スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

調査官解説についての補足

質問にお答えする形で、調査官解説について若干補足しておきます。
(※Q&Aのまとめ1の方へも転載しておきます。)

Q1.調査官解説を読んだ科目
試験対策のローテーションの中に入れていたのは、刑法と刑事訴訟法のみです。
理由は、刑事系科目は特に判例の考え方を理解することと判例の射程を知ることが重要だと考えていたからです。他科目については、ローの授業の中で取り上げられた判例の限度で読んでいました(たとえば、憲法、行政法、会社法(主に判タの担当調査官のまとめ部分)、特許法など)。
そのほか、気が向いたときに法曹時報や判タを読むことはありました。
調査官解説は、当該事案自体の分析も大変勉強になりますが、それと同時に、当該事案の前提問題や既存の議論が半端なく精緻に整理されている点が素晴らしいです。
法律上の論点等の議論で、いまいちよくわからない、もやもやするという場合には、当該分野に関する調査官解説を読むと疑問が氷解することが多かったです。

Q2.どの判例について読んだのか
刑法、刑事訴訟法についてのみ読むといっても、調査官解説のある判例すべてということになると莫大な量になるので、①(主に近年の)最高裁判例のうち読んでおきたいと思ったもの、②自分の中でいまいち理解が足りていないと判断したものに絞りました。
また、読んで十分理解できたと思うものについては、どんどんローテーションから外していきました(後掲の判例は最初にローテに組み込んだ量よりだいぶ少ないです)。

その上で、あくまで参考ですが、最終的に刑法百選Ⅰ・Ⅱ、刑事訴訟法百選に挟まっていたものをみると、以下の通りです。




第1 刑法
1 刑法総論関係

(1)最判H16.1.20
自殺させて保険金を取得する目的で被害者に命令して岸壁上から自動車ごと海中に転落させた行為が殺人未遂罪に当たるとされた事例
(2)最判H16.3.22
①被害者を失神させた上自動車ごと海中に転落させてでき死させようとした場合につき被害者を失神させる行為を開始した時点で殺人罪の実行の着手があるとされた事例
②いわゆる早過ぎた結果の発生と殺人既遂の成否
(3)最判H17.7.4
重篤な患者の親族から患者に対する「シャクティ治療」(判文参照)を依頼された者が入院中の患者を病院から運び出させた上必要な医療措置を受けさせないまま放置して死亡させた場合につき未必的殺意に基づく不作為による殺人罪が成立するとされた事例
(4)最判H4.6.5
①共同正犯が成立する場合における過剰防衛の成否の判断方法
②殺人の共同正犯者中の1人に過剰防衛が成立する場合に他の一人について過剰防衛が成立しないとされた事例
(5)最判H15.7.16
暴行とその被害者が現場からの逃走中に遭遇した交通事故による死亡との間に因果関係があるとされた事例
(6)最判H15.5.1
暴力団組長である被告人が自己のボディーガードらのけん銃の所持につき直接指示を下さなくても共謀共同正犯の罪責を負うとされた事例
2 刑法各論関係
(1)最判H15.3.12
誤った振り込みがあることを知った受取人がその情を秘して預金の払い戻しを受けた場合と詐欺罪の成否
(2)最判H16.12.10
窃盗の犯人による事後の脅迫が窃盗の機会の継続中に行われたとはいえないとされた事例
(3)最大判H15.4.23
委託を受けて他人の不動産を占有する者がこれにほしいままに抵当権を設定してその旨の登記を了していた場合においてその後これについてほしいままに売却等の所有権移転行為を行いその旨の登記を了する行為と横領罪の成否ほか
(4)最判H15.4.14
刑法110条1項にいう「公共の危険」の意義ほか
(5)最判S60.3.28
刑法110条1項の罪と公共の危険発生の認識の要否
(6)最判H15.2.18
住宅金融専門会社の融資担当者の特別背任行為につき同社から融資を受けていた会社の代表者が共同正犯とされた事例
(7)最判S51.4.30
公文書の写真コピーの作成が公文書偽造罪にあたるとされた事例
(8)最判H15.10.6
正規の国際運転免許証に酷似する文書をその発給権限のない団体の名義で作成した行為が私文書偽造罪に当たるとされた事例




第2 刑事訴訟法
(1)最判S51.3.16
任意捜査において許容される有形力行使の限度ほか
(2)最判S53.6.20
職務質問に付随して行う所持品検査の許容限度ほか
(3)最判H1.7.4
被疑者に対する長時間の取調べが任意捜査として許容される限度を逸脱したものとまではいえないとされた事例
(4)最判S59.2.29
①被疑者を所轄警察署近辺のホテル等に宿泊させて取調べを続行したことが任意捜査の方法として違法とまではいえないとされた事例
②伝聞証言につき異議の申立がなかった場合の証拠能力
(5)最判S50.4.3
①現行犯逮捕のため犯人を追跡した者の依頼により追跡を継続した行為を適法な現行犯逮捕の行為と認めた事例
②現行犯逮捕のための実力行使と刑法35条ほか
(6)最判H8.1.29
①刑訴法212条2項にいう「罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるとき」に当たるとされた事例
②逮捕した被疑者を最寄りの場所に連行した上でその身体又は所持品について行われた捜索及び差押えと刑訴法220条1項にいう「逮捕の現場」ほか
(7)最判H13.4.11
①殺害の日時・場所・方法の判示が概括的で実行行為者の判示が択一的であっても殺人罪の罪となるべき事実の判示として不十分とはいえないとされた事例
②殺人罪の共同正犯の訴因において実行行為者が明示された場合に訴因変更手続を経ることなく訴因と異なる実行行為者を認定することの適否ほか
(8)最判S58.9.6
訴因変更を命じ又はこれを積極的に促すべき義務がないとされた事例
(9)最判S63.10.25
覚せい剤使用罪につき使用時間、場所、方法に差異のある訴因間において公訴事実の同一性が認められた事例
(10)最判S53.9.7
①職務質問に付随して行う所持品検査の限度ほか
②押収等の手続に違法のある証拠物とその証拠能力
(11)最判H15.2.14
①逮捕当日に採取された被疑者の尿に関する鑑定書の証拠能力が逮捕手続に重大な違法があるとして否定された事例
②捜索差押許可状の発布に当たり疎明資料とされた被疑者の尿に関する鑑定書が違法収集証拠として証拠能力を否定される場合において同許可状に基づく捜索により発見押収された覚せい剤等の証拠能力が肯定された事例
(12)最判H17.9.27
捜査官が被害者や被疑者に被害・犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書等で実質上の要証事実が再現されたとおりの犯罪事実の存在であると解される書証の証拠能力
(13)最判H18.11.7
刑訴法328条により許容される証拠

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

10 | 2017/11 | 12
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

maso

Author:maso
弁護士

maso on Twitter
カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
月別アーカイブ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

masoブロ カウンター
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。