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民事訴訟法

参考資料として、論述ファイルより、解析民訴のメモを転載電球




SECTION1:訴訟審理と手続の構成要素【口頭弁論における当事者の訴訟行為】
攻撃防御方法
本案の申立てを基礎づける判断資料のこと。

SECTION2:訴訟行為と私法行為
訴訟行為
訴訟手続(積み木細工)の構成要素
原則:条件・期限付きは不可。確定性。
例外:仮定的主張であっても相手方の防御や裁判所の審理が不安定になることはないとき。
訴訟上の形成権の行使
私法行為(処分権主義)と訴訟行為(公的側面)とが併存し、訴訟行為の効力が失われるときは私法行為も失効すると考える(撤回、解除条件)。




PART1【民事訴訟審理の基本構造】

SECTION3:申立て【訴訟上の請求と訴訟物】
概念
「XのYに対する土地所有権確認の訴え」
①訴訟物:土地所有権
②訴訟上の請求:XのYに対する土地所有権
③裁判所に対する審判要求:XのYに対する土地所有権確認
④裁判所に対する審判要求の申立て:XのYに対する土地所有権確認の訴え

SECTION4:主張【事実の提示・提出(主張責任)】
弁論主義
私的自治に由来。裁判所と当事者の間の作業分担
用語
A 訴訟資料:弁論に現れた判決の基礎となる資料(事実)
B 証拠資料:証拠調べによって感得された事実認定の資料
→ 事実の主張として弁論に顕出されることによって攻撃防御の対象として具体的に認識することができるようになる。
①主要事実:法規の構成要件に直接該当する具体的事実
②間接事実:主要事実の存否を推認するのに役立つ事実 ⇔ 証拠と等質
③補助事実:証拠の証明力に影響を与える事実 ⇔ その意味で証拠と一体
→ もし②、③を弁論主義の適用対象とすると、裁判官の自由心証に基づく合理的判断を阻害+審理を硬直化させることになるし、裁判官は心証形成の最終結果のみを当事者の主張と対照するだけでなく、心証の形成過程そのものを当事者の主張を対照する必要あり。だから適用対象外。
規範的評価
評価根拠事実+評価障害事実

SECTION5:主張に対する応答【主張責任】
自白
当事者が口頭弁論や弁論準備手続において、相手方が主張する自己に不利益な事実を認める陳述。相手方が援用した場合も成立する。
→ 要は、争いのない状態に置くこと。弁論主義を基礎。裁判所の介入を差し控えるように指示している。
→ 弁論準備手続では、口頭弁論に顕出するまではまだ確定的な訴訟資料ではないから、撤回を弾力的に許容するべき。
→ 証明責任説。明確+裁判所の釈明権発動に明確な指標を与えることができる。
→ 間接事実・補助事実の自白撤回も、時期に後れた攻撃防御方法の提出となる可能性はある。
効果
①証明不要効
②審判排除効
③撤回禁止効:証拠散逸、審理の混乱。訴訟上有利な地位を一方的に奪うことになる。
→ ②と③はペアで考える。③を認めても②がないなら意味がない。

SECTION6:立証【証明責任と立証活動】
証明責任 ⇔ 立証の必要性(当事者間を動く)
事実が存否不明である場合に、その事実を要件とする自己に有利な法律効果を享受できないことにより当事者の一方が被る危険ないし不利益。
→ 自由心証の尽きたところで作動する。結果責任。
→ 弁論主義のプリズムを通して、主張責任・証拠提出責任を生じさせる。
本証と反証
本証:証明責任を負う当事者の立証活動。証明度(高度の蓋然性)。
反証:証明責任を負わない当事者の立証活動。存否不明に追い込む。
間接反証
主要事実の存在を推認させるに足りる間接事実を一応立証した場合に、その相手方が当該間接事実と両立しうる別個の間接事実を立証(本証)することにより主要事実の推認を妨げること。
自由心証主義
心証形成の方法について用いることが証拠力・経験則を特に法が制限せず、裁判官の自由な選択に委ねるとした原則。
→ 証拠共通・自白は別次元の問題。
弁論の全趣旨
口頭弁論に現れた一切の資料・状況




PART2【民事訴訟手続の基本プロセス】

SECTION7:訴えの類型
形式的形成訴訟
形成の基準となる具体的な形成要件が法定されていない。非訟的な合目的的処分。
Ex.境界確定の訴え
→ 境界線の形成という行政作用と判決の形式で行うもの
 ①境界不明
 ②両土地が隣接
 ③所有者であること
→ 訴訟物、権利主張としての請求はない。
→ 自白、246、不利益変更禁止、既判力、証明責任、請求棄却、認諾、和解なし
→ 対象は公法上の境界だから取得時効の完成は境界には影響なし。当事者適格として争点となる。【百選42】:取得時効がいかなる範囲でいずれの土地について成立するかは、境界がどこに来るかで決まる。仮に取得したとしても、分筆トをするためには、境界が明らかになっている必要あり。

SECTION8:訴えの提起【訴状の記載事項】
処分権主義
実体法との連続性、連携性
実体法上の私的自治の原則。決定権を当事者に留保。
訴訟の開始、審判事項の特定、終了について当事者に処分権能を与える建前。
→ 訴状(書面)で手続の安定を図る+明確かつ確実(すべての手続の基礎となり、その上に堆積する。)。
請求
請求の特定:不備補正:民訴133Ⅱ→137Ⅰ、Ⅱ(強制)
請求を理由づける事実(請求原因)・重要な間接事実:規則53→規則56(任意)

SECTION9:訴訟係属の効果【重複訴訟の禁止】
タイミング
①訴状等を裁判所に提出 ⇒ 時効中断
②訴状を被告に送達   ⇒ 訴訟係属
民事訴訟法142条 (ア:当事者+イ:審判対象)
①被告の二重応訴負担の回避
②重複審理の回避
③矛盾判断による混乱防止
相殺の抗弁
独自の経済的利益、既判力(114Ⅱ)
簡易決済機能+担保的機能(相手方無資力のときは特に重要)

SECTION10:管轄と移送
管轄
応訴管轄は、「自己に有利な管轄裁判所で審理を受ける利益の喪失」の観点から考える。
合意管轄と合意移送はリンクしている。

SECTION11:当事者
当事者
訴え又は訴えられることによって判決の名宛人となるべき者。
権利の帰属主体かどうかは関係ない。
→ 訴状の記載を客観的・合理的に解釈して決める(明確かつ客観的な基準)。
当事者性の調査
原告 ①「当事者」の記載がないものとして補正命令 → 訴状却下(133Ⅱ①、137Ⅰ)
   ②補正不能として訴え却下(140)
被告 送達不能による訴状却下(138Ⅱ)or関与を排斥して送達からやり直す。
→ 訴訟係属発生後の死亡は、訴訟承継。
→ 任意的当事者変更も検討する。
→ 表示の更正(257)で足りることもある。
→ 口頭弁論終結後に死亡のときは、判決は形式的に確定させて、訴訟行為の追完の限度で保護すればよい
(中断の原則+132Ⅰ⇔相手方の不動的地位+明確性)。
当事者能力
民事訴訟の当事者となりうる一般的資格。民事訴訟法29条。
→ 訴訟主体として扱われ、判決もその名においてなされる。しかし、訴訟上の規律にとどまり実体関係までをも規律するものではない。(※権利能力なき社団にも当事者能力・適格は認められるが、権利の帰属主体となれないので、そのままだと請求棄却の翻案判決が出てしまう)
権利能力なき社団については、1個の権利義務として総有的に帰属すると考える。
①当事者:「団体」
②請求の趣旨:「構成員全員or代表者が受託者たる地位(総会決議等による授権)で個人名義で権利行使」
訴訟能力
→ 自ら単独で有効な訴訟行為をし、また、裁判所及び相手方の訴訟行為を受けることのできる能力。
→ 追認・補正
 ①原告:「法定代理人」の記載の欠缺として補正。応じなければ却下。
 ②被告:補正 → 140で却下。
→ 訴訟係属後
 ①初めから× → 今までの行為は無効。やり直し。
 ②途中から× → 訴訟手続中断。

SECTION12:当事者適格
当事者適格
訴訟物たる特定の権利又は法律関係について当事者として訴訟を追行し、本案判決を求める資格。
自己の給付請求権を「主張する」者(給付)
確認の利益を主張する者(確認)
法律要件に明示されている者(形成)
第三者の訴訟担当
実体的な利益帰属主体にかわり、又は、これと並んで第三者が当事者適格を有する場合
①法定 → 債権者代位訴訟、株主代表訴訟
②任意
(1)明文あり → 選定当事者。手形の取立委任裏書。
(2)明文なし → 制限を回避・潜脱するおそれがなく+合理的必要があること
         (弁護士代理の原則、信託法10条)

SECTION13:債権者代位訴訟
債権者代位訴訟
被保全債権=当事者適格の問題
→ 通常の給付訴訟では訴訟物判断に埋没する。訴訟物の発生と帰属に関する原告の主張に対する判断だから。したがって、弁論主義が妥当する。
→ 代位訴訟のときは、訴訟物と当事者適格は明確に分離する。しかし、独立の訴訟物を構成しうる私法上の権利そのものについての判断だから、弁論主義が妥当する。
債務者との関係
→ 債権者が代位権行使の通知or債務者が了知したら、もう訴え提起不可能。
→ 普通に訴えたら、二重起訴禁止に触れる。
①補助参加 ○(でも使いにくい)
②共同訴訟的補助参加 △(×)
③共同訴訟参加 ×(当事者適格なし)
④独立当事者参加 ○(当事者適格の択一関係あり。合一確定。併合あり。)
他の債権者との関係
代位通知以後は、債務者に処分権がないため代位訴訟提起できない。
独立当事者参加として、当事者適格を争いつつ入ってくればよい。

SECTION14:訴えの利益
訴えの利益
個々の請求内容について、本案判決による紛争解決の必要性及び実効性を検討するための訴訟要件。訴訟制度を利用するに適する訴訟を選別し、かつ、利用に値する事件のみ本案判決する。
→ 将来給付の訴え(135)
原告の負担を現在開放する合理性・程度 ⇔ 被告の請求異議の負担の合理性・程度
確認の利益
対象が無限定+判決内容の実現強制の契機・手段がない。
①対象選択の適否
 原則:現在性(過去・将来×)
 例外:根本の前提問題となっているとき。
 → 権利の安定度、存続可能性(実体法的)+紛争解決の実効性の有無・程度(訴訟法的)
②方法選択の適否
③即時確定の利益
 → 確認判決による解決の必要性が具体的に現実化しているかどうか。紛争解決の切迫性、紛争の成熟性。

SECTION15:口頭弁論と争点整理
口頭弁論
①誰もが傍聴できることによる裁判の公正らしさを一般的に確保された状態の下
(公開主義)
②当事者双方を対立的に関与させてそれぞれに主張の機会を与えて(双方審尋主義)
③弾力的な訴訟進行を図り(口頭主義)
④そのような口頭弁論に直接関与して心証を形成した裁判所が終局的判断としての判決を言い渡す(直接主義)
という審理のモデル。

必要的口頭弁論、争点および証拠の整理、集中審理。

攻撃防御方法の提出
原則:当事者の自由 ←制約← 訴訟手続を利用した紛争解決行動
争点整理
弾力性と柔軟性(追加・変更・撤回の許容)

SECTION16:釈明権
民事訴訟法149条
釈明の制度は、弁論主義の形式的な適用による不合理を修正し、訴訟関係を明らかにし、できるだけ事実の真相を究めることによって、当事者間における紛争の真の解決を図る。
→ 「補完」と「介入」のバランス。
→ 当事者間と裁判所の間で情報の共有化と認識の共有化を図り、充実した心理状態を構築する。
積極的釈明義務
①勝敗転換の可能性
②法的構成の当否
③期待できるか
④当事者間の公平
⑤解決につながるか、遅延をもたらすか
法的観点指摘義務
当事者が収集・提出する事実は、法規の要件に該当する事実であって、法的評価・法律構
成とは無関係ではありえない。事実を組み立てて訴訟において請求しているのは権利の判
定であって、事実面と法律は連続面を構成している。
→ 事実の集約点、インターフェースたる法的観点の選択の食い違い。訴訟資料の提出を無駄にして、不意打ちとなってしまう。

SECTION17:審理の整序と進行
事案解明の場面とは対照的。
①手続進行=職権進行主義
→ 拘束。当事者の合意による必要的移送。同時審判共同訴訟。弁論準備手続における必要的取消し、専門委員関与決定の取消し、弁論併合・弁論更新における証人の必要的再尋問、審理の現状に基づく判決を当事者の一方の弁論懈怠の際にする場合など。
②当事者の意向
→ ア:申立権:訴訟の移送、期日の指定・変更、中断手続の受継、時期に後れた攻撃防御方法
  イ:異議権:訴訟手続に対する異議、尋問における異議 ⇔ 責問権
  ウ:当事者の意向反映:弁論準備手続・書面による準備手続開始、電話会議方法、証人尋問の順序変更、当事者本人尋問を先行させる、テレビ会議の方法による証人尋問、裁定和解、専門委員関与
  エ:異議がないこと:訴訟費用の予納がないことを理由とする訴えの却下、口頭弁論期日を指定しないで弁論準備手続きに付する場合、書面尋問の採用

SECTION18:専門訴訟における争点整理と事実認定
専門訴訟
訴訟審理の全プロセスにわたって、専門分野に関する知識・見識が必要。
いかにして、専門的知見を有効・適切に訴訟審理に導入すべきか。
①専門委員:事案理解と心証形成。明瞭・円滑。 → 「説明」
②鑑定:釈明処分、証拠調べ。 → 「意見」
③鑑定嘱託(218)
④調査嘱託(186)

SECTION19:自己の領域圏外からの証拠収集
文書提出命令(220条4号ニについて)
①文書の客観的性質
→ 専ら内部の者の利用に供する目的で作成され、外部に開示することが予定されていない文書であること。
②所持者側の類型的不利益性
 → 開示されることによって、プライバシー、団体の自由な意思決定の阻害などの看過しがたい不利益が生ずるおそれがあること。
③特段の事情なし
3号と4号
4号ニにあたるときは、3号後段の文書に当たらない(判例)から、結果的に4号中心で判断する。
3号後段と刑訴47条
→ 保管者の裁量
①取調べの必要性の有無・程度
②弊害発生の恐れ
それ以外
①証拠保全(裁判所の証拠調べ)
②提訴前証拠収集(当事者の証拠収集手続)
③当事者照会

SECTION20:申立事項と判決事項
246条 A:原告の合理的意思 + B:被告の防御の利益
①原告:意思を尊重
②被告:それを超えた判断をなされないという利益
③裁判所:審理判断の外枠

SECTION21:訴訟要件の調査と審理
視点
公益性+本案との密接関連性
本案判決との関係
訴えの明確性、安定性

SECTION22:既判力の弾力性
既判力の弾力性(民事執行法35条2項、民事訴訟法253条1項4号)
→ 問題の所在は、形成権の行使による法律関係の変動が、「口頭弁論終結後に生じたもの」(民執35Ⅱ)といえるか、ということ。
→ 権利関係の終局的安定。必要かつ相当。明確かつ安定した基準(峻厳)。
→ 確定すると既判力が硬く効力を持つから、審理のプロセスにおいては、裁判所の釈明で十分に主張立証をさせ、問題を顕在化させないことが必要。
【前訴と後訴で当事者を異にする場面】⇔ 既判力、争点効は同一当事者間の話。
甲(債権者)→ 乙(主債務者)
      → 丙(保証人)
※乙→丙は、反射効 ※既判力の存在が「判決効として」第三者に及ぶかという問題。
※丙→乙は、争点効の拡張。
民事訴訟法114条1項
→ 主文という判決の表現形式に含まれるもの。
→ 主文への記載は必要条件だが、十分条件ではなく、すべてに既判力が生ずるわけではない。
給付訴訟について
→ 「民事訴訟(債務。権利の存否・範囲。)」+「民事執行(責任。責任の存否・範囲。)」の連続性を意識する。
→ 執行段階の紛争を未然に防止する必要がある。警告的明示機能。
  判決の理由記載まで斟酌しなくても単純給付を命ずる債務名義でないことを伝達する役割。Ex.限定承認、建物収去、同時履行
民事訴訟法115条1項3号
→ 訴訟追行に要したコストを無意味なものにしない。公平と判決の実効性。
→ 紛争解決の実効性という訴訟法的見地から考えるから、実体法的な意味での承継は不要である。
→ 既判力の人的範囲は、勝訴のときのみでなく、敗訴のときにも考えること。

SECTION23:相殺の抗弁
民事訴訟法114条1項、2項
→ 相殺の抗弁。柔軟な攻撃防御活動を可能にする。
①訴訟物たる債権の存在が証拠or当事者間に争いがないとされることによって確定されて初めて判断される。
②予備的抗弁
③反対債権を再び持ち出して請求するという二重利用を既判力で除去
④裁判所により相殺の判断がされることを停止条件として、実体法上の相殺の効果が生ずる(訴訟上の相殺の抗弁)

SECTION24:一部請求
過失相殺の主張と弁論主義
被告の抗弁であり事実の主張は必要。損害の公平な分担を図るという制度趣旨から、権利の主張までは不要。職権による過失相殺はできる。原告の合理的意思から、外側説で判断する。

SECTION25:裁判によらない訴訟の完結
実務
①訴訟上の和解
②訴えの取下げ(裁判外での和解が前提のものが多い)
趣旨
当事者がもはや判決による公権的裁定を必要としなくなったとき、訴訟手続きを離脱する自由・権能も確保する。
訴えの取下げ
裁判所に対する審判要求「申立て」=「訴え」そのものの撤回。
請求の放棄・認諾
訴えの申立てに含まれる「請求」そのものを放棄。
→ 効果=「確定判決と同一の効力」
→ 私的契機 ⇔ 公的契機
【制限的既判力肯定説】
認諾の無効・取消しの主張については、再審事由の具備を要求せずに許容する。期日指定申立ての方法によって再開された審理においては、認諾の無効原因が先行して審理され、無効原因が認められないときには認諾による訴訟終了が確定したものとして訴訟終了宣言判決をし、無効原因が認められるときにはもともとの請求について審理を継続し、認諾の無効については中間判決又は終局判決理由中の判断において示されることになる。




PART3【展開的な訴訟手続】

SECTION26:複数請求訴訟
予備的併合
主位的請求の認容を解除条件として訴訟係属。
訴えの変更
「請求の基礎の同一性」
(1)訴訟資料の利用可能性の観点から関連する紛争を効果的に取り込む。
(2)予想外の請求に変更されないという被告の防御上の利益。

要件
①新旧両請求の利益関係が社会生活上共通
②従前の裁判資料を新請求の裁判に利用できる

SECTION27:共同訴訟
概念
共有持分権:共有者が目的物に対して有する割合的に制限された所有権。
共有権:数人が共同して有する1個の所有権。
共有者の対外的訴訟
1 能動訴訟
【共有権に関する訴訟】
(1)共有権確認
固有必要的共同訴訟。数人の共同所有を対外的に1個の所有権として主張するから。
(2)共有権に基づく妨害排除請求
 個別訴訟。保存行為にあたる。
(3)共有権に基づく引渡請求
 個別訴訟。不可分債権、保存行為のいずれか。
★(4)共有権に基づく移転登記請求
 固有必要的共同訴訟。共有者の1人にすぎない原告名義に全部の移転登記を命ずるのは、実体関係を反映しない登記を作出することになるため。
【共有持分権に関する訴訟】
(1)共有持分権確認
 個別訴訟。
(2)共有持分権に基づく返還請求・妨害排除請求・抹消登記手続請求・不法占有者への明渡請求
 個別訴訟。保存行為。
★(3)共有持分権に基づく移転登記請求
 固有必要的共同訴訟。抹消登記、更正登記手続請求とは異なり、個別訴訟を許すと、他の共有者の持分に影響を与えることになるから。
2 受動訴訟
(1)確認訴訟
 個別訴訟。所有権確認は、各請求が独立しているから。賃借権確認は不可分債務だから。
(2)給付請求(所有権移転登記、建物収去土地明渡)
 個別訴訟。不可分債務。
★(3)不動産の共有名義の所有権移転登記の抹消登記手続請求
 固有必要的共同訴訟。①各共有者に対する判決が別個になされて判断がまちまちになると解決の実効性が損なわれるとの訴訟法的見地+②判決で敗訴すると実体法上共有部分の処分に相当することから、共有者の1人は他の共有者の同意がない限り、単独で共有物の処分をすることができないという実体法的見地からの理解。 
(4)共有地に関する境界確定訴訟
 固有必要要的共同訴訟。境界の公共的性格に鑑み、処分権主義、弁論主義、証明責任をいずれも排除した特殊な訴訟類型。形式的形成訴訟。土地所有者との密接関連性という実体法的要素および隣接地の所有者全員について合一に確定すべきものとする訴訟法的要素のいずれの観点からも。土地の共有者のうちに訴え提起に同調しない者がいる場合、その余の共有者は被同調者を被告にして訴えを提起することができる。処分権主義も弁論主義も適用されない訴訟類型。「当事者」として訴訟に関与していれば足りる。隣接地所有者が原告となっている共有者のみを相手方として上訴した場合には、民訴法47条4項の類推による40条2項の準用によって、上訴の提起は、被告とされた共有者に対しても効力を生じ、かつての相被告は被上訴人の地位に立つ。
共同所有者間の内部訴訟
(1)共有物分割訴訟
 固有必要的共同訴訟。共有者間の公平を図りつつ、当該共有物の性質や共有状態の実情に適った妥当な分割が実現されるという共有物分割の性質。協議による分割について全員の合意が必要とされていることとパラレル。
(2)遺産確認訴訟
 固有必要的共同訴訟。その内実が共有関係にあることの確認を求める訴えであるから。
(3)共同相続人のうち特定の者が相続人たる地位を有しないことの確認
 固有必要的共同訴訟。遺産分割における当事者の範囲、相続分および遺留分算定等相続関係の処理における基本事項の前提であって、遺産分割審判の安定・円滑と共同相続人間の紛争の解決に資することを目的とするものであるから。
(4)遺産分割調停、遺産分割協議の無効確認
 固有必要的共同訴訟。新たに遺産分割をやり直すための前提問題として、遺産がなお共同相続人間の共有関係にあることの確認を求めることを狙いとするものだから。
★(5)遺言無効確認訴訟
 個別訴訟。実質は、相続財産に対する被告の権利の全部または一部が不存在であるとの主張を意味する+相続財産に対する共同所有は物権法上の共有にあたる。
(6)共有持分権確認訴訟
 個別訴訟。共有持分に争いがある場合。
(7)共有持分更正登記請求
 個別訴訟。妨害状態の原因を作出している相続人を被告とする。実体的な権利帰属の変更をもたらすものではないから。
総有関係
(1)入会権そのもの(管理処分権能) 
固有必要的共同訴訟。
個人所有の観念を基礎とする共有とは異なり、持分を観念しない慣習上の物権としての入会権の性格。対外的に1個の権利関係として画一的に確定する必要性が高いから。
→ 構成員の一部に提訴に同調しない者がいる場合には、その者を被告に加えて訴えを提起することも許される。全員が「当事者」として関与していれば足りる。
(2)個別的内容(使用収益権能)、確認、妨害排除
 個別訴訟。入会部落の構成員たる資格に基づいて個別的に認められる権能である。
部落内で定められた規律に従わなければならないという拘束を受けるものではあるが、本来、各自が単独で行使することができるものであるから。
予備的共同訴訟(主観的予備的併合)
不適法。
①被告および請求原因の特定は原告の権能かつ責任。これを尽くしていない。事前調査の疎略さを予備的被告の犠牲において救済するのは妥当ではない。
②予備的被告は自己に対する請求についての判断が示される保障がないのに終始審理に関与しなければならず、訴訟係属が消滅して応訴負担が徒労に帰する可能性がある。原告の再訴を防ぐ手段がなく、予備的被告の地位が極めて不安定。応訴上の利益が著しく犠牲になる。
③上訴との関係においては、予備的請求は当然には上訴審に移審しないので、併合関係は維持できず、統一的裁判は保障されない。
→ 肯定説
ア 民訴法40条を準用する
イ 信義則で調整
ウ 主観的順位的併合(必ず判断する。)

同時審判申出訴訟の制度的問題点
あくまで通常共同訴訟であるため、被告の一方が上訴した時は、当該被告との関係における請求のみが移審するにとどまり、その全体が移審するわけではない。被告の一方に対して敗訴した原告としては、勝訴した他方については満足していたとしても、仮に敗訴被告が上訴してその部分だけが移審すると、控訴審では敗訴する危険が生じ、結果的に見て双方が敗訴するおそれがある。
自らも上訴して併合形態を維持しておくことを事実上余儀なくされる。

SECTION28:補助参加と訴訟告知
補助参加
他人間の訴訟の結果に法律上の利害関係を有する第三者が、当事者の一方を補助しこれを勝訴させることによって自己の利益を確保する参加制度(民訴42条)
→ 異議を契機として審査が行われるというやや特異な仕組みを採用している。
補助参加の利益
「訴訟の結果についての利害関係」
①判決主文で判断される訴訟物たる権利又は法律関係の存否についての
②(法的な)利害関係
ア:他の制度との役割分担の観点から補助参加制度の守備範囲を明確にする。
基準として明確。文言にも適合的。
イ:判決理由中の判断は、訴訟当事者間でさえ既判力が生じないとされている。
第三者による介入を広く認めすぎてしまうことになる。
→ 先決的な論理関係、因果的連鎖性
訴訟告知
敗訴責任の公平な分担
訴訟の係属中、訴訟の結果について利害関係を有する第三者に対し、当事者が訴訟係属の事実を法定の方式に従って通知すること(53条)。
①第三者に訴訟の存在を知らせて訴訟関与の機会を与える。
②敗訴した場合の危険分散策として参加的効力を及ぼし請求権をあらかじめ確保する。
→ 補助参加との必然的結びつきはない。
→ 現実に参加したときにその参加形態に応じた効力を受け、訴訟告知の効力を考える必要はない。補助参加と訴訟告知とは連動せず、訴訟告知と参加的効力も連動しない。被告知者が告知者の側に補助参加する利益を有し、補助参加できたことは必要条件ではあるものの、それが十分条件となるわけではない。
判例の判断枠組み
①訴訟告知を受けた者が42条にいう法律上の利害関係を有する場合に限られる。
「当該訴訟の判決が参加人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に影響を及ぼす
おそれがある場合」をいう。
②効力の客観的範囲は、「判決主文に包含された訴訟物たる権利関係の存否についての判断だけではなく、その前提として判決の理由中でされた事実の認定や先決的権利関係の存否についての判断などにも及ぶ。判決の主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定および法律判断などをいうものであって、これに当たらない事実又は論点について示された認定や法律判断は含まない。」

SECTION29:独立当事者参加訴訟から個別訴訟への還元
個別訴訟への還元
訴えの取下げには、被告と相手方の同意が両方必要。
参加申出の取下げには、原告・被告双方の同意が必要。片方だけ取り下げる場合にも40条の適用がある。
→ これにより、単純な二当事者対立関係に転化する。
訴訟脱退
条件付(予告的)放棄・認諾説

SECTION30:訴訟承継と任意的当事者変更【当事者の変更】
従前の訴訟状態の維持。
訴訟承継
従前の訴訟資料の維持との関係において、独自の攻撃防御を展開する機会(手続保障)をあらためて付与すべきではないかという問題意識(特に参加承継)。
 ⇔ 前主を介して自ら紛争圏内に入る権利承継は、積極的に関与する姿勢を鮮明にしているから、訴訟状態の維持もあまり抵抗はない。
①当然承継
②特定承継
→ 承継原因(「紛争の主体たる地位の移転」というタームを出す。)
 具体的には、
  ア:前主との間の訴訟資料を利用でき、前主の訴訟資料に依存する関係
  イ:前主の原告に対する義務と承継人の原告に対する義務とが牽連
※承継人に対する請求の内容(訴訟物たる権利の性質)が前主に対する請求と異なっていることは、承継を認めることの障害にはならない。 
任意的当事者変更
→ 「新訴提起+弁論の併合+旧訴の取下げ」を一体として把握し、新旧を通じて経済的利益は同一であるから、印紙+時効中断の問題は回避できると考える。その限度で意義がある?
→ 訴え取下げの要素を抱えているから、新被告の防御上の利益を考える必要がある。そうすると、訴訟資料の流用はできないのが原則。
→ ①追認 or ②訴訟追行が実質的に同視できるかどうかで考える。




PART4【上訴ほか】

SECTION31:控訴
上訴の利益(形式的不服説)
原審における当事者の申立てと、その申立てに対して与えられた原判決主文とを比較して、後者が前者に及ばない場合に不服を認める。
例外として、相殺の抗弁、明示的一部請求。
控訴審(続審制)
控訴審は、第ニの事実審として、第一審判決に対する当事者の不服主張を通じて請求の当否を審判する。それに必要な範囲で、あらためて事実認定と法律判断をし直す。

SECTION32:訴訟と非訟


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genre : 学問・文化・芸術

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 お忙しい中、迅速な対応をありがとうございます。
 来年に向けた自分の勉強での貴重な資料に活用したいと思います。

 また何かあったら、連絡させていただきます。
 来年masoさんに続けるよう、頑張りたいと思います。
 この度は、本当にありがとうございました。

No title

ごうさん

リクエストありがとうございました!
何かあればまたいつでも。
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弁護士(63期)。いわゆる大手渉外法律事務所で働いています。

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