スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

刑法総論

参考資料として、論文ファイルよりまとめ部分を転載します♪





因果関係
偶然発生した結果を処罰の対象から除外したい。→「刑法上」の因果関係=条件関係+当該行為から当該結果が発生することが相当といえるとき。
大枠の視点は、
(1)実行行為に構成要件的結果を惹起する十分な危険性があるか(※行為の危険性を基礎づける事情はすべて判断資料に入れる)
(2)その危険性が構成要件的結果へと実現したといえるか。
具体的に見るのは、
ア 行為の危険性
イ 行為と介在事情との関係(誘発、予見可能性など)、
ウ 介在事情の結果への寄与度。

不作為
 実行行為の意義→不作為でもOK→but処罰範囲限定=(1)作為義務、(2)作為可能性、(3)構成要件的同価値性→(1)について刑法の目的(法益保護)→「その者でなければ法益保護ができない」かどうか。
視点は、
ア 自らの意思で、結果へと至る因果の流れを排他的に支配(排他的支配)
イ 因果経過の事実上の支配が支配の意思に基づかなくとも、身分関係、社会的関係に基づき、社会通念上継続的に保護・管理義務を負う(支配領域性)

客観的違法
法規範は、客観的な生活秩序の保全に役立つものとして客観的に存在。
決定規範として機能する前に、評価規範として機能する。
違法=客観的な評価規範違反
責任=主観的な決定規範違反
刑法の究極の正当化原理は法益保護にあるから、違法性の実質は法益侵害およびその危険。
→ 違法性阻却=侵害される法益と保全される法益とを比較し、保全される法益のほうが優越する場合。
※承諾の場合、自己決定の自由vs行為によって侵害された法益で考える。ただし、生命侵害の危険がある場合は、自己決定権行使の基盤でもある生命という法益を侵害することになり許されない。

正当防衛
(1)自己保全の利益【自己の法益を守る】
(2)法確証の利益【客観的生活秩序である法が現存することを確証する利益】
 ア 「急迫」 
 イ 「不正の侵害」 
 ウ 「自己又は他人の権利」 
 エ 「防衛するため」…防衛意思 
 オ 「やむを得ずにした」…必要性・相当性
【対応論点】
 ア 積極的加害意思(準備段階)
 イ 対物防衛・偶然防衛
 ウ 社会的法益・国家的法益
 エ 積極的加害意思(反撃行為時)
 オ
 ①自招防衛
 ②意図的挑発
 ③過剰防衛
※減免根拠
(ア)行為者の主観的異常性に基づく:責任減少
(イ)急迫不正の侵害に対する反撃行為:違法減少
・故意の過剰防衛:必要性・相当性を逸脱していることを認識している場合。
・過失の過剰防衛:必要性・相当性を逸脱していることの認識可能性はあったが認識していない場合。
・質的過剰防衛:普通の過剰防衛。
・量的過剰防衛:
 (あ)急迫不正の侵害がやんだ後に防衛行為がなされた場合。
 (い)侵害が予想される場合に予防的な防衛行為がなされた場合。
→ 侵害がやんでいるのになおも反撃している場合、これを正当防衛+犯罪とみるべきか、全体として過剰防衛とみるべきかという問題。
 視点は、
 【客観的要件】
  (a)侵害終了時とその後の行為の時間的間隔
  (b)手段の同一性
  (c)侵害終了後の行為が結果にとって決定的意味を持たないかどうか。
 【主観的要件】
  (d)行為者の特殊な心理状況の一貫性

誤想防衛
構成要件的故意の対象:構成要件該当事実
責任故意の対象:違法性を基礎付ける事実の認識が必要である点に注意する。
正当防衛不成立→正当化の前提となる事情に誤認=故意阻却?
→ 構成要件的故意は阻却されず。しかし、(事実認識に欠けるところのない)違法性の錯誤とも異なる。→ (第三の錯誤として)責任故意阻却。
※責任要素としての故意・過失こそが本来的な故意・過失の概念であって、構成要件的故意・過失はその部分的要素にすぎず、正当化事情の錯誤がある場合には、構成要件段階で形式的に推定された故意が、正当化事情の誤認を理由に責任段階で実質的に否定されると考える。
※故意があるというために認識・予見が必要な事実は「違法という評価を受ける事実」で
あるといえる。違法性阻却事由該当事実を認識・予見している行為者には違法という評価
を受ける事実の認識が欠ける。

誤想過剰防衛 
(1)故意の誤想過剰防衛:防衛の程度を超えることを認識。
 → 違法性を基礎付ける事実を認識しているから、故意犯。
(2)過失の誤想過剰防衛:防衛の程度を超えることの認識可能性はあったが認識せず。
 → 違法性を基礎付ける事実の認識を欠くから、責任故意が阻却され、過失犯の問題。
※36条2項?→誤想過剰防衛は、急迫不正の侵害を欠くという点で誤想防衛の一種であるから、刑の減免を認めない。

緊急避難
違法阻却=優越的利益説→法益同価値の場合も違法ではない→違法阻却事由
(1)「自己又は他人の生命、身体、自由又は財産」
(2)「現在の危難」
(3)「避けるため」
(4)「やむを得ずにした」…補充性・必要性 
(5)「これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった」…法益の均衡

責任
責任の本質は、過去の違法行為に対する法的非難。
責任の基礎は、意思の自由によって違法な行為を選択したことへの非難。
責任の内容は、規範的な非難可能性。
責任能力とは、刑事責任を負担することができるだけの能力=違法性弁識能力と制御能力。

原因において自由な行為
※39条1項(or2項)を形式的に適用すれば、刑の免除(or必要的減軽)。
違法行為を行なうことにつき、事前に故意・過失があるときこれでいいのか。→ 「責任なければ刑罰なし」=責任主義の原則との関係。責任能力は犯罪行為のときに存在が原則。責任能力と故意・過失の存在する時点で行なわれた、法益侵害の危険性のある違法行為から発生した相当因果関係のある結果についてしか責任を問うことはできない。
(1)因果関係の起点としての実行行為(原因行為)と、(2)未遂犯の処罰時期の基礎としての実行行為(結果行為)とを分けて考え、原因行為と結果行為との間に、
ア 相当因果関係 
イ 責任関連(故意と過失の連続)
を認めうる限りにおいて、可罰性が基礎付けられる。

Cf.
①構成要件モデル
結果行為から原因行為へと構成要件該当行為を遡及・拡張させる。
②責任モデル
結果行為を実行行為としたうえで同時存在の原則を実質化。責任非難の判断対象・資料を原因行為まで拡張させる。
→ 結果行為を実行行為として、実行行為に対する最終意思決定時に責任能力が存在すれば責任非難が可能。原因行為から結果行為まで(ア)意思が連続し(イ)1つの意思決定の実現過程と評価できるかという視点。


故意の対象 
(構成要件的)故意の対象は構成要件該当事実である(責任故意では、+行為の違法性を基礎付ける事実)。

故意責任の本質 
行為者が犯罪事実を認識して規範に直面したにもかかわらず、あえて違法行為を行なったことに対する法的非難。→ 未必の故意と認識ある過失の区別は、行為者の認識が行為の動機形成過程に与える影響による。

具体的事実の錯誤(同一構成要件間の錯誤)
客観的に発生した事実と行為者が主観的認識した事実が不一致。
行為者に故意(38条1項)?
※議論の分かれ目は、行為者が「具体的」な対象を個別具体的な法益主体として認識・特定した時に初めて「当該客体の法益を侵害するな」という規範に直面するといえると考えるかどうか。

抽象的事実の錯誤(異なる構成要件間の錯誤)
38条2項によって重い罪は不成立。客観的に発生した(軽い罪にあたる)事実について行為者に故意?原則否定→故意責任を問う規範となれば例外的にOK。
重なり合いの視点は、
(1)保護法益
(2)法益侵害行為の共通性

違法性の意識 
自己の行為が法的に許されないとの意識
→ 故意の対象は犯罪事実の認識(+違法性を基礎づける事情)で足りるから、故意の要件として違法性の意識は不要。→ 責任主義から、 (故意・過失に共通の要素として)故意とは別個の「責任要素」である違法性の意識の可能性が必要。
※事実的認識の有無=質的相違だが、違法性の意識とその可能性=量的相違にすぎない。
※結論として、「悪いことをしているという意識を持つ可能性(違法性の意識への到達可 能性)すらないときは、責任を阻却する」ことになる。

事実の錯誤と違法性の錯誤の区別 
事実の錯誤とは、事実の認識を完成させるべき期待しかできない場合。
違法性の錯誤とは、直接に違法性の意識および違法行為の避止を期待できる場合。

過失犯の構造─旧過失論─ 
過失責任の本質:行為者は犯罪事実を予見すべきであり、かつ、予見することができたのにもかかわらず、意思の緊張を欠いたためにこれを予見しなかったことへの非難。
→ 客観面においては故意犯との間に本質的な違いはなく、結果は行為者の内心の心理状態「過失」それ自体によって惹起される。
(1)構成要件的過失=一般人の注意能力を基礎とした、客観的予見可能性を前提とする一般的予見義務違反。
(2)責任過失=行為者の注意能力を基礎とした、主観的予見可能性を前提とする個別的予見義務違反が責任過失。

過失理論
【旧過失論】
故意を構成要件該当事実の認識・予見とみる立場から、過失はその可能性をいうと考える。
「故意という心理状態に到達する可能性、故意の可能性」。法益侵害行為が過失の構成要件該当行為となる。
【新過失論】
一定の基準行為を遵守したかという客観的基準で考える。
法益侵害惹起+基準行為からの逸脱が構成要件該当行為。予見可能性は必要である。
【実務】
過失とは注意義務違反(不注意)をいう。
(1)結果予見義務+(2)結果回避義務(最終的にこれの有無で決める)
ア:予見可能性 (旧過失論よりも処罰と対象を広くとる)
イ:予見義務
ウ:結果回避可能性
エ:結果回避義務 (ここで選別する)

予見可能性 
過失責任の本質→結果予見義務違反が過失を基礎づけることから、具体的な予見可能性が必要。
【考え方】
故意において因果関係の錯誤が重要でないのと同様に、実際の因果経過が予見可能であることは重要でない。特定の構成要件的結果+結果発生に至る因果関係の「基本的部分」の予見可能性があれば足りる。

監督過失
監督者が、行為者(被監督者)の注意義務違反を予見できたこと。

管理過失
不十分な結果回避措置(安全体制)により結果を直接惹起したことの過失責任。
結果の予見可能性は「危険発生下で」という条件付きのものになる。
そこで、条件が満たされることの予見可能性があったかを問うことになる。
実務はこれを緩やかに認めた上で、結果回避義務の判断に吸収させる。

未遂犯の処罰根拠 
未遂犯が処罰されるのは、当該行為により法益侵害の具体的危険が発生したから。

実行の着手と未遂犯の処罰時期の関係 (二分説)
通常は同時であるが、離隔犯、間接正犯、原因において自由な行為において問題。
実行の着手とは、形式的な構成要件該当性の問題であり、法益侵害の一般的危険性を持つ行為の開始時をいう。
未遂犯の処罰時期とは、処罰に値する実質的な違法性の問題であり、法益侵害の具体的な危険性の発生が認められる時点をいう。

不能犯
形式的には犯罪の実行に着手したつもりが、結果発生が不能であるためにこれを遂げえない場合。未遂犯が成立?
未遂犯の処罰根拠→違法性→事後的判断としてすべての客観的事情を基礎として、科学的一般人の見地から結果発生の危険を判断。危険概念は程度を付しうる段階的概念であるから、結果発生が不可能である場合を、(1)絶対的不能と(2)相対的不能とに分け、(1)の場合を不能犯、(2)の場合を未遂犯と考える。

中止犯 
責任の本質→犯行の決意の事後的撤回に行為者の規範意識の覚醒が認められ、そこに非難可能性の減少、すなわち責任の減少があるがゆえに刑が減免される。
(1)「犯罪を中止した」…中止行為
・実行中止:不作為で足りる
・着手中止:因果の流れを止める積極的な中止行為が必要
【真摯な努力まで必要か】
責任の本質をどう見るかという問題。規範的責任?客観的な法的責任?
【中止行為と結果の不発生に因果関係がない場合】
中止犯の必要的減免の根拠 → 積極的な中止行為があれば足り、結果不発生との因果関係は不要。
(2)「自己の意思により」…任意性
中止犯の減免根拠 → 任意性についても行為者の主観面から考える。
「たとえ成し遂げることができたとしても、成し遂げることを欲しない」ことが必要。

共犯の本質
行為共同 vs. 犯罪共同

共犯の処罰根拠
共犯の処罰根拠は、共犯が正犯を介して法益侵害を間接的に惹起したことにある。

正犯と共犯の区別
相手方の存在が実行行為(=法益侵害の現実的危険を惹起する行為)としての危険性を減殺するものとなる(=規範的障害となる)かどうか。

共犯の実行従属性 
因果的共犯論→正犯者による犯罪実行の開始によって初めて、共犯行為にとっての未遂結果が生ずる。

共犯の要素従属性
※正犯は構成要件該当性と違法性を具備すれば足りる 
※なお、責任能力のない者も違法性の弁識能力を有するなら、規範的障害となりうる。

共同正犯
(1)共同実行の事実、(2)共同実行の意思 → 一部実行全部責任
A 互いに因果性を及ぼし合って、自己の犯罪を実現
B 相互了解・意思連絡、相互利用・補充関係。

共謀共同正犯
互いに物理的・心理的因果性を及ぼし合って自己の犯罪を実現すれば共同正犯足りうる。
※cf.相互了解・意思連絡、相互利用・補充関係。

承継的共同正犯
因果性→先行行為への因果性はありえない。
責任主義→後行者が加功していない先行行為について責任を遡及はダメ。

※cf.部分的肯定説
60条、相互了解・意思連絡、相互利用・補充関係
→(1)先行行為とその結果を認識・認容
 (2)自己の犯罪の手段として積極的に利用          

狭義の共犯─教唆犯・従犯─
教唆犯とは、人を教唆して特定の犯罪実行の決意を生じさせこれを実行させることをいう。
従犯とは、正犯を幇助して、正犯の実行を容易にすることをいう。

教唆の未遂
教唆者が教唆行為をしたが、正犯が実行に着手しなかった場合。
共犯の処罰根拠→正犯者による犯罪実行の開始によって初めて共犯行為にとっての未遂結果が生ずる=教唆の未遂は不可罰。

未遂の教唆 
未遂犯に終わらせる意思で、人を教唆し、犯罪の実行に着手させた場合どうなるか。
共犯の処罰根拠→教唆犯の故意としては、犯罪を実行する決意を生じさせ、これを実行させる意思が必要→未遂の教唆は教唆犯の故意を欠き、不可罰。

未遂犯の教唆
犯罪を既遂に終わらせる意思で教唆したが、正犯が未遂に終わった場合どうなるか。
共犯の処罰根拠→教唆者の故意→未遂犯の教唆には教唆犯の故意が認められるから、教唆犯が成立する。

幇助の因果関係 
因果的共犯論 → 正犯結果との間の因果関係が必要。
※正犯の結果惹起が早められたり、強化されたりしていることが必要。

不作為の幇助 
作為犯とパラレル。
(1)正犯者の犯罪防止作為義務(排他的支配)
(2)可能性・容易性
(3)犯罪の実行を容易にしたこと(阻止できなくても困難にできた可能性で足りる)

共同正犯と従犯の区別
共同正犯の処罰根拠 

【客観面】
(1)共犯者相互の関係、(2)謀議への関与の程度、(3)結果への寄与の程度、(4)利害関係
【主観面】
(1)犯行動機、(2)正犯意思

共犯と身分─65条1項・2項の関係─
身分とは、一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係である特殊地位又は状態をいう。
65条1項は、真正身分犯。65条2項は、不真正身分犯。①65条の解釈+②共同正犯を含むことの指摘忘れずに。
Ex. 
A(目的あり)→B(目的なし)     ※Aは間接正犯となる。
A(身分あり)→B(身分なし)←Cが贈賄 ※Aは正犯、Bは共同正犯か幇助となる。

共犯と錯誤①─具体的事実の錯誤・抽象的事実の錯誤─
錯誤の処理に準ずる。

共犯と錯誤②─共犯形式間の錯誤─ 
教唆犯の故意で従犯を犯したor従犯の故意で教唆犯を犯した。
故意責任の本質 → 共犯形態の共通性(ex.構成要件該当行為以外の行為によって間接的に法益を侵害する)→ 軽い従犯の限度で成立。

共犯と錯誤③─正犯と共犯の錯誤─
間接正犯の故意で教唆犯を犯したor教唆犯の故意で間接正犯を犯した。
故意責任の本質 → 形態の共通性(ex.間接正犯と教唆犯は、どちらも他人を利用した犯罪)→ 軽い教唆の限度で成立。

共犯からの離脱
因果的共犯論 → 自己の設定した物理的・心理的因果関係が切断されたことが必要。
※実行の着手後の離脱では、(1)離脱意思表明+(2)自己のなした犯罪実現への影響除去、因果関係切断。
ア 結果の発生が防止された場合
全員の中止行為があった場合、全員について中止犯。
一部の者の中止行為があった場合、中止行為者のみ中止犯。
その者以外の者には中止犯の責任減少が作用しないから、障害未遂。
イ 結果の発生が防止されなかった場合
適切な防止手段を講じて、因果関係が切断されたら、結果が発生していても中止犯成立。

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

comment

管理者にだけ表示を許可する

04 | 2017/05 | 06
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
プロフィール

maso

Author:maso
弁護士(63期)。いわゆる大手渉外法律事務所で働いています。

maso on Twitter
カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
月別アーカイブ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

masoブロ カウンター
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。