スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

問題発見に至るアプローチを学ぶ②(予備試験)

平成23年~平成29年の予備試験の論文式試験問題(民法・刑法)についても問題を見てみました。試験の位置づけどおり、基本的論点の処理とあてはめについて、いかに時間内にバランスよく整理できるかいう能力を見る試験ですね。まだ試験制度の歴史も浅く、過去問の数も少ないので、全ての問題を検討してもそれほど負担にはならないと思いますが、良問を各2問あげておきます。典型的でない問題点の解決を含んでいるという点でよい問題だと思いますニコニコマーク

民法

平成26年

次の文章を読んで、後記の〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。

【事実】

1.Aは、自宅近くにあるB所有の建物(以下「B邸」という。)の外壁(れんが風タイル張り仕上げ)がとても気に入り、自己が所有する別荘(以下「A邸」という。)を改修する際は、B邸のような外壁にしたいと思っていた。

2.Aは、A邸の外壁が傷んできたのを機に、外壁の改修をすることとし、工務店を営むCにその工事を依頼することにした。Aは、発注前にCと打合せをした際に、CにB邸を実際に見せて、A邸の外壁をB邸と同じ仕様にしてほしい旨を伝えた。

3.Cは、B邸を建築した業者であるD社から、B邸の外壁に用いられているタイルがE社製造の商品名「シャトー」であることを聞いた。CはE社に問い合わせ、「シャトー」が出荷可能であることを確認した。

4.Cは、Aに対し、Aの希望に沿った改修工事が可能である旨を伝えた。そこで、AとCは、工事完成を1か月後とするA邸の改修工事の請負契約を締結した。Aは、契約締結当日、Cに対し、請負代金の全額を支払った。

5.工事の開始時に現場に立ち会ったAは、A邸の敷地内に積み上げられたE社製のタイル「シャトー」の色がB邸のものとは若干違うと思った。しかし、Aは、Cから、光の具合で色も違って見えるし、長年の使用により多少変色するとの説明を受け、また、E社に問い合わせて確認したから間違いないと言われたので、Aはそれ以上何も言わなかった。

6.Cは、【事実】5に記したA邸の敷地内に積み上げられたE社製のタイル「シャトー」を使用して、A邸の外壁の改修を終えた。ところが、Aは、出来上がった外壁がB邸のものと異なる感じを拭えなかったので、直接E社に問い合わせた。そして、E社からAに対し、タイル「シャトー」の原料の一部につき従前使用していたものが入手しにくくなり、最近になって他の原料に変えた結果、表面の手触りや光沢が若干異なるようになり、そのため色も少し違って見えるが、耐火性、防水性等の性能は同一であるとの説明があった。また、Aは、B邸で使用したタイルと完全に同じものは、特注品として注文を受けてから2週間あれば製作することができる旨をE社から伝えられた。

7.そこで、Aは、Cに対し、E社から特注品であるタイルの納入を受けた上でA邸の改修工事をやり直すよう求めることにし、特注品であるタイルの製作及び改修工事のために必要な期間を考慮して、3か月以内にその工事を完成させるよう請求した。

〔設問1〕

【事実】7に記したAの請求について、予想されるCからの反論を踏まえつつ検討しなさい。

【事実(続き)】

8.【事実】7に記したAの請求があった後3か月が経過したが、Cは工事に全く着手しなかった。

そこで、嫌気がさしたAは、A邸を2500万円でFに売却し、引き渡すとともに、その代金の全額を受領した。

9.なお、A邸の外壁に現在張られているタイルは、性能上は問題がなく、B邸に使用されているものと同じものが用いられていないからといって、A邸の売却価格には全く影響していない。

〔設問2〕

Aは、A邸をFに売却した後、Cに対し、外壁の改修工事の不備を理由とする損害の賠償を求めている。この請求が認められるかを、反対の考え方にも留意しながら論じなさい。

なお、〔設問1〕に関して、AのCに対する請求が認められることを前提とする。

<ここがGood!!>
基本的な知識から考えていくことが求められる点で、新司法試験の出題傾向に近いと思います。


平成23年

Aは,平成20年3月5日,自己の所有する甲土地について税金の滞納による差押えを免れるため,息子Bの承諾を得て,AからBへの甲土地の売買契約を仮装し,売買を原因とするB名義の所有権移転登記をした 。次いで, Bは,Aに無断で ,甲土地の上に乙建物を建築し,同年11月7日 ,乙建物についてB名義の保存登記をし,同日から乙建物に居住するようになった。
Bは,自己の経営する会社の業績が悪化したため,その資金を調達するために,平成21年5月23日,乙建物を700万円でCに売却し,C名義の所有権移転登記をするとともに,同日,Cとの間で,甲土地について建物の所有を目的とする賃貸借契約(賃料月額12万円)を締結し,乙建物をCに引き渡した。この賃貸借契約の締結に際して,Cは,甲土地についてのAB間の売買が仮装によるものであることを知っていた。
その後,さらに資金を必要としたBは,同年10月9日,甲土地をDに代金1000万円で売却し,D名義の所有権移転登記をした。この売買契約の締結に際して,Dは,甲土地についてのAB間の売買が仮装によるものであることを知らず,それを知らないことについて過失もなかった。
同年12月16日,Aが急死し,その唯一の相続人であるBがAの一切の権利義務を相続した。この場合において,Dは,Cに対し,甲土地の所有権に基づいて,甲土地の明渡しを求めることができるかを論ぜよ。。

<ここがGood!!>
前提関係で基本論点をベースとして整理させた上で、CとDの法律関係の解決でバランス感覚を見るという点で良問だと思います。簡単にできた人は、平成18年旧司法試験民法第2問もチェック!




刑法


平成25年

以下の事例に基づき,Vに現金50万円を振り込ませた行為及びD銀行E支店ATMコーナーにおいて,現金自動預払機から現金50万円を引き出そうとした行為について,甲,乙及び丙の罪責を論じなさい(特別法違反の点を除く。)。

1 甲は,友人である乙に誘われ,以下のような犯行を繰り返していた。
 ①乙は,犯行を行うための部屋,携帯電話並びに他人名義の預金口座の預金通帳,キャッシュカード及びその暗証番号情報を準備する。②乙は,犯行当日,甲に,その日の犯行に用いる他人名義の預金口座の口座番号や名義人名を連絡し,乙が雇った預金引出し役に,同口座のキャッシュカードを交付して暗証番号を教える。③甲は,乙の準備した部屋から,乙の準備した携帯電話を用いて電話会社発行の電話帳から抽出した相手に電話をかけ,その息子を装い,交通事故を起こして示談金を要求されているなどと嘘を言い,これを信じた相手に,その日乙が指定した預金口座に現金を振り込ませた後,振り込ませた金額を乙に連絡する。④乙は,振り込ませた金額を預金引出し役に連絡し,預金引出し役は,上記キャッシュカードを使って上記預金口座に振り込まれた現金を引き出し,これを乙に手渡す。⑤引き出した現金の7割を乙が,3割を甲がそれぞれ取得し,預金引出し役は,1万円の日当を乙から受け取る。

2 甲は,分け前が少ないことに不満を抱き,乙に無断で,自分で準備した他人名義の預金口座に上記同様の手段で現金を振り込ませて,その全額を自分のものにしようと計画した。そこで,甲は,インターネットを通じて,他人であるAが既に開設していたA名義の預金口座の預金通帳,キャッシュカード及びその暗証番号情報を購入した。

3 某日,甲は,上記1の犯行を繰り返す合間に,上記2の計画に基づき,乙の準備した部屋から,乙の準備した携帯電話を用いて,上記電話帳から新たに抽出したV方に電話をかけ,Vに対し,その息子を装い,「母さん。俺だよ。どうしよう。俺,お酒を飲んで車を運転して,交通事故を起こしちゃった。相手のAが,『示談金50万円をすぐに払わなければ事故のことを警察に言う。』って言うんだよ。警察に言われたら逮捕されてしまう。示談金を払えば逮捕されずに済む。母さん,頼む,助けてほしい。」などと嘘を言った。Vは,電話の相手が息子であり,50万円をAに払わなければ,息子が逮捕されてしまうと信じ,50万円をすぐに準備する旨答えた。甲は,Vに対し,上記A名義の預金口座の口座番号を教え,50万円をすぐに振り込んで上記携帯電話に連絡するように言った。Vは,自宅近くのB銀行C支店において,自己の所有する現金50万円を上記A名義の預金口座に振り込み,上記携帯電話に電話をかけ,甲に振込みを済ませた旨連絡した。

4 上記振込みの1時間後,たまたまVに息子から電話があり,Vは,甲の言ったことが嘘であると気付き,警察に被害を申告した。警察の依頼により,上記振込みの3時間後,上記A名義の預金口座の取引の停止措置が講じられた。その時点で,Vが振り込んだ50万円は,同口座から引き出されていなかった。

5 甲は,上記振込みの2時間後,友人である丙に,上記2及び3の事情を明かした上,上記A名義の預金口座から現金50万円を引き出してくれれば報酬として5万円を払う旨持ちかけ,丙は,金欲しさからこれを引き受けた。甲は,丙に,上記A名義の預金口座のキャッシュカードを交付して暗証番号を教え,丙は,上記振込みの3時間10分後,現金50万円を引き出すため,D銀行E支店(支店長F)のATMコーナーにおいて,現金自動預払機に上記キャッシュカードを挿入して暗証番号を入力したが,既に同口座の取引の停止措置が講じられていたため,現金を引き出すことができなかった。なお,金融機関は,いずれも,預金取引に関する約款等において,預金口座の譲渡を禁止し,これを預金口座の取引停止事由としており,譲渡された預金口座を利用した取引に応じることはなく,甲,乙及び丙も,これを知っていた。

<ここがGood!!>
財産犯の構成要件の十分な理解が試されている点で良問です。共謀の範囲、正犯・共犯の別に関する検討は、新司法試験でも問われそうです。


平成24年

以下の事例に基づき,甲及び乙の罪責について論じなさい(特別法違反の点を除く。)。

1 甲(28歳,男性,身長178センチメートル,体重82キログラム)は,V(68歳,男性,身長160センチメートル,体重53キログラム)が密輸入された仏像を密かに所有していることを知り,Vから,売買を装いつつ,代金を支払わずにこれを入手しようと考えた。具体的には,甲は,代金を支払う前に鑑定が必要であると言ってVから仏像の引渡しを受け,これを別の者に託して持ち去らせ,その後,自身は隙を見て逃走して代金の支払を免れようと計画した。
 甲は,偽名を使って自分の身元が明らかにならないようにして,Vとの間で代金や仏像の受渡しの日時・場所を決めるための交渉をし,その結果,仏像の代金は2000万円と決まり,某日,ホテルの一室で受渡しを行うこととなった。甲は,仏像の持ち去り役として後輩の乙を誘ったが,乙には,「ホテルで人から仏像を預かることになっているが,自分にはほかに用事があるから,仏像をホテルから持ち帰ってしばらく自宅に保管しておいてくれ。」とのみ伝えて上記計画は伝えず,乙も,上記計画を知らないまま,甲の依頼に応じることとした。

2 受渡し当日,Vは,一人で受渡し場所であるホテルの一室に行き,一方,甲も,乙を連れて同ホテルに向かい,乙を室外に待たせ,甲一人でVの待つ室内に入った。甲は,Vに対し,「金は持ってきたが,近くの喫茶店で鑑定人が待っているので,まず仏像を鑑定させてくれ。本物と確認できたら鑑定人から連絡が入るので,ここにある金を渡す。」と言い,2000万円が入っているように見せ掛けたアタッシュケースを示して仏像の引渡しを求めた。Vは,代金が準備されているのであれば,先に仏像を引き渡しても代金を受け取り損ねることはないだろうと考え,仏像を甲に引き渡した。甲は,待機していた乙を室内に招き入れ,「これを頼む。」と言って,仏像を手渡したところ,乙は,準備していた風呂敷で仏像を包み,甲からの指示どおり,これを持ってそのままホテルを出て,タクシーに乗って自宅に帰った。乙がタクシーで立ち去った後,甲は,代金を支払わないまま同室から逃走しようとしたが,Vは,その意図を見破り,同室出入口ドア前に立ちはだかって,甲の逃走を阻んだ。

3 Vは,甲が逃げないように,護身用に持ち歩いていたナイフ(刃体の長さ約15センチメートル)の刃先を甲の首元に突き付け,さらに,甲に命じてアタッシュケースを開けさせたが,中に現金はほとんど入っていなかった。Vは,甲から仏像を取り返し,又は代金を支払わせようとして,その首元にナイフを突き付けたまま,「仏像を返すか,すぐに金を準備して払え。言うことを聞かないと痛い目に合うぞ。」と言った。また,Vは,甲の身元を確認しようと考え,「お前の免許証か何かを見せろ。」と言った。

4 甲は,このままではナイフで刺される危険があり,また,Vに自動車運転免許証を見られると,身元が知られて仏像の返還や代金の支払を免れることができなくなると考えた。そこで,甲は,Vからナイフを奪い取ってVを殺害して,自分の身を守るとともに,仏像の返還や代金の支払を免れることを意図し,隙を狙ってVからナイフを奪い取り,ナイフを取り返そうとして甲につかみ掛かってきたVの腹部を,殺意をもって,ナイフで1回突き刺し,Vに重傷を負わせた。甲は,すぐに逃走したが,部屋から逃げていく甲の姿を見て不審に思ったホテルの従業員が,Vが血を流して倒れているのに気付いて119番通報をした。Vは,直ちに病院に搬送され,一命を取り留めた。

5 甲は,身を隠すため,その日のうちに国外に逃亡した。乙は,持ち帰った仏像を自宅に保管したまま,甲からの指示を待った。その後,乙は,甲から電話で,上記一連の事情を全て打ち明けられ,引き続き仏像の保管を依頼された。乙は,先輩である甲からの依頼であるのでやむを得ないと思い,そのまま仏像の保管を続けた。しかし,乙は,その電話から2週間後,金に困っていたことから,甲に無断で仏像を500万円で第三者に売却し,その代金を自己の用途に費消した。

<ここがGood!!>
詐欺罪の成否について、新司法試験と同様の丁寧な検討が求められる点で良問です。


theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

問題発見に至るアプローチを学ぶ①(旧司法試験)

最近、数年ぶりに司法試験合格に向けた学習内容について話す機会があり、新司法試験の問題のほかにどのような問題を検討したらよいのかというご質問を頂きました。

私が受験した平成21年以降の新司法試験の問題を検討する時間は取れていませんが、平成元年~平成22年の旧司法試験(論文式試験)の問題(民法・刑法)について、問題点発見に至るアプローチを訓練する上で特に良問であると私が考える問題(各7問)をあげておきますニコニコマーク 受験当時ピックアップしていたものに加え、その後出題された問題を含めて、改めて全問を確認した上で選びました。これらの問題に適切にアプローチできる方は、司法試験における法的問題に対する向き合い方が非常に正しいと思います。

民法・刑法の問題における思考方法はあらゆる法律科目の問題へのアプローチの基礎となります。新司法試験についても必ず役立つはずですので、是非一度検討してみてください

民法

平成20年第1問

Aは,工作機械(以下「本件機械」という。)をBに代金3000万円で売却して,引き渡した。この契約において,代金は後日支払われることとされていた。本件機械の引渡しを受けたBは,Cに対して,本件機械を期間1年,賃料月額100万円で賃貸し,引き渡した。この事案について,以下の問いに答えよ。
1 その後,Bが代金を支払わないので,Aは,債務不履行を理由にBとの契約を解除した。この場合における,AC間の法律関係について論ぜよ。
2 AがBとの契約を解除する前に,Bは,Cに対する契約当初から1年分の賃料債権をDに譲渡し,BはCに対し,確定日付ある証書によってその旨を通知していた。この場合において,AがBとの契約を解除したときの,AC間,CD間の各法律関係について論ぜよ。

<ここがGood!!>
小問1は、解除にまつわる法律関係について、解除制度の制度趣旨から考える力の有無を問う問題として非常に良問です。小問2は、特にCD間について、前提となる法律関係を整理した上で、CとDがそれぞれ何を言いたいかを出発点として丁寧に考えてみてください。

平成17年第2問

Aは,Bから3000万円を借り受け,その担保としてAの所有する甲土地及び乙建物(後記の庭石を除いた時価合計2900万円)に抵当権を設定して,その旨の登記をした。甲土地の庭には,抵当権設定前から,庭石(時価200万円)が置かれていたが,抵当権設定登記後,A宅を訪問したCは,同庭石を見て,それが非常に珍しい物であったことから欲しくなり,Aに同庭石を譲ってくれるよう頼んだところ,Aは,これを了承し,Cとの間で同庭石の売買契約を締結し,同庭石は後日引き渡すことにした。このAC間の売買契約を知ったDは,日ごろよりCを快く思っていなかったことから,専らCに嫌がらせをする意図で,Aとの間で同庭石の売買契約を締結して,Cが引渡しを受ける前に,A立会いの下で同庭石をD自らトラックに積んで搬出し,これを直ちにEに転売して,Eに引き渡した。
 この事案について,次の問いに答えよ。
1 CE間の法律関係について論ぜよ。
2 Bは,Eに対して物権的請求権を行使したいが,その成立の根拠となるBの主張について考察せよ。

<ここがGood!!>
特に小問2について、抵当権の制度趣旨から対抗関係の本質を考えていくアプローチを是非身に付けていただきたいです。


平成16年第2問

Aは,Bに2000万円の金銭を貸し付け,その担保としてBの父親Cが所有する甲不動産(時価2500万円)に第1順位の抵当権の設定を受け,その旨の登記をした。Bは支払期限までにその債務を弁済せずに行方をくらませた。
 そこで,Cは,この抵当権の実行を避けるため,Aに対して複数回に分けて合計800万円をBに代わって弁済するとともに,残りの債務も代わって弁済する旨繰り返し申し出たので,Aはその言を信じてBに対して上記貸金債権について特に時効中断の手続をとらないまま,支払期限から10年が経過した。他方,その間に,Cに対してDが1000万円,Eが1500万円の金銭を貸し付け,その担保として,甲不動産につきそれぞれDが第2順位,Eが第3順位の抵当権の設定を受け,いずれもその旨の登記を了した。
 以上の事実関係の下で(Cが無資力である場合も想定すること),Aが甲不動産に対して有する第1順位の抵当権設定登記の抹消を請求するため,Eはいかなる主張をし,他方,Aはこれに対していかなる反論をすることが考えられるかを指摘し,それぞれについて考察を加えよ。


<ここがGood!!>
当事者の立場から何を言いたいかを出発点として考えるという、民法の問題に対する最も重要な視点を鍛えることができる点で優れています。それによって各論点を論じる実益が生じ、制度趣旨から考えて検討していく本問の流れを何度も復習することをお勧めします。


平成15年第2問

Aは,Bから登記簿上330平方メートルと記載されている本件土地を借り受け,本件土地上に自ら本件建物を建てて保存登記を行い,居住していた。Aは,本件建物を改築しようと考え,市の建築課と相談し,敷地面積が330平方メートルならば希望する建物が建築可能と言われたため,本件土地を売ってくれるようBに申し込み,Bは,これを承諾した。売買契約では,3.3平方メートル当たり25万円として代金額を2500万円と決め,Aは,代金全額を支払った。
 以上の事案について,次の問いに答えよ(なお,各問いは,独立した問いである。)。
 1  本件土地の売買契約締結直後に,本件土地建物を時価より1000万円高い価格で買い受けたいというCの申込みがあったため,Aは,Cとの間で本件土地建物の売買契約を締結した。しかし,専門業者の実測の結果,本件土地の面積が実際には297平方メートルであることが判明し,面積不足のためにCの希望していた大きさの建物への建て替えが不可能であることが分かり,AC間の売買契約は解除された。
 Aは,Bに対してどのような請求ができるか。
 2  数年後,Bは,Aへの移転登記が未了であることを奇貨として,本件土地をDに売却しようと,「Aはかつて賃借人だったが,賃料を支払わないため契約を解除した。」と虚偽の事実を告げた。Dは,事情を確かめにA方に出向いたが,全く話をしてもらえなかったため,Bの言い分が真実らしいと判断し,本件土地を買い受け,移転登記をした。
 AD間の法律関係について論ぜよ。


<ここがGood!!>
小問2が優れています。AとDの利害調整の観点から落としどころを見つけるアプローチが大変に参考になります。

平成14年第1問

Aは,妻とともに,子B(当時18歳)の法定代理人として,Cに対し,Bが祖父からの贈与により取得した甲土地を,時価の500万円で売却して引き渡し,所有権移転の登記をした。Aは,妻の了解の下に,その売却代金を,AのDに対する500万円の債務の弁済に充てた。Aは,Dに弁済する際,甲土地の売却代金により弁済することを秘していたが,Dは,そのことを知っていた。AがDに弁済した時,A夫婦は無資力であった。その後,Bは,成人した。
1 A夫婦が売却代金をAのDに対する債務の弁済に充てるために甲土地を売却したものであり,Cは,甲土地を買い受ける際,そのことを知っていた場合において,次の各問について論ぜよ。
(1) Bは,Cに対し,甲土地の返還を請求することができるか。
(2) CがBに対して甲土地を返還したとき,Cは,Bに対し,500万円の支払を請求することができるか。
2 A夫婦が売却代金をBの教育資金に用いるつもりで甲土地を売却したが,売却後に考えが変わり,売却代金をAのDに対する債務の弁済に充てた場合において,Bは,Dに対し,500万円の支払を請求することができるかについて論ぜよ。

<ここがGood!!>
小問1が優れています。法律関係の整理の仕方を身に付ける格好の素材です。


平成12年度第1問

Aは、画商Bから著名な画家Cの署名入りの絵画(以下「本件絵画」という。)を代金2,000万円で買い受け、代金全額を支払って、その引渡を受けた。当時、ABは、本件絵画をCの真作と思っており、代金額も、本件絵画がCの真作であれば、通常の取引価額相当額であった。Aは、自宅の改造工事のために、画廊を経営するDに対し、報酬1日あたり1万円、期間50日間との約定で、本件絵画の保管を依頼し、報酬50万円を前払して、本件絵画を引き渡した。その後、本件絵画がCの真作を模倣した偽物であって100万円程度の価値しかないことが判明したので、AがBに対し、本件絵画の引取りと代金の返還を求めて交渉していたところ、本件絵画は、Dへの引渡後20日目に、隣家からの出火による延焼によって画廊とともに焼失した。
 以上の事案におけるAB間及びAD間の法律関係について論ぜよ。

<ここがGood!!>
当事者の立場から何を言いたいかを出発点として考えて、AB間では基本的な法律関係の処理と共に結論の妥当性を考えさせる点、AD間では見慣れない条文の適用関係・法律効果を問う点がとても良いです。


平成6年度第2問

Aは,債権者からの差押えを免れるため,Bと通謀の上,売買仮装して,その所有する建物およびその敷地(以下,これらを総称するときは「本件不動産」という。)の登記名義をBに移転するとともに,本件不動産を引き渡した。その後,Aは,右の事情を知っているCとの間で,本件不動産につき売買契約を締結し,代金の支払いを受けたが,その直前に,Bが,Dに本件不動産を売却し,引き渡していた。Dは,AB間の右事情を知らず,かつ,知らないことに過失がなかった。ところが,右建物は,Cの買受け後に,第三者の放火により焼失してしまった。なお,その敷地についての登記名義は,いまだBにある。
 以上の事案において,本件不動産をめぐるCD間の法律関係について論じた上,CがAおよびBに対してどのような請求ができるか説明せよ。


<ここがGood!!>
CD間の法律関係を論じる前提として丁寧な論理の積み上げが要求される点がとても良いです。



刑法


平成22年第1問

甲は,かつて働いていたA社に忍び込んで金品を盗もうと考え,親友であるA社の従業員乙にこの計画を打ち明けて,その援助を依頼した。乙は,甲からその依頼を受けて,甲のために協力したいと思い,甲に「社員が退社した後に,A社の通用口の鍵を開けておくよ。」と伝えたところ,甲は,「助かるよ。」と乙に礼を言った。
 乙は,甲からあらかじめ告げられていた犯行の当日,乙以外のA社の社員全員が退社した後,甲に伝えていたとおり同社通用口の施錠を外して帰宅した。甲は,バールを持ってA社の前まで来たが,A社の中に人がいるような気配がしたので,急きょ計画を変更してA社の隣にあるB社に忍び込むことにした。そこで,甲は,B社に行き,たまたま開いていたB社の建物の玄関ドアから誰もいない建物内に入った。甲は,その事務室に入り込み,バールで金庫をこじ開け,その中から現金を盗み,更に金目の物がないかと室内を物色していたところ,机の上に積まれていた書類の束に甲の手が触れたため,その書類の束がB社の従業員丙が退社の際に消し忘れていた石油ストーブの上に落ち,これに石油ストーブの火が燃え移った。甲は,その書類の束から小さな炎が上がり,更にストーブの上から燃え落ちた火が床にも燃え移りそうになっているのを見て,今なら近くにあった消火器で容易に消せるが,このまま放置すればその火が建物全体に燃え広がるだろうと思いながらも,消火のためにここにとどまれば自分の盗みが発覚するのではないかとおそれて,その場からそのまま立ち去った。
 他方,帰宅途中であった丙は,石油ストーブを消し忘れていたことを思い出し,B社に戻り,その事務室に入ろうとしたところ,事務室の床が燃えているのを発見した。この時点でも,まだ容易にその火を消すことができる状況にあったことから,丙は,その火をそのまま放置すれば建物全体が燃えてしまうと思いつつ,今ならまだ近くにあった消火器で十分消せると考えた。しかし,丙は,その床が燃えているのは自分の石油ストーブの消し忘れが原因であると思い,自分の火の不始末が発覚するのをおそれて,その場からそのまま立ち去った。その結果,B社の建物は全焼した。
 甲,乙及び丙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。

<ここがGood!!>
乙と丙の罪責の検討を通じて構成要件の本質的理解が問われている点が素晴らしいです。

平成21年第1問

甲及び乙は,路上を歩いていた際,日ごろから仲の悪いAと出会い,口論となったところ,立腹したAは甲及び乙に対し殴りかかった。甲は,この機会を利用してAに怪我を負わせてやろうと考えたが,その旨を秘し,乙に対し,「一緒に反撃しよう。」と言ったところ,乙は甲の真意を知らずに甲と共に反撃することを了承した。そして,甲は,Aの頭部を右拳で殴り付け,乙は,そばに落ちていた木の棒を拾い上げ,Aの頭部を殴り付けた結果,Aは路上に倒れ込んだ。この時,現場をたまたま通りかかった丙は,既にAが路上に倒れていることを認識しながら,仲間の乙に加勢するため,自ら別の木の棒を拾い上げ,乙と共にAの頭部を多数回殴打したところ,Aは脳損傷により死亡した。なお,Aの死亡の結果がだれの行為によって生じたかは,明らかではない。
 甲,乙及び丙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。

<ここがGood!!>
防衛行為の検討を通じて、(刑法上の)行為と違法性についての考え方を論理的に一貫して示せるかを練習するための素材として大変優れています。

平成18年第1問

病院長である医師甲は,その病院に入院中の患者Xの主治医Aから,Xに対する治療方法についての相談を受けた。
 Xに対して恨みをもっていた甲は,特異体質を持つXに特定のある治療薬を投与すれば副作用により死に至ることを知っていたことから,Aをしてその治療薬をXに投与させてXを殺害しようと考えた。そして,甲は,Aが日ごろから研修医乙に患者の検査等をすべて任せて乙からの報告を漫然と信用して投薬を行っていることを知っており,かつ,乙がAの指導方法に不満を募らせていることも知っていたので,AにXの特異体質に気付かせないままその治療薬を投与させるため,乙を仲間に引き入れることにした。
 そこで,甲は,乙に対し,「Xに特異体質があるので,特定のある治療薬を投与すれば,Xは,死に至ることはないが,聴力を失う。」旨うそを言い,Aの治療行為を失敗させることによってAの信用を失わせようと持ち掛けた。すると,乙は,これを承諾し,甲に対し,「AからXの検査を指示されたときは,Aに『Xに特異体質はない。』旨うその報告をする。」と提案し,甲は,これを了承した。
 その上で,甲は,Aに対し,その治療薬を投与してXを治療するよう指示した。そこで,Aは,乙に対し,Xの特異体質の有無について検査するよう指示したが,乙は,Xに対する検査をしないまま,Aに対し,「Xを検査した結果,特異体質はなかった。」旨報告した。
 Aは,本来,自らXの特異体質の有無を確認すべき注意義務があり,もし,AがXの特異体質の有無を自ら確認していれば,Xの特異体質に気付いて副作用により死に至ることを予見し,その投薬をやめることができた。しかし,Aは,実際には,その確認をせず,軽率にも乙の報告を漫然と信用したため,Xの特異体質に気付かないまま,Xに対し,その治療薬を投与してしまった。その結果,Xは,副作用に基づく心不全により死亡した。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。

<ここがGood!!>
典型的でない事案について、基本知識の組み合わせで解けるように丁寧に分解していくアプローチを身に付けるのに最適だと思います。

平成16年第2問

甲は,Aとの間で,自己の所有する自己名義の土地を1000万円でAに売却する旨の契約を締結し,Aから代金全額を受け取った。ところが,甲は,Aに対する所有権移転登記手続前に,Bからその土地を1100万円で買い受けたい旨の申入れを受けたことから気が変わり,Bに売却してBに対する所有権移転登記手続をすることとし,Bとの間で,Aに対する売却の事実を告げずに申入れどおりの売買契約を締結し,Bから代金全額を受け取った。しかし,甲A間の売買の事実を知ったBは,甲に対し,所有権移転登記手続前に,甲との売買契約の解除を申し入れ,甲は,これに応じて,Bに対し,受け取った1100万円を返還した。その後,甲は,C銀行から,その土地に抵当権を設定して200万円の融資を受け,その旨の登記手続をし,さらに,これまでの上記事情を知る乙との間で,その土地を800万円で乙に売却する旨の契約を締結し,乙に対する所有権移転登記手続をした。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ。

<ここがGood!!>
民事・刑事の横断的思考が要求される美しい問題です。横領・背任・詐欺がそれぞれ問題となる場面、それらの関係性について理解するのに最適だと思います。

平成14年第1問

甲は,Aに電話で罵倒されたため憤激し,A方に赴けば必ずけんかになるだろうと思いながら,この機会にAを痛めつけようと考え,こん棒を用意するとともに,友人の乙に,こん棒を持っていることは隠し,これからA方に話合いに行くが,けんかになったら加勢してほしいと依頼した。乙は,気が進まなかったが,けんかの加勢くらいはしてやろうと考えてこれを承諾し,一緒にA方に行った。甲は,Aを呼んでも出てこないので裏口に回り,乙は,玄関先で待っていたところ,出てきたAが乙を甲と取り違え,いきなり乙に鉄棒で殴り掛かってきた。そこで,乙は,Aの攻撃を防ぐため,玄関先にあったコンクリート片をAに向かって投げたところ,コンクリート片はAの顔に当たり,顔面擦過傷を負わせ,さらに,Aの背後にいたBの頭にも当たり,頭部打撲傷を負わせた。なお,コンクリート片を投げたとき,乙はBがいることを認識していなかった。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。

<ここがGood!!>
平成21年第1問とは違った場面設定において、共犯関係における違法性をどのように考えるのか、初歩的・基本的な知識から出発して考察し、解決に導くアプローチを学ぶことができる良問です。

平成13年第2問

製薬会社の商品開発部長甲は、新薬に関する機密情報をライバル会社に売却して利益を得ようと企て、深夜残業中、自己が管理するロッカー内から新薬に関する自社のフロッピーディスク1枚を取り出した上、同じ部屋にあるパソコンを操作して同ディスク内の機密データを甲所有のフロッピーディスクに複写し、その複写ディスクを社外に持ち出した。その後、甲は、ライバル会社の乙にこの複写ディスクを売却することとし、夜間山中で乙と会ったが、乙は、金を惜しむ余り、「ディスクの中身を社内で確認してから金を渡す。」と告げて、甲からディスクを受け取って自己の車に戻り、すきを見て逃走しようとした。乙は、車内から甲の様子を数分間うかがっていたが、不審に思った甲が近づいてきたことから、この際甲を殺してしまおうと思い立ち、車で同人を跳ね飛ばし谷底に転落させた。その結果、甲は重傷を負った。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(特別法違反の点は除く。)。

<ここがGood!!>
問題となる各罪の区別とそれらの罪の構成要件の理解に最適です。平成13年は第1問もとても良い問題ですので、お時間がある方は是非ご検討ください。

平成10年第2問

甲は乙にAの殺害を依頼し、乙はこれを引き受けた。甲は、犯行準備のための資金として乙に現金100万円を手渡し、A殺害後には報償としてさらに200万円を支払うことを約束した。その後、乙は、その妻丙から「甲なんかのために、危ない橋を渡ることはない。」と説得され、殺害を思いとどまり、丙と二人でその100万円を費消した。そのころ、Aは既に重病にかかっており、しばらくして病死したが、乙はこれに乗じて、甲に対し自分が殺害したように申し向けて約束の報酬を要求し、現金200万円を受け取った。その夜、乙は、丙にこれを自慢話として語り、同女にそのうちの100万円を与えた。
 乙及び丙の罪責を論ぜよ。

<ここがGood!!>
短い問題ですが、あるテーマに関して多くの論じるべき点が含まれており、刑法各論における問題発見能力を磨くのに最適だと思います。

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

【米国ロースクール留学/必要書類】

第4 必要書類

1 Credentials (Law School Report)

(1) Law School Admission Council (LSAC)
TOEFLのスコアとこれまでに卒業・終了した教育機関の成績を提出する必要があります。TOEFLのレポート、成績証明書、卒業証明書、修了証明書を提出することになりますが、多くのロースクールではLaw School Admission Council(LSAC)のシステムを利用して出願することを認めており、これらの書類を逐一出願先のロースクールに個別に送付する必要はありません。LSACに一式書類を提出して登録するとLSACのシステム上から出願先のロースクールに電子データとして提出することが可能になります。なお、多くのロースクールでは、後述する推薦状もこのサービス(Document Assembly Service (DAS))により電子的に登録されたものを送付することが可能です。LSACのアカウントは2年間有効ですので、ロースクール留学を決意したらまずアカウントを作成して、自分の卒業校の成績証明書等を送付しておきます。

また、LSACは、米国以外の教育機関における成績評価を米国の教育機関における成績評価に換算するサービス(International Transcript Authentication and Evaluation Service (ITAES))も実施しており、多くのロースクールではこのサービスを利用することを推奨又は義務付けています。日本の大学・大学院・ロースクール等の成績証明書等をLSACを通じて当該判定機関に送付すると、一定期間後に、各教育機関ごとに米国方式に換算された評価(Rating)、位置づけ(Superior / Above average / Average / Below average)及びTOEFLのスコア(各セクション含む)が記載されたレポートがLSACのシステム上に登録されます。これが出願要綱等においてLaw School Reportと呼ばれるものです。 

(2) Official TOEFL report
Test of English as a Foreign Language (TOEFL) を受験して、そのスコアを提出する必要があります。TOEFLはReading/Listening/Speaking/Writingの4セクションがあり、各30点満点、合計120点満点です。一部のロースクールでは、International English Language Testing System (IELTS)のスコアを利用して出願することも認められています。英国のロースクールと併願する場合にはIELTSをメインに受験することになるでしょう。IELTSもReading/Listening/Speaking/Writingの4セクションがあり、各9.0点満点で、平均点合計9.0点満点です。TOEFLよりも得点を取りやすいと言われています。例外もあるため一概には言えませんが、US News Top 5付近のロースクールを目指す場合にはTOEFL合計点で100点を超えるスコアが必要です。

TOEFLの具体的な対策については、MBA受験生の受験体験記のまとめサイトが非常に役立ちます。ここで具体的な勉強方法を披瀝することは避けますが、Reading/Listeningについては英単語の暗記を厭わないこと、Writing/Speakingについては一定のテンプレートを早期に確定すること、試験の形式に慣れること、良い環境の受験会場を確保することが肝要かと思います。

各ロースクールがTOEFL/IELTSの最低基準点(minimum requirement)を設定している場合があります。最低基準点は総合点のみの場合もあれば、総合点に加えて、各セクションの点数についても設定されている場合もあります。例えば、日本人の留学先としてよく見られるロースクールの最低点は以下のとおりです。

例:Harvard (100 overall, 25 on all sections), Stanford (100 overall), Columbia (105 overall, R/L 26, S/W 24), University of Chicago (104 overall), NYU (100 overall, R/L 26, S/W 22), University of Pennsylvania (100 overall), Michigan (98 overall), Virginia (98 overall) , Duke (100 overall), Northwestern (100 overall), UC Berkeley (100 overall), UCLA (96 overall), Cornell (79 overall), Georgetown (100 overall), University of Texas at Austin (101 overall), USC (100 overall) and Boston (100 overall, 25 on all sections).

TOEFLの点数は第一次選抜のために機能しますが、Chicago等のロースクールを除いて、最低基準点に達しなければ自動的に足切りとなるわけではなく、その他の要素も総合考慮した上で合否が決定されます(※ロースクールによっては、最低基準点に満たない場合には不利になると明言している学校もあります。)。

(3) Transcripts
大学学部、大学院、ロースクールの成績証明書、卒業証明書、修了証明書です。

2 CV (curriculum vitae) /Resume

英文の履歴書です。1~2頁に収めることが理想とされています。先人のサンプル、各種書籍、LL.M.プログラムの出願ページに掲載されているサンプルを参考に作成します。記載する内容は画一的ですので、特に困ることはないと思います。成績や表彰内容等で傑出した記録がある場合には必ず記載します。職務経歴についてもできるだけ具体的・客観的に数字を出して記載することがポイントです。

3 Personal statement

志望理由書です。字数制限や書式の指定がされている場合があり、各校で異なりますので注意しましょう。題目は各校で異なりますが、一般的な問いとなっている学校が多くみられます。何をどのように記載すべきかという点については、各校のホームページの情報、設問に付随する説明書きの内容、前述した書籍の内容、過去の合格者の書類を参考にして自分で考えていくほかありませんが、客観的な事実を羅列したり、CV/Resumeの内容をなぞっただけの内容は好まれません。過去の経験・学び、今どう考えているか、将来どうありたいかという時間軸で、自分が考えていることを中心に具体的に記載していくとうまく書けるのではないかと思います。なお、多くの学校で問いが共通しているため、文字数を気にせずにフルバージョンを作成しておくと各校に合わせて細かいアレンジをすることで対応できます。

4 Recommendations

推薦状です。1~3通取得する必要があります。各ロースクールで要求が異なりますが、複数の推薦状が要求される場合には、大学学部・ロースクールの教授等及び職場の上司を含むことが条件とされているケースが多くみられます。法曹の方であれば、学部・ロースクールのゼミの教授、職場の上司(パートナー弁護士)及び/又は司法研修所の教官に依頼するのが典型的なケースです。よく聞かれることですが、推薦状を書いていただく方の留学経験の有無やLL.M.をどこのロースクールで取得したかは決定的な要因ではありませんので、無理をして自分の出願先のロースクールの卒業生にお願いする必要はないと思います。トップ校であっても変わりはありません。自校の卒業生からの推薦状が望ましいとするロースクールもあるので出願先の出願要綱は要確認ですが、それよりも自分のことをよく知り、具体的なストーリーがある方にお願いすることがポイントです。記憶喚起のために、受講した講義やその内容・成績、具体的なエピソード等を簡単に記載したものを渡すことも考えられます。成績や表彰内容等で傑出した記録がある場合には、その旨を具体的・客観的に記載してもらいたいと申し出ましょう。

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

tag : #LLM #ロースクール #留学 #NY Bar #ニューヨーク州司法試験

【米国ロースクール留学/スケジュール】

第3 スケジュール

出願の締め切りは各校で異なり、例年8月~9月頃に各ロースクールのLL.M.の出願ページが更新されます。出願年の10月~翌年1月ころまでが出願時期のピークです。

米国のロースクールには、①出願書類を随時審査し、順次合否通知を行う学校(Rolling basis)と②特定の合格発表日に一斉に合否通知を行う学校があります。そのいずれであるかは、通常、各校の出願要綱に記載されています。

また、早期出願(Early Review/Early Action)を認めているロースクールもあります。これは通常(Regular)の出願時期よりも前に出願することを認め、その場合には通常の発表日よりも前に合否が判明するという制度です。Earlyでは、通常の合否判定のほかに、審査の繰り延べ(Defer)が行われる場合があります。これはEarlyの出願者の中では直ちに合格とは言えないもののRegularの出願者の中で審査した場合に合格となる可能性がある、と判断された場合に合否判定を先送りにする制度です。Earlyで出願したからといって専願となるわけではありませんので、進学を希望する学校がEarlyを認めている場合には、Earlyで出願しておくことに越したことはないでしょう(例えばColumbia、UPenn、GerogetownなどがEarlyを採用しています。)。

準備開始時期については、目標をどこに置くかによって異なりますが、いわゆる帰国子女でない方はTOEFL/IELTSで必要点を取るために数ヶ月は見ておいた方がよいと思います。したがって、一から準備しようとする場合、少なくとも出願年の1月~2月にはTOEFL/IELTSの受験を開始することをお勧めします。多くの方は激務と併行して準備することになると思いますので、勉強時間の確保が課題となります。必要書類を集めるための事務手続にも相応の時間を要しますので、早め早めを意識して準備しましょう。


市販の書籍は「日本人のためのMBAエッセイ インタビュー キャリア対策 第2版 」と「新装版 大学院留学のためのエッセーと推薦状」が大いに参考になります。その他、TOEFLの試験対策については、MBA受験用の各種サイトが非常に役立ちました。先に留学した先輩等がいる場合には、その出願書類一式も参考になります。必須ではありませんが、出願書類について身近にネイティブチェックを受けられる環境がある場合にはお願いしてもよいでしょう。英文校正を専門とする外部業者に委託することも考えられます。ただし、自分が書く英語と文体や語調にあからさまなずれが生じるリスクがあるのでその点への配慮は必要です。

theme : 司法試験・資格試験・語学試験
genre : 学問・文化・芸術

tag : #LLM #ロースクール #留学 #NY Bar #ニューヨーク州司法試験

05 | 2018/06 | 07
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

maso

Author:maso
司法試験合格に向けた本質的勉強法を綴ります。

主要な記事は「目次」(リンク済)からご覧くださいニコニコマーク

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
月別アーカイブ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

masoブロ カウンター
maso on Twitter
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。