいえば,【原告】①憲法上の権利→強い保護,②原告側の事実関係→憲法上の権利,③原告の事実関係→強い保護→審査基準厳格。【被告】①公共の福祉→人権の制約可能,②被告側の事情→公共の福祉,③被告側の事情→人権の制約可能→審査基準緩やか。※これが基本で,加えて①,②,③の段階で細かく議論していき,権利の性質のみでなく,制約態様も考えていく。),答案の枠を理解することが有用です。

原告側の論述では,人権保障の根拠(その人権が強い保護を受ける必要がある理由)をしっかりと理解しておけば書けるはずです。とにかく原理原則から説き起こすことです。
被告か私見の論述では,原告側の事実関係では人権保障の根拠が妥当しないことを示した上で+判例知識を活用して書きましょう。

これを身につけるのにおすすめの教材は,なんといっても法学セミナーの宍戸先生の連載(先月号で完結)です。この連載に新司法試験合格に必要なエッセンスのすべてが詰まっていますし。現在,これ以上のものはありません。人権が保障される根拠を押さえると共に,この連載を何度も読み込んでみてください。連載のいわんとしているところがおぼろげながらでも掴めてきたら,新司法試験の問題を使って実践してみてください。連載⇔問題を行き来しているうちに,開眼します。問題が足りなければ,「事例演習憲法」を使ってもいいと思います。宍戸連載を読み込んでいけば,予備校の論証パターンがいかに陳腐かわかるでしょう。

さらに肉付けしたいときは,同じく法セミの蟻川先生の連載に目を通してみてください。こちらは文章は堅いですが,内容はかなり濃いです。

判例百選や重判の読み込みも大変有用ですので,それは継続していただいて,アウトプットの実践編として,宍戸連載をガイドブックに新司過去問等を使って練習していくというのがいいと思います。
この時期ならみっちりやってもまだまだ余裕があるはずです。

難しく感じることもあるかもしれませんが,やってみてください。
やって後悔することはないことを保証します。

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

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ロー1年時の勉強に関して

はじめまして。お忙しいところ申し訳ありませんが、質問させてください。
ロー1年はやはり、刑法以外(民、憲)は、論文にはあまり手を出さず、基本書を読み込むことを中心に据えたほうがいいのでしょうか。

No title

>NNさん

ご質問ありがとうございます。

NNさんは,今年の4月に未修でローに入学された方であるという前提でお答えします。

第1 民法について
誤解を恐れずに言えば,ローにおける民法学習の主目標は,司法試験の本番で試験問題を解き,合格点を取ることができる力を身につけることにあるのですから,試験で求められるアウトプットを意識して,そこからインプットのあり方を考える必要があります。そうすると,本来であれば,刑法と同様に論文問題を使って学習するのが望ましいはずです。
しかし,民法の論文問題(旧司,新司など)の場合,総則・物権・債権(さらには,親族・相続)の各分野の理解を横断的に問うとともに,落としどころのバランス感覚(事案解決における利益衡量)を見ようとする問題が多いです。このような問題は,「当事者の求める法効果を実現する民法上の手段を同時に複数構成し,立証の難易等を考慮した上で,それらを順位づけ,取捨選択できるかどうか」を確認するのには最適なのですが,民法学習の初期において,各分野ごとの知識・理解の確認を目的として使うには具合がよくありません。

民法の学習が全体に及んでいない段階では,総合問題を解いていくよりも,上記記事(Q&Aのまとめ2)内にも記載させていただいたとおり,基本判例・条文・(条文・制度)趣旨・要件・効果のインプットを,判例百選・六法・基本書を使って地道に行うのがよいと思います。ここでいうインプットは,やみくもに暗記をするという意味ではなくて,理解するという趣旨であることはいうまでもありません。
なお,今の段階で,各分野の知識・理解の確認のために事例形式の設例が欲しいというのであれば,ケースをもとに考察していく基本書を使って,その事例だけを見て,法律構成をすることができるかどうかを確認すれば足りるでしょう。

学習が進んで,民法全体を一通り学んだ後ならば,全体の確認の趣旨で論文の総合問題にあたることは,大変有益です。分野を跨いだ類似制度の比較問題や,同一の法効果をもたらす手段を複数検討する過程の中で,自分の理解の不十分さに気付いたり,より深く理解することができたりして,非常に高い学習効果が期待できるからです。
民法全体を学んだ折には,積極的に論文問題にあたられるとよいと思います(ただし,新司の問題の場合,要件事実論の基礎を学修したことを前提とした設問も多くみられるので,ロースクール1年修了時に解くのは,学習内容の確認という点からすると,少しずれてしまうかも知れません。)。

第2 刑法について
 直接のご質問ではありませんが,刑法(総論)についてもいくつか述べさせていただきます。
刑法総論は概念的な議論が多く,論点ごとに学説が錯綜しており,判例実務と学説との距離も遠く感じられ,とっつきにくいと感じる方が多い科目だと思います。
結局,刑法の学説であれ,判例理論であれ,目の前の事案を解決する(=事例問題における論述を正当化する)限度で使われるにすぎません。しかし,基本書だけでは,なかなかその感覚を身につけるのが難しいです(例えば,基本書では著者の自説の正当性を根拠づけるために,様々な角度から検討を加えた記述がなされるのが通常ですが,答案では過剰な論述になってしまいます。)。
そこで,Q&A内の記事で述べることと被りますが,刑法(総論)は,分野の学習が終わるごとに事例問題を積極的に解いていくことをおすすめします。自説をある程度理解したら,それを使える形=事案の解決に必要な限度でアウトプットするにはどこまで書けば足りるかを学ぶためです。
なお,刑法の学習というと何かと刑法理論に傾倒しがちですが,刑法においても,他科目と同様かそれ以上に判例理論が大切です。学年が上がって,刑法をさらに学習していく際には,調査官解説とともに判例を見ていくことを強くおすすめします。

第3 憲法について
 基本書レベルでよいので,人権の性質について歴史的な背景を踏まえてしっかりと理解することが大切です。
 原則論は古臭いと思われるかもしれませんが,ある人権が人権として観念されるようになった背景を押さえておくことは,その人権規定によって真に守られなければならないものを理解することに繋がるので,実際の論述においても,原告の主張や被告の主張を構成するのに大変役立ちます。
 次に,判例の理解です。日本の制度上,憲法論のみを扱う憲法訴訟のような制度はなく,憲法問題は,民事訴訟,刑事訴訟,行政訴訟等において争われることになるため,抽象的な憲法論のみでなく,当該事案における事実に着目して読んでいく必要があります。原告の主張を判例がどのような論理を経て憲法上の権利として構成するのか,対立利益は何か,その対立利益は憲法上の権利との関係でどのように考慮されるのか,どのような判断基準を用いて判断するのか,当該事案における事実関係の下で結論がどうなったかに注目して見ていくとよいでしょう。
 旧司法試験の論文問題(一行問題を除く。)も,憲法上の権利とその対立利益をきちんと示すことを意識して取り組んでいくと役立ちます。なぜそれが憲法上の権利といえるのか,なぜそれが対立利益になるのかといった点の論理展開の力を鍛えるにはいい素材です。
 1年生の段階では,上記の学習を通して,憲法問題をどのように判断していくのか(判断過程,枠組み)を知ることを目標にされるとよいのではないかと思います。それらの学習によって憲法問題の判断過程を理解した上で,長文の事例問題に取り組んでいくとよいと思います。
なお,憲法の理解を深めるための教材として,現在も法学セミナーで宍戸先生が連載されている「憲法解釈論の応用と展開」を強くおすすめします。3年生になって試験対策を始めるころに,是非一度目を通してみてください。

第4 論述全般について
 論述そのものについて悩まれている場合には,このブログの「論文」の記事でも掲げた,①「平成16年度合格者ドリーム・チームからの熱いメッセージ」(雑誌ハイローヤーの特集2005年5月号&6月号&7月号),②「3時間で学ぶ論文の書き方入門」(Wセミナー、絶版のため図書館や古本屋等で探してみてください。),③「法律答案の構造的思考」(山島達夫、辰己法律研究所)などを手にとってみてください。きっといいヒントになるはずです。

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No title

>管理人のみ閲覧できますさん

ご質問ありがとうございます。

刑訴・民訴は積極的に問題演習をした方がよいと思います。
この2科目に苦手意識が付いてしまうとまずいです。

「行政法」=行政法総論ということを前提にすると, 上の記事で「Q.行政法(総論)の学習についての方向性」に対するお答えとして掲載したとおり,行政法総論も問題演習をしながら身につけていくのがベストだとは思います。
もっとも,刑訴,民訴に加えてということになると,そこまで手が回らないと思われますので,問題演習は,春休みに行政救済法の分野の自習と合わせてやることにして,今は行政法の枠組みや特有な概念の理解に努めるのがいいのではないでしょうか。

「商法」というのは,主に会社法ですよね?
授業と平行して問題演習ができればベストだと思います。
会社法は,条文数が多い上に会社の種類や機関構成によって条文操作が細かく変わってきます。典型論点等における条文操作は,問題演習を通じて身につけるのが効率的です。
もっとも,会社法についても行政法と同様,刑訴,民訴に加えてということになると,いささか大変かもしれませんので,手が回ればやるということでよいと思います。

私が同じ立場でもう一度やるとしたら,問題演習の優先度は,刑訴≧民訴>商法>>行政法という感じだと思います。

後期はインプット・アウトプットのバランス(ex.予習は軽めにして,授業を聞いた上で,復習として問題演習をしっかりやる)や内容(ex.アウトプットは答案構成のみにして,その代わり多くの問題にあたるようにするとか)をいろいろと変えてみて,ちょうどいいところを探ってみるいいのではないでしょうか。
科目が増えてくると大変だとは思いますが,ここが正念場だと思って頑張ってみてください。

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ライブ本に関して

お忙しいところ失礼します。質問をしても良いでしょうか?

ライブ本の「民法(貞友)」とは、「貞友民法LIVE過去問解説講義 決定版」と「LIVE民法 司法試験論文民法過去問」のどちらでしょうか?
amazonで検索したところ、貞友先生の本が2種類あるようなので、どちらを指しているのか分からなかったのです。
お答えいただけると幸いです。

あと、ブログ記事を検索するリンクのようなものをつけて頂けませんでしょうか?
目次記事に加えて、自分が任意の言葉をいれて検索できるようになっていると更に検索性があがるのではないでしょうか。

宜しくお願いいたします。

No title

>雨さん

ご質問ありがとうございます。
私が使っていたのは,「貞友民法LIVE過去問解説講義 決定版」の方ですね。

とりあえずトップページ左に検索フォームを表示するようにしておきました。
使ってみてください。
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